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留学中の住民票はどうするべき?海外転出届を出すメリットと注意点

更新日:2023.06.30

留学中の住民票はどうするべき?海外転出届を出すメリットと注意点

留学に行く予定の人が気になることの一つに、日本の住民票をどうするかという問題があるでしょう。長期で留学をしている人の中には、住民票を抜いてから渡航している人も多いですし、「自分も住民票を抜くべきなのでは?」と疑問に思うのではないでしょうか。

そこでこの記事では、海外留学をする人の住民票について解説します。特に長期間の留学を考えている人は、こちらを参考に、住民票をどうするかを考えてみましょう。

【目次】

1.留学時における住民票のルールとは?

2.海外転出届を出す(住民票を抜く)メリット

3.海外転出届を出す(住民票を抜く)デメリット

4.海外転出届を出す方法と注意点

5.留学中の住民票は期間や状況によって判断しよう!

 

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1.留学時における住民票のルールとは?

海外留学をする際に、国や自治体で住民票について何かルールは決まっているのでしょうか。これについては、厳しいルールはないものの「長期間海外に居住する場合は、海外転出届を出す」ということになっています。
海外転出届を提出すると、いわゆる「住民票を抜いた」状態となります。

この「長期間」の概念は自治体によっても異なりますが、たとえば1年の海外留学をする際に、住民票をそのままにして渡航しても、特にペナルティがあるわけではありません。
ですから、住民票を抜くかどうかは、個人の判断に委ねられます。

ただし、3ヶ月などの短期留学の場合は、海外転出届を提出する必要はありません。
また、半年くらいだと、住民票は置いておいた方が良い場合もあります。
1年未満の留学だと、転出届自体を推奨していない自治体もありますから、判断がつかない場合は、お住まいの自治体に聞いてみましょう。
もちろん、自治体でOKが出て、自分もそれを希望するなら、住民票を抜いて留学をしても構いません。

問題は1年以上、またはそれに近い期間の留学をする場合です。
長期留学の場合は、住民票を抜くかどうかが金銭的な面にも大きく関わってきますし、メリット・デメリットを知って、どうするかを考えた方が良いでしょう。

2.海外転出届を出す(住民票を抜く)メリット

留学時に海外転出届を提出すると、さまざまなメリット・デメリットが生じます。まずは海外転出届を提出し、住民票を抜いた場合のメリットをご紹介します。

1. 住民税の支払い義務がなくなる

住民票を抜くと、その自治体の住民ではなくなるため、住民税の支払い義務がなくなります。そもそも仕事をしていないか、所得が低いために住民税が免除されている場合は、住民税におけるメリットはありませんが、これまでお仕事をしていた人にとっては、住民税は大きな問題になるはず。
金額も大きいものですから、住民票を抜いておいた方が金銭的なメリットが大きいでしょう。

2. 国民健康保険料を支払わなくてよくなる

住民票を抜くと、国民健康保険料の支払い義務もなくなります。国民健康保険料は、前年度の収入によって支払額が決まるため、前年度に収入がたくさんあった人にとっては、負担が大きくなってしまいますよね。

ただし、誰かの扶養に入っている人の場合は、その方のお勤め先の健康保険に加入しているでしょうから、このメリットは特に発生しません。
ちなみに扶養に入っていて、その方の健康保険に加入している場合は、住民票を抜いても日本の健康保険がなくなるわけではありません。

3. 国民年金への加入義務がなくなる

日本に住民票がない人は、国民年金への加入義務はありません。ですから、住民票を抜くことで、日本を離れている間の国民年金の支払いは免除されます。
令和5年度で年金の月額が16,520円ですから、これを払わないでいいとなると、大きな節約になりますよね。

3.海外転出届を出す(住民票を抜く)デメリット

海外転出届を提出し、住民票を抜くとさまざまなメリットがあるように見えますが、デメリットがないわけではありません。ここからは、そんなデメリットについてもご紹介します。

1. 住民票の発行ができない

当然ながら、住民票を日本から抜いてしまえば、住民票の発行はできません。ですが、海外に行っている間に住民票が必要になることはほとんどないでしょう。
そのため、海外転出届の提出は、留学先へ旅立つ直前に行えば、住民票が発行できないことがデメリットにはならないはずです。

2. 銀行口座やクレジットカードを新規発行できない

住民票を抜くとは、日本国内に正式な住所がない状態になるということです。
その状態でも、たとえばネット通販などなら、実家に送るなどの方法で利用することができます。
しかし、銀行口座やクレジットカードの新規発行などは、本人確認書類がなければできない手続きです。住民票を抜いた時点で、保険証やマイナンバーカードといった本人確認書類は失効するため、こうした手続きができなくなります。

ただし、すでに持っている銀行口座やクレジットカードは、住民票を抜いたあとでも使えます。海外にいるときに日本の口座やクレジットカードを作ることはないでしょうから、これもあまりデメリットとは言えませんね。

