【体験談】オーストラリア出稼ぎワーホリの“光と影”
K.Kashiwagiさん(21歳)
大学を中退して留学
留学の目的 — 英語力を向上させるため。
渡航先・期間 — オーストラリア(シドニー)×1年間
オーストラリアワーホリの家探しは大変?引っ越し経験は合計5回
(Kashiwagiさん)20歳の時に、ワーキングホリデーでオーストラリアのシドニーに滞在していました。シドニーへ留学した目的は、英語力を上げるためです。将来は英語を使った仕事をしたいなと思って。
(夢カナ留学 安藤)自分が想像していた留学生活を過ごせたかな?
(Kashiwagiさん)そうですね。「行けば大丈夫だろう」と考えていたから。でも、現地で大変な思いもしました。
(夢カナ留学 安藤)一番大変だったことは?
(Kashiwagiさん)渡航直後に、オージーのホームステイ先に滞在しましたが「ここには長くいられないな…」と感じて家を変える決断をしたことかな。これが最初の大きな決断。渡航から2週間ぐらいで家を出ました。でも、その決断をしたのは本当に良かった。学校が提案してくれたシェアハウスに移動したら、そこにはいろいろな国の人がいた。ホストファミリーよりもシェアメイトの方が年齢も近くて、英語力が伸びた。
(夢カナ留学 安藤)その後、ずっとそのシェアハウスに住んでいたの?
(Kashiwagiさん)そのシェアハウスには学校に通っている間しか住むことができなかったので、その後、また引っ越しました。私は、合計5回の引っ越しを経験したんです。
(夢カナ留学 安藤)シェアハウスはどのように探したの?
(Kashiwagiさん)友達が住んでいた部屋に空きが出て、「移動してきたら?」と紹介してもらいました。日本人が一人いましたが、他は外国人で英語が話せる環境でした。語学学校を卒業して、シティで仕事を探しながら1カ月だけ住んでみたものの、都会があまり好きではなくて…田舎のカフェの仕事が見つかったので、シティから30分くらいのところにしばらく住んでいました。
その後、帰る頃にまた引っ越すことになります。理由は、ルームメイトと喧嘩してしまったから。「もう嫌だ。ここに住んでいたくない」と感じてしまって。オーナーと仲良くしていたので、正直に話しました。帰国まで、残り2週間ぐらいだったんですけどね。
語学学校の友達は大切!でも、英語力を高めたいなら長く通う必要はないかも…
(夢カナ留学 安藤)英語の事前学習はしていきましたか?
(Kashiwagiさん)そうですね。動画を見たり、参考書を解いたり。J-English※では面接の練習、レジュメの書き方を学びました。語学学校ではレジュメの書き方を教えてくれるような授業はありませんでしたが、私は事前に対策しておいたから書き方が分かっていました。
※2023年8月より夢カナEnglishへ名称変更しています
(夢カナ留学 安藤)語学学校って、一般的な文法や会話を勉強するような場所だもんね。面接の特訓はしてくれないよね。
(Kashiwagiさん)面接練習など、仕事のための授業はないですね。語学学校に通っていた頃と働いていた期間とでは、後者の方が絶対に英語力が身に付くと思いました。私は語学学校に行きましたが、友達ができても英語力はそこまで上がっていないと感じましたね。
でも、友達がいなかったら一人で不安だった。だから、語学学校に通って良かったと思っています。でも、半年も行く必要はない。もしもお金を節約したいなら、1カ月くらいでいいかな。
(夢カナ留学 安藤)“留学=語学学校に長く通う”というのをイメージする方も多いと思うんだよね。でも、英語を本当に話せるようになりたいのであれば、現地で働く経験をした方が伸びるよね。
(Kashiwagiさん)そうですね。友達とショッピングする時のような日常会話も、学校で学ばないし。
海外で働くことの大変さとやりがいは?
私が働いていたカフェは、スタバみたいなところでした。オーストラリアは移民の国なので、オーストラリア人もいれば、中国人など多国籍の方が来店されました。共通言語は英語でしたが、各国の訛りが混ざったいろいろな英語があって、最初は聞き取れなくて大変でした。聞き取りは最後まで苦労しましたね。
(夢カナ留学 安藤)海外で働く中でトラブルはあった?
(Kashiwagiさん)ありました。最初、オーナーの奥さんも一緒に働いていたんですね。私はカフェで働くこと自体が初めてで仕組みが分からないし、コーヒーのことなんて全く分からないし。しかも、英語の接客で。トライアル期間があるのですけど、その期間の終了時に奥さんに呼ばれて「あまり動けないね」と言われて。
「1日2時間、2日間しか働いていないのに…私できません。みんなはできるんですか?」と伝えたら「できるよ」と言われてしまって。少し喧嘩したけど、なんだかんだ最後まで働きました。最初にそういうことがあって、少し心が折れそうになりました。
(夢カナ留学 安藤)働いていて良かったことは?
