社会人にとって、ワーキングホリデーはキャリアを中断を伴う大きな決断です。本当に英語力は伸びるのか?帰国後のキャリアにどう影響するのか?心配になる方もいらっしゃいます。この記事では、限られたワーホリ期間で英語力が話せるようになる方法、帰国後に活かせる経験の作り方など、後悔しないワーホリの作り方を徹底解説します。ぜひ、最後まで読んで社会人のワーホリが「アリ」なのか、見極めて頂ければと思います。
社会人がワーキングホリデーを選ぶべき理由
ワーキングホリデーは、多くの社会人にとってキャリアや自己成長の貴重な機会をもたらします。
キャリアの空白期間をプラスに変える考え方
ワーキングホリデーを経験することによる「キャリアの空白期間」は、マイナスに捉えられがちですが、よく検討すると遥かにメリットの方が大きいことに気づきます。ワーホリはキャリアの「空白」期間ではなく、自分の価値を高める投資として行うものなのです。
キャリアの振り返りと進路調整の機会
社会人経験を持つことで、自分がどのような仕事に向いているのか、何を重視して働きたいのかを具体的に考えられる段階に達しているため、「自己分析」と「未来への戦略」を深める良いタイミングになります。
スキル習得の「証拠」としてのエピソード
ワーホリ中に得た経験は、具体的な成果やエピソードとして履歴書や面接でアピールできます。「空白期間」に見える時間を、実際にはスキルの習得や自己成長のプロセスに充てたことを、具体的に示すことが可能です。また、就職後も社内外の関係者に語れるエピソードを持つことは、対人関係上の資産といえます。
リスクを取る姿勢が評価される
ワーホリは、安全な職場環境から抜け出し、新しい環境に飛び込む挑戦です。このような行動力やリスクを取る姿勢は、特に企業が求める「柔軟性」「チャレンジ精神」を体現しています。
現代のキャリア観にフィット
グローバル化が進む現代では、「キャリアの連続性」よりも「経験の多様性」が重視される傾向があります。ワーホリ経験は、現代のダイナミックな職場環境において、価値あるキャリアパスの一部として評価されることが増えています。
「しばらく働いてみたけど、今の仕事や生活に満足できない」。そんなときにジョブチェンジのきっかけとして利用するのもワーホリのよい使い方です。
ワーホリがキャリア形成に与えるメリット
ワーホリで身につくスキルには以下のようなものがあります。
- 異文化適応力: ワーホリを通じて、多様なバックグラウンドを持つ人々と共に働いたり生活することで得られる適応力は、グローバルな職場で重宝されます。日本は内需の減少に伴い海外展開やインバウンドが成長の柱となってきており、多くの職場で、異なる文化や価値観を受け入れながら価値を生み出す力が必要になってきています。
- 英語力: 現地での生活や職場で英語を使う機会を持つことで、語学力が大幅に向上します。帰国後、商社や外資系企業などで、海外とコミュニケーションをとる部署の最前線で、即戦力として活躍されているケースが多く見られます。
- 問題解決能力: ワーホリ中に直面する課題を解決する過程で養われるスキル。特に、自律的に解決策を見つける力が評価されます。
- 英語でのプレゼン力: 英語を使ってアイデアを分かりやすく伝える能力。現地の職場やコミュニティでの経験が自信につながります。
1年で英語が話せるようになるために
ワーホリはほとんどの国で最長1年です。社会人になる年齢で、1年で英語がペラペラになることは可能なのでしょうか。
英語力は20~30代でも伸ばせる!