3. 失業手当を受けられなくなる

お仕事をしていた人は、自己都合退職であっても求職活動をしていれば、一定期間の後に失業手当を受け取ることができます。
しかし、海外に転出してしまうと、失業手当は受けられません。失業手当は、そもそも求職中の人を対象としていますから、留学中に受け取れないのは当然ですね。

4. 日本の健康保険に入っていない状態になる

住民票を抜くと、日本の健康保険に加入していない状態になります。この状態だと、日本に一時帰国などをしたときに、保険を適用して医療サービスを受けることができなくなります。つまり、お医者さんにかかるときは、10割負担になるということです。

また、日本の健康保険に加入していると、海外で受けた医療サービスについても、手続きを行うことで保険が適用されます。海外留学保険や旅行保険のように全額カバーされるわけではありませんが、国民健康保険に加入していると、そうした補償があることも覚えておきましょう。

5. 将来の年金支給額が減る

海外に居住している間は、国民年金保険の支払いが免除されますが、支払いをしていない期間分の支給額は減ります。
とは言え、1年くらいであれば、大した違いはありません。しかし5年などかなり長期で海外居住する場合は、年金の受取額に違いが表れるでしょう。

国民年金は海外にいる間も任意加入が可能ですので、加入を考えてみても良いかもしれませんね。

6. 扶養に入っている場合は手続きが難しい場合も

親御さんや配偶者の扶養に入っている人が、住民票を抜いて留学をする場合は、扶養に関する手続きが難しくなるかもしれません。
家族の扶養に入るときには、収入が一定額未満であることを証明する必要がありますが、住民票を抜いてしまうと、所得証明を発行することができなくなるからです。

手続きは各企業・団体によって異なりますが、毎年扶養家族の証明が必要な企業・団体だと、年度をまたぐときに手続きが複雑になる可能性があります。
扶養に入ったまま留学する人の場合は、そもそも住民票を抜くメリットがほとんどないため、住民票は置いたままにしておくのが良いかもしれません。

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4.海外転出届を出す方法と注意点

留学に向けて住民票を抜くと決めたら、次にすることは実際の海外転出届の手続きです。この手続きはお住まいの市町村区役所で行います。
手続きができるのは、日本出国14日前から当日まで。手続きをしたらすぐに住民票がなくなるわけではなく、いつからという指定ができます。

海外転出届を提出する際に必要な書類は、大体以下のとおりです。しかし自治体によって求められる書類が異なりますから、事前に確認をおすすめします。
・本人確認書類
・マイナンバーカード
・国民健康保険被保険者証(お持ちの場合)
・印鑑

海外転出届を出す際には、市町村区役所に向かって「海外転出の手続き」と言えば良いだけです。手続きが完了すると「転出証明書」というものが発行されます。
この転出証明書は帰国時に再度住民票を復活させる際に必要になりますから、なくさないようにしましょう。

住民票を抜くことには、特に金銭面においてメリットがありますが、注意しなければならないこともあります。
ここからは、住民票を抜く際に意識しておきたい注意点を解説します。

住民税の支払い義務発生日に注意!

住民票を抜くと確かに住民税の支払い義務がなくなります。しかし、住民税の支払い義務の発生日には注意しましょう。
住民税は、毎年1月1日時点で日本に居住している人に対して支払い義務が発生します。つまり、1月10日から住民票を抜いて留学をする人は、その年の住民税の支払い義務が発生してしまうのです。

つまり、支払い義務を免れたいなら、年を越える前に出発するのが良いでしょう。新年から心機一転……と旅立ちたい気持ちはわかりますが、住民税のことを考えると日程を調整した方が良いかもしれません。

帰国したらすぐに住民票を戻すこと

留学が終わって帰国したら、すぐに住民票を戻すことを忘れないようにしましょう。忘れてしまうと、健康保険が無保険状態だったり、マイナンバーカードがなかったりと、不自由なことがたくさんあります。
もちろん、仕事探しも住民票が国内になければできません。
ですから、帰国をしたらすぐに市町村区役所に出向き、転入届をしておきましょう。

一時帰国時は国民健康保険が使えない

住民票を抜いてしまうと、一時帰国時に健康保険が使えないことにも注意しましょう。
何もなければ良いのですが、一時帰国中に事故に遭ったり、病気になったりした場合、日本国内での医療費を全額支払うことになってしまいます。

一定期間一時帰国をするなら、その間は住民票を戻しておくのがおすすめ。ただし短期間だと難しい場合もあるので、詳しくはお住まいの自治体に相談するようにしてください。

5.留学中の住民票は期間や状況によって判断しよう!

長期間海外に居住する場合は、一応転出届を出すことになってはいますが、出さなかったからといって罰されるものではありません。そのため、住民票を抜くかどうかは個人の判断にかかっているのが実情です。
留学期間やご自身の状況ともあわせて考え、どちらにするか決めてくださいね。

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