大学留学では避けて通ることができない英語のプレゼンテーション(以下、プレゼン)。グローバル化が進み、外資系のみならず日系の企業も国際化されてきて、社内での英語のプレゼンを求められる機会も増えてきました。
英語のプレゼンは、日本語のプレゼンを直訳するのではなく、構成を意識し、英語プレゼンならではの表現を使うことで内容が伝わりやすくなります。はじめての英語プレゼンは緊張しますし、まして構成やフレーズなど考える余裕はない人がほとんどです。
本記事では、はじめての英語プレゼンでもしっかり伝わる構成の基本、そして使える英語フレーズ、具体的なスライド作成のコツまで徹底解説します。
英語プレゼン基本の3つの構成
日本語のプレゼン、いわゆる発表では「起承転結」を用いて行われる場合が多いですが、英語のプレゼンは「導入・本文・結論(結び)」が基本です。この基本構成の意味・役割をまずは理解していきましょう。
1.導入(Introduction)
≪導入で話す内容≫
・挨拶
・自己紹介
・プレゼンテーマ、概要、結論頭出し
・プレゼンのアウトライン、時間
導入はプレゼンにおいて聴衆の注意・関心を引く、大変重要な役割を果たします。まずは集まってくれたこと、時間を割いてくれたことへのお礼、そして自己紹介をしましょう。
そして、プレゼンの目的やテーマなどのアウトラインを話すのが基本です。結論を簡潔に頭出ししておくと聞き手の関心をより得られます。
導入に関しては、聞き手の関心を引き、プレゼンの概要を伝えるのが目的ですので、話す時間は短めで構いません。また、質疑応答はプレゼン終了後に受け付けます、という一言があればより親切です。
2.本文(Main Part)
≪本文で話す内容≫
テーマについての、
詳しい内容
・問題提起
・具体的実例(データや比較表)
・予想、見解
本文では導入で示したテーマについて詳しく説明し、具体的な内容に踏み込んでいきます。そのなかで問題提起をし、その問題に関しての具体的な実例を挙げていきます。
実例に関してはデータや比較表などを使用し、主観的ではなく客観的な事実に基づいて話すようにしましょう。根拠に信憑性を持たせ、聞き手に納得してもらう必要があります。
最後に、実例から考えられる予想や見解を述べて、結論につなげていきます。
3.結論、結び(Conclusion)
結論は本文の要約です。本文ででてきた問題提起に対して結論をまとめます。自分の見解をシンプルにまとめて強調することで、自分の伝えたいことがより印象に残ります。
最後は感謝の言葉で締めてください。
英語プレゼン作成時の2つのポイント
では、早速プレゼン原稿を作成しよう!といきたいところですが、ちょっとだけ待ってください。これから伝える2点のポイントに気をつけるだけで、より伝わりやすいプレゼンになります。
ポイント1.結論から話す
構成の最後が結論なのに、最初に結論から話すの?と思われそうですが、導入の際に簡潔にでも結論に触れておくことで聞き手の心をグッとつかむことができます。
これは導入に限らずいえることなのですが、ひとつひとつの事象・具体例を話す時も、結論→理由→具体例→結論を意識することで伝わりやすくなります。これはPREP法といわれる手法で、Point(結論)・Reason(理由)・Example(例)・Point(結論)のことを指します。
冗長になりすぎない程度に意識すると、よりわかりやすいプレゼン原稿を作ることができます。
ポイント2.使いやすい単語、フレーズを使う
専門用語を使ったほうがそれらしく聞こえそうな気がして難しい単語を使おうとする人がいますが、これはNGです。
専門用語は発音が難しかったり、使い慣れていないと自信を持てず伝わらなかったりする場合があります。また、聞き手がその単語を知らず、内容を理解できない場合もあります。
日本語でも同じことがいえますが、専門用語より誰でもわかるシンプルな言葉のほうが伝わります。
英語プレゼンではできるだけ簡単な英単語に置き換えることで、自分自身もプレゼンしやすく、聴衆にも伝わりやすくなりますので、簡単な単語・フレーズを意識しましょう。
英語プレゼン使える英語フレーズ
これから各構成でよく使われる役立つ英語フレーズについてお伝えします。
1.導入(Introduction)で使える英語フレーズ
≪冒頭挨拶≫
Hello, everyone./「皆さんこんにちは。」
Thank you for coming today./「本日はお越しいただきありがとうございます。」
Let me introduce myself first./「まずは自己紹介させてください。」
My name is 〇〇、 General Manager of △△. /「私の名前は〇〇です。△△社の部長をしています。
日本人的な感覚だと少し恥ずかしい気もしますが、”Ladies and gentleman!”と呼びかけるのもよく使う冒頭挨拶です。上記のような挨拶を済ませたら、次はプレゼンの目的を伝えましょう。
≪目的を伝える≫
Today’s main topic is 〇〇./「本日のメイントピックは〇〇です。」
Today I’d like to talk to you about 〇〇./「本日は〇〇についてお話ししたいと思います。」
簡単な挨拶、自己紹介の後は今日のテーマ・目的をシンプルに伝えましょう。簡単な英文で構いません。
≪プレゼンのアウトラインを伝える≫
There are three things I’d like to talk about in this presentation. /「本日のプレゼンテーションの内容は3部構成です。」
Firstly, I will talk about 〇〇. Then I will explain △△. Finally, I will describe ××.