ここでは最新の科学の知見が参考になります。20代後半や30代でも、新しい言語を学ぶ能力は十分に残されており、英語力を伸ばせることが最新のMIT(マサチューセッツ工科大学)の研究で明らかになっています。
MITの発見:
- 文法学習能力が17~18歳以降にやや低下するものの、大人でも言語を学ぶ能力は保持されている。
- 10歳以降に学び始めた場合、ネイティブのレベルには達しにくいものの、実用的な会話の能力は十分に伸ばすことが可能。
- 大人は語彙の学習や実用的な会話のスキルにおいては、子供を上回る成果をあげる可能性がある。
大人でも学習可能な理由:
- 脳の可塑性がある: 成人しても脳は新しい情報を吸収できる柔軟性を持っている。
- 経験を活かした学習ができる: 大人は目標を明確にしやすく、効率的な学習を進めやすい。
仕事探しに必要な英語を学習しておく
英語力を短期間で伸ばすには、渡航後すぐに英語を多く使う仕事でワーホリを開始することが鍵です。ワーホリの時間は限られています。そのために、スムーズに仕事を見つけられる英語力は事前に身につけておきましょう。
- リスニングの訓練: 映画やポッドキャストを繰り返し視聴することで、ネイティブの発音やフレーズに慣れる。
- スピーキングの練習: オンラインでネイティブ講師と会話をする。初歩ではシャドーイング(音声を聞いて即座に繰り返す練習)が効果的。
- 英語で自分をアピールする練習: 仕事を得るには単に日常会話ができるだけでなく、履歴書(レジュメ)や面接で自分をアピールできなければなりません。
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現地での英語力を伸ばすコツ
現地に行った後は、日本語を使わない環境を意識的に選ぶことで、英語を使う機会を最大化することがポイントです。
- ネイティブ環境の仕事を見つける:ジャパレス(日本食レストラン)などではなく、ローカルジョブ(現地の人向けの仕事)に就くことができれば理想的です。それが難しくても、少しでもネイティブと英語で接する機会が多い仕事にこだわって探しましょう。
- ネイティブの友達や恋人を見つける:ネイティブと親しい関係になると英語力は飛躍的に伸びていきます。同世代の人が集まる場に積極的に顔を出し、気が合いそうな人に話しかけるとよいでしょう。
- 地域のイベントやコミュニティに参加する: ローカルの人と日常的に会話をする機会を作る有効な手段です。
ローカルの人しか来ないコミュニティセンターでバスケをして友達を沢山作りました。今ではチームでアマチュアの大会にも出場したり。カナダの学生と友達になれて、本当に楽しいです!
帰国後に活かせる経験の作り方
ワーキングホリデーで帰国後にキャリアとして活かせる経験を積むための具体的な行動を紹介していきます。
現地の文化やマナーを学ぶ
異文化適応力は、日本から出たことがない人には身につきにくいスキルです。現地の文化やマナーを理解し、それを行動に反映させることが、柔軟性をアピールする材料になります。
- 現地文化の学習: ネイティブに驚かれるくらいその国の歴史や習慣を学んでみましょう。誰でも自国の文化に興味を持ってくれる人には好意を抱くものです。背景を理解したコミュニケーションが取れると、ネイティブと深い関係を築け、ユニークな体験が得られるきっかけになるでしょう。
- ボランティア活動: ボランティア活動のテーマには、しばしばその国や地域の課題が反映されています。社会的な側面に向き合った経験は帰国後でも評価につながりやすいです。
現地のネットワークを構築する
帰国後に役立つ人脈が築きやすいことも社会人ワーホリの魅力といえます。バックグラウンドが大きく異なるため、Win-Winとなる関係を築けるチャンスが多くあります。
- 職場での交流: 近い立場で互いに仕事に向き合う様子を見ているため、信頼感が生まれやすいです。
- LinkedInなどを活用: 現地で築いた関係をオンラインで維持し、帰国後のキャリアに活かしましょう。
成長の目標を設定する
帰国後に企業への自己アピールとすることも視野に入れ、明確な目標を設定して達成に励みましょう。
- 語学力の目標設定: 「3か月で一人ですべての業務こなせるようになる」など、数字で具体的な達成目標を設定する。
- スキル習得の計画: 「現地での仕事を通じてリーダーシップを実践する」など、キャリアにつながるスキルを目指す。
体験を記録し発信する
