留学に興味があるものの「何から始めれば良いのか分からない…」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。留学の準備と聞くと、なんとなく大変そうなイメージがありますよね。
ここでは留学の渡航までの流れを4つのステップで解説しますので、焦らず少しずつ準備を進めましょう。さらに、帰国後のキャリアに生かすためのポイントもご紹介します。留学を将来に役立てたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
- 【留学の渡航までの流れ】まずは全体像を把握しよう!
- Step1:留学の目的や予算などを検討する
- Step2:留学について調べる
- Step3:留学の手続きを進める
- Step4:渡航に向けた準備をする
- 留学を帰国後のキャリアに生かすためには?
【留学の渡航までの流れ】まずは全体像を把握しよう!
留学を検討している方は、まずは大まかな流れを把握しましょう。「留学」と言ってもたくさんの選択肢があり、選択肢によって体験できることや得られるスキルが異なります。
そこで、最初にやるべきことは目的や予算、渡航時期など「どのような留学にしたいのか」について考えることです。
自分の考えが整理できたら、留学について深く調べ、具体的にプランを検討していきます。プラン決定後に行うのは、ビザや学校、滞在先などの各種手続きです。最後のステップでは持参する荷物や現地で使うお金の準備をします。
Step1:留学の目的や予算などを検討する
Step1では自分の希望を整理しましょう。とはいえ「何をどのように考えれば良いのか分からない」と感じる方もいるかもしれません。ここでは、以下4つの項目を検討する際のポイントや注意点を解説します。
- 留学の目的
- 現実的な予算
- 渡航時期・滞在期間
- 英語力
1.留学の目的
目的を定めずに留学準備を進めることは、ゴールを決めずにやみくもに走り続けるようなものです。目指すべきゴールがないと、目標タイムもなければ目標達成に向けてやるべきことも定まらず、「走った」という事実だけが残ります。
留学も同様で、「何のために留学するのか」を明確にせずに渡航すると「留学して楽しかった」で終わってしまう恐れがあります。
思い出作りのために海外へ渡航する場合は、それでも良いのかもしれません。しかし、留学を将来のキャリアに生かしたいと考えるのであれば、「なぜ留学したいのか」「帰国後にどのような自分になりたいのか」について時間をかけて考えてみましょう。
自分の頭の中だけで考えていると、答えが見つからないこともあるかもしれません。そんな時は人に相談してみるのもおすすめです。
2.現実的な予算
航空券、学校の授業料、現地での滞在費など留学にはさまざまな費用がかかります。資金をこれから準備する方は、渡航までに現実的に貯められる金額を計算してみましょう。
「そもそもいくら必要なのか」気になる方もいるかもしれません。しかし、留学に必要な費用は人によって大きく異なるため一概に言えません。留学にかかる費用は、主に「滞在期間」と「現地での生活スタイル」によって左右されます。
例えば、滞在期間が短期よりも長期の方が必然的に生活費の合計金額が高くなりますよね。
また、現地での通学がメインの場合と就労がメインの場合とでは、前者の方が必要な金額が高くなるでしょう。そういった意味でも、「どのような留学にしたいのか」について考えておくことが大切です。
3.渡航時期・滞在期間