「まず〇〇について、次に△△について、最後に××についてご説明いたします。」
プレゼンのアウトラインを先に伝えることで、聞き手としてはその後のプレゼンのイメージがしやすくなります。これがあるかないかで聴衆の理解度は大きく変わりますので、必ず伝えておきたい部分です。
2.本文(Main Part)で使える英語フレーズ
I’d like to start by looking at 〇〇./「まず最初に〇〇について説明します。」
Next, I’d like to talk about △△./「次に△△についてお話いたします。」
Let’s move on to ××./「次に××についてお話いたします。」
本文ではひとつひとつ区切って話をしていくのがポイントです。「まず最初は、、、。」「次に、、、。」とトピックを変える際は聞き手がわかるようにしましょう。
3.結論、結び(Conclusion)で使える英語フレーズ
We’re coming to the end,…/「最後になりますが、。。。」
Thank you for your listening./「ご静聴ありがとうございました。」
最後の結びは結論で締め、プレゼンを聞いてくれた、時間を割いて参加してくれたお礼を伝えて終わるというのが基本の流れです。
英語プレゼンスライド作成のコツ
英語プレゼンのスライド作成にはいくつかのコツがあります。
≪英語プレゼンスライド作成のコツ≫
1スライドにつき主要なメッセージは1つ。
結論ファースト。簡潔に。
文字は大きく。説明は細かく書きすぎない。
図、イラストは補足程度に。
コツをまとめると、「聞き手にわかりやすく」ということに尽きます。1スライドにたくさんの伝えたいことが書かれてあれば混乱しますし、長々と説明があり、結論がいつまでもでてこないスライドはストレスに感じます。
また、席によっては文字が見づらいこともあり、後ろ側にいる人への配慮も必要です。図やイラストばかりのスライドは口頭のみのプレゼンになってしまう可能性があり、図やイラストはあくまでもスライドを見やすくする補足であると考えるべきです。
プレゼン対策
ここまではプレゼンの原稿やスライドを作成するコツを伝えてきましたが、次はプレゼン本番に入る前の対策について触れていきます。
1.プレゼン動画をチェック
動画サイトを見ると英語プレゼンの動画は至るところにあふれています。「英語 プレゼン」や「英語 〇〇(自分のテーマ)プレゼン」などで検索すればいくらでもプレゼン動画がでてくるはずです。
動画にあがっているプレゼンでレベルが低いものは少なく、ほとんどの動画は参考になるはずです。まずは動画サイトをチェックして、盗めるところは盗んでいきましょう。
2.自分のプレゼンを録画
次に自分のプレゼンを録画して自分で見てみましょう。自分ではできているつもりでも、録画で見てみると思いのほか想像と違うというのはよくあることです。
本番当日はその姿を参加者全員が見ることになります。どうせ見られるのであれば、その姿を自分が確認し、気づくところがあれば本番まで修正できるようにしましょう。
3.誰かに聞いてもらう
最後に誰かに自分のプレゼンを見てもらうというのが仕上げになります。自分では大丈夫と思っても、実際にプレゼンを見るのは自分以外の人です。
その自分以外の人に見てもらい、正直な感想や修正点の指摘をしてもらえば、本番まで完璧な準備が整うといっても過言ではありません。
まとめ
英語のプレゼンについてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。英語のプレゼンというと敷居が高く、自分が本当にできるのか疑いたくなると思いますが、今回の記事を参考に、ひとつずつまとめていけば問題なくクリアできるはずです。