(Kashiwagiさん)お客さんが本当にフレンドリーだったこと。毎日来店されるおじいちゃんがいたんですね。「英語の勉強しています」と伝えるとおすすめのアプリを教えてくれるなど、お客さんとスタッフの距離が近くて、仕事中にやり取りをしたり、友達と出かけたりしながら英語を学んでいました。
時給1,600円でも低いって本当?出稼ぎワーホリの実体験
(夢カナ留学 安藤)オーストラリアでは1週間単位で給料をもらうと聞いているけど、シドニーで働くとしたらどれぐらい稼げるの?
(Kashiwagiさん)私の場合は、週5日、5時間〜6時間働いて時給18ドルでした。
(夢カナ留学 安藤)日本円で約1,600円(1オーストラリアドル=約88円の場合)かな。日本のカフェのアルバイトで考えたら、時給1,600円って高いよね。オーストラリアだと当たり前なの?
(Kashiwagiさん)私の場合は、面接の時に「いくら欲しい?」と店長に聞かれて、最低時給※を伝えてしまいました。たぶん20ドルと伝えていたら、20ドルもらえたと思う。まだあまり仕事ができなかったし、控えめに言ってしまいました。18ドルだったら最低時給※なので、少し低いかな。
※2018年当時海外に行ってまで日本語環境で働く。“英語力なしでワーホリ”の現実
(夢カナ留学 安藤)日本円に換算すると、最低でも1,600円もらえるっていう感覚なんだね。インターネット上の記事には時給1,000円と書いてあることもあるけど、そんなことはないんだね。
(Kashiwagiさん)それは、日本食レストランとか韓国料理屋さんとか、最低時給以下の飲食店で働いているからだと思う。私も少しだけ日本食レストランで働いていたことがあり、時給16ドルでした。最低賃金以下のところで働いている日本人は、かなり多いと思います。
私が働いていたところはインドネシア人や韓国人が多く、日本人は少なかったんですよね。意外と英語を使える環境でした。でも、シドニーの日本食レストランでは多くの日本人が働いていました。ラーメン屋さんとか。多分ワーホリで来ている人たちだと思います。
(夢カナ留学 安藤)彼らはなぜ、最低賃金以下の環境で働くんだと思う?
(Kashiwagiさん)英語ができないからかな。自信もないから。私は英語力を高めることを目標に留学したから、日本語環境で働いてしまうとワーホリの意味がないと考えていました。だから考え方の違いかな。
中には「お金を稼ぎたい」と考える人もいるかな。日本食レストランだと人手不足だからシフトも入れるし。なんだかんだ日本よりも稼げる。稼ぐ目的で来ている人もいると思う。目標や考え方の違いですかね。
(夢カナ留学 安藤)1週間で稼げた金額ってどれくらいだった?
(Kashiwagiさん)だいたい600ドル。人が足りない時は800ドルくらいは稼げたかな。
(夢カナ留学 安藤)日本円にすると、1週間で5万円から7万円の間くらいかな。4週間だと20万円から28万円くらいだね。
オーストラリアワーホリの生活費|実際いくらかかるの?
(Kashiwagiさん)私の場合は、自由に使うお金を1週間でだいたい100ドルと決めていました。家賃は1週間で120ドルと、かなり安いところに住んでいました。固定費でかかるのが、4週間で880ドルくらい。
家で米を支給してもらえたんですよね。「自由に食べていいよ」と。だから、いつも5合ぐらい炊いておいて冷凍していました。ワーホリは日本で働くよりも全然稼げると思います。“出稼ぎワーホリ”と言われる理由が分かりましたね。
ワーホリと旅行は別物。実際に住んで気が付いた日本の良さ
前と変わったのは「海外にずっと住むというよりも、日本を拠点にしていろんなところに行きたいな」という考え方です。日本食が大好きだし、オーストラリアではお風呂もシャワーしかないし。
(夢カナ留学 安藤)留学前の夢は、海外で働くことだったよね。でも実際に行ってみないと分からないよね。
(Kashiwagiさん)実際に住んでみて文化の違いを感じて、旅行とは違うなと。実際に行かないと絶対に分からないと思う。でも、私は海外に行ってみて正解だと思った。これからは、またお金を貯めていろいろな国を旅したいなと思っています。次はヨーロッパ旅行に1カ月ぐらい行こうと友達と話しています。
ワーホリで得られたものは、人間として成長したこと。英語ももちろんそうだし。行く前は、英語を話すのが恥ずかしいという気持ちがあったけど、今は自分が言いたいことを言えるようになったと思います。そこが大きな違いかな。海外に行きたいと思っているのであれば、何も考えずに行ってみて、それから考えてみるのもいいかなと思います。
(夢カナ留学)下記の記事ではKashiwagiさんの留学前の体験談も紹介しています。こちらもぜひご覧ください。
「大学を辞めてワーホリへ。親の反対、資金の準備…経験者が語る当時の苦労」