希望の渡航時期と滞在期間をそれぞれ検討しましょう。ただし、滞在期間を検討する際は、渡航先が発給するビザ※の条件を考慮する必要があります。ビザを発給する国や取得するビザの種類によって、滞在できる期間が異なるためです。
※渡航先の入国許可証
また、取得するビザによって現地でできること(通学、就労など)も変わるため、気になる国がある方は以下3点を意識して情報収集してみましょう。
- 渡航先で取得できるビザの種類
- 対象のビザでできること
- ビザで認められている滞在期間
ビザに関する情報は「留学やワーホリ先を探す」のページでもご紹介しています。ただし、ビザの情報は政府の方針や各国の情勢によって変更されることが珍しくありません。最新情報は、各国の大使館・総領事館にてご確認ください。
4.英語力
渡航時の英語力によって、現地でできることの幅や留学の質が変動します。例えば、アルバイトを希望する場合は英文履歴書を作成し、書類選考や面接に通過しなければなりません。
「英語が全く分からない」という状態では、それらをこなすことは難しいですよね。
また、働くと言っても、現地のネイティブが経営する会社と日本人が経営する会社とでは求められる英語力の高さが異なります。現時点での英語力と希望の実現に向けて必要な英語力を早い段階で確認し、渡航までにギャップを埋めることが大切です。
Step2:留学について調べる
Step2は、自分の希望がある程度まとまり、具体的なプランを検討していく段階です。留学に関する知識を深める大切なステップでもあります。ここではプラン決めや留学中の生活に関する以下3点を中心に解説しましょう。
- 留学の種類
- 学校の選択肢
- 滞在方法
1.留学の種類
留学には多くの種類があります。海外の学校へ進学する正規留学、自由度の高いワーキングホリデー、職場体験ができるインターンなど、選択肢によって得られる経験やスキルが異なります。
Step1で検討した留学の目的や予算などを踏まえて、希望に近い留学の種類について理解を深めましょう。
「留学」「ワーホリ」とは?それぞれの定義や違い、身に付くスキルなど
2.学校の選択肢
学校へ通う予定の方は、学校の選択肢とそれぞれの違いを知っておきましょう。留学時に候補となる学校は、大きく分けて以下4種類です。
- 語学学校:基礎英語を学ぶ
- 4年生大学:英語で専門分野を学ぶ
- 2年生大学:英語で専門分野を学ぶ(4年生大学への編入を目指す方向け)
- 専門学校:英語で仕事に役立つ知識を身に付ける
上記の中で語学学校とその他の学校では、周りの環境や学習内容が大きく異なります。語学学校は留学生が基礎英語を学ぶ場所、その他の学校は英語を用いて専門分野を学ぶ場所であるため、後者の方が求められる英語力が高くなります。
3.滞在方法
留学中の住環境について気になる方は多いでしょう。留学生の一般的な滞在方法は主に以下3種類です。
- ホームステイ:現地のホストファミリーと一緒に生活する
- 学生寮:同じ学校へ通う学生と一緒に生活する
- シェアハウス:アパートや一戸建てに複数人で同居する
ホームステイでは現地の家族と一緒に生活するため、渡航先の文化や慣習をより身近に感じることができます。学生寮では自分と異なるコースを受講している学生と相部屋になるケースもあるため、より多くの学生と親しくなれるチャンスがあるでしょう。
日本では聞き慣れない方も多いかもしれませんが、留学生の滞在方法としてシェアハウスも人気です。シェアハウスは、オーナーが所有するアパートや一戸建てに他の借主と共同生活する方法です。
学生だけでなく社会人ともコミュニケーションを取りたい方や、自立した生活をしたい方に向いています。
4.留学に関する情報収集・相談先は?