ワーキングホリデー中の経験を記録しておくことで、就活での振り返りがしやすくなります。また、SNSで思わぬチャンスを得られる場合もあります。
- 英語での日記: 毎日の行動や学んだことを英語で記録しておきましょう。
- ソーシャルメディアでの発信: 現地での生活や挑戦をSNSで投稿してみましょう。「今」「その国に」「ワーホリで」発信している日本人は限られているので希少価値のある発信になります。アカウント自体が帰国後にアピールに使えたり、思わぬ人から声をかけられる場合もあります。
帰国後のキャリアを成功に導く方法
ここでは、ワーキングホリデーで得た経験を活かすためのアピールのコツや、ワーホリの経験が評価される業界・職種について解説します。
ワーホリ経験をアピールする履歴書を作る
企業に評価されるためには、ワーホリを経験したからこそ語れる内容で、仕事に役立つスキルを具体的にアピールすることが大切です。履歴書や職務経歴書において、どのように経験を言語化するかがポイントとなります。ここでは、鉄板といえるテーマを紹介します。
- 異文化適応力を活かし顧客対応をした経験: 接客業で、多国籍の顧客に対応した実績をアピールしましょう。リアリティがある内容で「その対応は普通の日本人には難しい」と面接官に思わせることができれば非常に強力です。
- リーダーシップを発揮しチームを管理した経験: 管理職の適性がある人材はどの会社も欲しています。ボランティア活動やプロジェクトでの役割を具体的に記載してアピールしましょう。
これらの具体的な成果を「行動→結果」の形式で記述することで、採用担当者に強い印象を与えることができます。
ワーホリ経験が評価される業界・職種
ワーホリ経験が評価されやすい業界や職種を理解し、それに向けた転職戦略を立てましょう。特に以下の分野では、ワーホリ経験がプラスに働きやすいです。
- 外資系企業: 英語力や異文化対応スキルが求められる職場で、ワーホリで得られる能力とピッタリ合致します。
- 商社: 異文化理解の他、英語での交渉力や柔軟性や実務経験が即戦力となる場合があります。
- 観光業界: ホテルでの業務やツアーガイドなど、英語を活かした職種が豊富です。比較的見つかりやすい仕事のため、志望する可能性があればぜひ経験しておきましょう。帰国後は経験者扱いとなり好待遇も見込めます。
- 航空業界:客室乗務員やグランドスタッフなど、英語を使う場面が多い職種では、ワーホリ経験が有利に働きます。異文化対応力とコミュニケーション能力が重視されるため、実体験が評価されやすいです。
帰国後強いアピールになるスキル
- 英語での交渉力: ビジネスシーンで英語を使った顧客対応。
- 異文化間の問題解決能力: 異なる価値観を持つ人々と協働し、課題を解決した経験。
- チームマネジメントスキル: 現地でのプロジェクトや活動でリーダーシップを発揮した実績。
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まとめ
ワーキングホリデーは、単なる海外での生活体験にとどまらず、キャリア形成や自己成長に大きな影響を与える貴重なチャンスです。最後に、この記事でお伝えしたことを要約します。
限られたワーホリ期間で英語力を伸ばす方法:
- 事前準備では、リスニングとスピーキングを中心に効率的な学習を進める。
- 現地では、英語を使う環境に積極的に身を置き、会話クラブやボランティア活動を活用する。
帰国後に活かせる経験の作り方:
- 現地の文化やマナーを学び、柔軟性や異文化適応力を得る。
- ネットワークを構築し、帰国後のキャリア形成に役立つ人脈を作る。
帰国後のキャリアの成功につなげる方法:
- ワーホリ中の成果を履歴書に具体的に記載し、採用担当者にアピールする。
- 英語力や異文化スキルが評価されやすい業界や職種をターゲットに転職活動を行う。
社会人になっても、というより、社会人だからこそ得られる価値がワーホリにはあります。明確な目的を持って日々挑戦して過ごしたワーホリは「キャリアの空白」ではなく、あなたの一生の宝になります。この記事で不安を払拭できたら、ぜひ次のステップに進んでください。
ワーホリに行くと決めたら、「休職と退職どっちがいい?」「失業保険はもらえる?」など、実際の手続きなどの疑問が生じるかと思います。こちらで詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
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