留学に関する情報収集・相談先にお悩みの方もいるかもしれません。情報収集の手段は大きく分けて以下3つです。
- インターネットで調べる:手軽な反面、情報の信頼性が低いウェブサイトもある点に注意
- 雑誌や書籍で調べる:体系的に学ぶことが可能だが、費用がかかる
- 他者に相談する:現地のリアルな情報を入手できる一方、相談先によっては視点が偏りがち
それぞれの方法にメリット・デメリットがあるため、複数の選択肢を試してみてご自身に適した方法を模索してみてください。相談先を探している方は、留学に詳しい留学エージェントへの相談が選択肢の一つです。
夢カナ留学でも、プロのコンサルタントによるカウンセリングを受け付けています。留学を検討中の方の夢や目標の実現に向けたお手伝いをさせていただきますので、留学準備に不安がある方はお気軽にご相談ください。
弊社のコンサルタントは全員が留学経験者。「留学の楽しさだけでなく、大変さも知りたい!」という方にもおすすめです。
Step3:留学の手続きを進める
Step3では検討した留学プランを実現するために、以下5つの手続きを進めましょう。ただし、手続きについてはプランによって異なる点が多いため、あくまでも一例としてご覧ください。
- ビザ
- 保険
- 学校・滞在先
- 航空券
- 公的手続き
1.ビザ
ビザの申請要否や必要書類、発給までの流れは、渡航先の国や滞在期間、留学の目的などによってさまざまです。例えば、申請がオンラインで完結する場合もあれば、申請後に大使館での面接が必要な場合もあります。ビザ申請の詳細は各国の大使館または総領事館へご確認ください。
申請が必要な場合、必ずビザの発給条件を確認しておきましょう。国によっては、年間のビザ発給数に上限が設けられていることがあるためです。
例えば、同じワーキングホリデービザでも、オーストラリアは申請を通年受け付けていますが、カナダは抽選式です。カナダの場合、ビザ申請のタイミングによっては渡航が翌年以降にずれてしまいます。
なお、ビザ申請時の手続きは基本的に英語です。英語に自信がない方は、余裕をもって準備しましょう。ただし、ビザの発給から有効期限が定められているため、申請のタイミングにご注意ください。
また、ビザの申請にはパスポートが必要です。パスポートを取得していない方は、先に取得しなければなりません。住民登録をしている都道府県の窓口で手続きしましょう。パスポート申請時の必要書類は以下5点です。
- 一般旅券発給申請書
- 戸籍抄本または戸籍謄本(6か月以内に発行されたもの)
- 顔写真(縦45mm×横35mmの縁なし・無背景)
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 住民票(場合によっては必要※)
※住民基本台帳ネットワークシステムの利用を希望していない場合など、状況によっては必要です。詳細は各都道府県の窓口へご確認ください。
2.保険
留学時に加入する保険とは、ケガや病気の治療費、携行品の損害、他人にケガをさせてしまった場合の賠償金などを補償してくれるものです。多くの場合、留学時の保険への加入は必須ではありません。
しかし、海外で病気やケガをしてしまった場合に高額な医療費がかかることもあるため、加入しておいた方が安心です。保険会社によって保険の名称や補償内容、料金等が異なるため、公式サイトや店舗で確認してみてください。
3.学校・滞在先
学校の公式サイトには、コースや授業料、学生寮といった各種情報が掲載されています。気になる学校があれば、パンフレットを請求してみるのも良いでしょう。
入学時期は学校によってさまざまです。早めにリサーチを始めて、希望の渡航時期に入学するには、いつまでに何をしておけば良いのかを確認しておきましょう。
夢カナ留学の公式サイトでも「語学学校・海外大学」の情報を掲載していますので、興味がある方はぜひ参考にしてください。
ホームステイや学生寮は、学校や留学エージェントを通して手続きする方が多くいらっしゃいます。シェアハウスは現地の「暮らし情報サイト」からご自身で探すことが可能です。
例えば、オーストラリアではflatmatesや日豪プレスというウェブサイトがあります。ウェブサイトを通してオーナーとメッセージのやり取りができる仕組みのため、気になる部屋が見つかったら質問してみるのも良いでしょう。
4.航空券
夏期や年末年始、ゴールデンウイークなど世間一般で海外旅行が増えるタイミングでは高額かつ予約が取りにくくなる傾向。そういった意味では、渡航時期をオフシーズンに設定するのも手です。
また、航空券を早めに購入すると、費用を抑えられる可能性があります。出発の時期や使う航空会社によって価格に大きな差が生じるため、コストを削減したい方は早めに比較・検討してみてください。
5.公的手続き
留学やワーホリの滞在期間が1年以上の方は、海外転出届が必要となる場合があります。公的手続きの相談先は、住民登録をしている市町村の窓口です。留学中の社会保険料の支払いや納税に関わる大切な手続きであるため、しっかりと確認しておきましょう。
留学時に関連する公的手続きの対象は、主に住民税・国民年金※・国民健康保険※の3種類です。国民年金や国民健康保険は、各市町村に住所を有する方が対象となる社会保険、住民税は毎年1月1日時点で各市町村に住所を有する方に課される税金です。
※上記は、第1号被保険者(自営業の方、離職した方、扶養に入っていない方など)が加入する社会保険です
海外転出届の手続きをするということは、その地域の住民ではなくなるということ。つまり、留学中の各種納付が免除されます。
なお、渡航以前に発生した納付義務に関しては免除されません。例えば、2024年5月まで住民税の納税義務がある方が2023年12月に渡航したとします。その場合、すでに生じている2024年1月から5月までの納税義務が免除される訳ではありません。
税金や社会保険制度は少々複雑なため、詳細はお住まいの地域の市町村窓口へご確認ください。
Step4:渡航に向けた準備をする
留学までのステップとしていよいよ最終段階です。このステップでは渡航時の持ち物や現地で使うお金の準備をしましょう。
1.渡航時の持ち物の準備
渡航前は不安が多く、あれもこれもとたくさんの荷物を持って行きたくなりますよね。荷物を準備する際は、以下3つのポイントを意識してみてください。
特に、渡航先が先進国の場合は日本で売っている日用品の多くを現地で購入できます(もちろん、質や価格帯は異なります)。予算に余裕がない方、荷物を減らしたい方は、渡航前に無理をせず、現地での購入も検討してみてください。
ご家族の協力を得られるのであれば、渡航後に荷物を送ってもらうのも手です。例えば、長期留学の場合は渡航時期に適した衣類のみを持参し、時期をずらして日本から違う季節の衣類を送ってもらう方法があります。
2.現地で使うお金の準備
現地で使うお金の持って行き方には、現金やクレジットカード、デビットカードといった選択肢があります。
盗難・紛失リスクを想定し、手持ちの現金は最小限にとどめておくのがおすすめ。カードの場合は利用を止めれば損失を抑えられる一方、現金の場合は全財産を失ってしまうためです。
外貨へ両替できる場所の一例として、日本の銀行や空港、現地の両替商などが挙げられます。場所によって手数料が異なるため、事前に比較しておくと良いでしょう。また、為替レートは日々変動しているため、タイミングによって得られる外貨の合計金額が異なります。
例えば、10万円をオーストラリアドルへ両替するとしましょう。1オーストラリアドル95円の時は約1,052ドル、1オーストラリアドル85円の時は約1,176ドルに両替できます。
後者は前者に対して「円高」と呼ばれ、日本円の価値が高い状態です。外貨への両替時に得をしたい方は、円高のタイミングを狙いましょう。
また、渡航先によっては現金よりもカード払いが主流の国もあります。現金と併せてクレジットカードを準備しておくと便利です。
クレジットカードは、支払いだけではなく「信頼の証」という点でも作成するメリットがあります。一種の身分証代わりとなり、ホテルやレンタカーなど後払いの支払い時にクレジットカードの提示が求められるケースがあるためです。
クレジットカードでは「使い過ぎないか心配」という方はデビットカードを使用するのも手です。デビットカードは即時決済(口座残高が上限額)となるため、使い過ぎる心配がありません。
クレジットカードとデビットカードの仕組みを図解でまとめましたので、検討時の参考にしていただければと思います。
留学を帰国後のキャリアに生かすためには?
「留学の経験を将来に役立てたい」という方は、準備の段階から先を見越して計画を立てましょう。自分の夢や目標を明確にして、そこから逆算してプランを検討することが重要です。自分の軸を定めておけば、留学前・留学中にやるべきことが見えてきますよね。
また、渡航後のキャリアについて相談できる環境を整えておくのも良いでしょう。経験やスキル不足により、帰国後の就職・転職活動に苦労する方もいらっしゃいます。
夢カナ留学では、お客さまの留学経験を将来に役立てていただけるよう、留学前から帰国後まで長期でサポートさせていただきます。帰国後のキャリアに不安がある方はお気軽にご相談ください。
夢カナキャリア