カナダは世界で2番目に大きな国土を持ち、大自然に恵まれた大変美しい国です。
ナイアガラの滝やロッキー山脈などの美しい景観を、一度は目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
カナダは公用語に英語・フランス語が用いられているため、語学留学のために世界中からカナダを訪れる留学生は多く、人気の留学先となっています。
日本人留学生からも大変人気のあるカナダですが、実際にカナダで暮らし始めると日本との文化・習慣の違いで戸惑うことも出てくるはずです。
留学前にカナダの文化・習慣について理解しておけば、暮らし始めてからギャップに驚くことはありませんからね。
カナダでの留学生活を快適に過ごすために、ぜひカナダと日本の違いについて学んでみましょう。
カナダはどんな国?
留学エージェントを対象に行った「2020年日本人に人気の留学先調査」によると、カナダは第1位に選ばれました。
毎回、アメリカ・オーストラリア・カナダは英語圏の留学先としてランキング上位を占めているのですが、その中でも近年はカナダへの留学が注目されています。
最近では、お笑いコンビのオアシズ・光浦靖子さんが2021年7月から1年間のカナダ留学をされています。
英語留学を希望する日本人が「カナダに留学してみたい」「住んでみたい」と憧れる、魅力いっぱいのカナダについて詳しくご紹介しますね!
世界第2位の広い国土のため国内でも時差がある
カナダは国土面積が世界第2位という、大変大きな国です。
そのため、バンクーバー・トロント・モントリオールなどの都市部は高層ビルが立ち並ぶ都会なのですが、少し郊外へ行くと大自然が広がっています。
広い国土故に、東部と西部では最大4時間の時差があります。
また、欧米などで一般的な「サマータイム」も導入されていて、3~11月は時計の時間が1時間早まります。
しっかりと時計を合わせておかないと、学校に遅刻したり、友達との待ち合わせに遅れたりするので要注意です。
移民大国で異文化に寛容
カナダは世界でもトップクラスの多民族国家です。
世界初の「多文化主義」を導入した国で、異なる民族や文化を受け入れて尊重し、人種や民族での差別をなくそうという考えの元、全ての国民に平等に接してくれる国なんです。
人種や民族、LGBT(性的少数者)への差別や偏見も少ないため、移民希望者が後を絶たない程です。
他民族国家であるため、英語フランス語の他に、中国語・ドイツ語・スペイン語・アラビア語など、色々な言語が飛び交っています。
バンクーバーエリアには、チャイナタウンがあり、まるで中国に来たのかと錯覚するほどの中国感を味わえますよ。
公用語は「英語」と「フランス語」
カナダの公用語は「英語」と「フランス語」です。
カナダは昔、イギリスとフランスの植民地だったため、両国の言葉を公用語として用いるようになりました。
そのため、町中で売られている商品の品質表示などは、英語とフランス語の両方で書かれています。
フランスが支配していた東部は、いまだにフランス色が強く残っている地域です。
ちなみに、東部のケベック州はフランス語のみを公用語に指定していますが、基本的にはカナダの都市部では英語が通じるので安心してください。
フレンドリーな国民性
カナダ人は他の欧米人に比べると自己主張は控えめで、相手の意見を尊重してくれる傾向があります。
とは言え、日本人のように相手に合わせる「事なかれ主義」というわけではなく、自分の意見はしっかりと伝える人が多いようです。
また、とってもフレンドリーな人が多く、知らない人でも気さくに声を掛け合います。
バスの乗り降りの際には運転手に「Good morning!」「Hello!」と挨拶するのは一般的で、電車やバスを待っているときでも、隣の人と世間話をするほどフレンドリーな国民性です。
カナダには困っている人を見ると、つい手を貸してあげたくなる、優しく温厚な人がたくさんいますよ。
カナダと日本の食文化の違い
カナダと日本は文化や習慣において、数々の違いがあります。
その中でも、食事に関する習慣の違いは必ず覚えておいた方がいいでしょう。
留学先で食事・グルメを楽しみたいと思っている人は多いですよね。
ぜひ参考にしてみてください。
食事中に音を立てるのはNG
日本人は麺類を食べるときや、スープ・汁物を飲むときに、音を出す習慣があります。
不思議なことに、ラーメンを食べるときは、すすって音を出して食べた方がより美味しく感じますよね。
しかし海外では、この麺をすすって食べるときの音を出すのはマナー違反となります。
麺をすする音に対して「noodle harassment」という言葉があるのですが、海外ではかなり嫌がられます。
現地の習慣に合わせて、食事中は不快な音を出さないように気をつけましょう。
残った料理はテイクアウトOK
日本では注文した料理を全て食べきれないときは、そのまま残して退店することが多いのですが、カナダでは生ものなどの料理を除いて、持ち帰るのが一般的です。
店員さんに持ち帰りたいと伝えれば専用の容器を持ってきてくれるので、遠慮なくお願いしましょう。
持ち帰った料理を翌日の朝食や昼食にする人も多く、一石二鳥ですよ。
飲食店で店員を呼ぶときは大声を出さない
日本では飲食店で注文するとき、「すみませーん!」と大声を出して店員さんを呼ぶか、テーブルに設置された呼び出しベルを押すのが一般的ですよね。
しかしカナダでは、大声で店員さんを呼ぶのはマナー違反です。
カナダの飲食店では、大声を出したり手を挙げるのではなく、店員さんにアイコンタクトで知らせます。
基本的にカナダの飲食店は、テーブルごとにサーバーと呼ばれる担当の店員さんが決められています。
チップ制度のあるカナダでは、自分がサービスするお客さんは決まっているので、注意深くお客さんの様子を見ているものです。
店員さんに視線を送っていると必ず気づいてくれるで、焦らずに待ちましょう。
お酒の提供時間に制限あり
日本ではお酒の提供時間に制限はありません。
お店が朝まで営業している居酒屋では、当然朝まで注文可能です。
しかしカナダでは、たとえレストランでも朝までお酒を飲み続けることはできません。
州にもよりますが、「酒類の提供は〇時まで」と決められているのです。
また、公園や公共交通機関での飲酒も禁止されているので、公園でBBQをしながらお酒を楽しんだり、仕事帰りに電車の中でお酒を飲んだりはできないのです。
日本では特に時間や場所を気にせずにお酒を飲んでいる人が多いのですが、海外では禁止行為であることを理解しておきましょう。
カナダと日本の生活面での違い
次は、カナダで生活していく上で大切な日本との違いについてご説明します。
留学してしばらくは、日本とは違う習慣に戸惑うこともあるかもしれませんが、「郷に入っては郷に従え」という言葉があるように、カナダの文化・習慣に溶け込んでください。
そうすれば、カナダでの留学生活はどんどん楽しいものになりますよ。
道路は日本とは逆の右側通行
日本の交通ルールでは左側通行が基本ですが、カナダは右側通行が基本です。
実は左側通行である国は少数で、日本以外にイギリス・アイルランド・オーストラリア・ニュージーランドなど、世界中で70カ国ほどです。
その一方、右側通行を交通ルールにしている国は世界中で160カ国ほどと大多数を占めています。
右側通行のカナダでは、バスの乗車扉があるのは車体の右側、そして道路を通行するときも日本とは逆ということを頭に入れておきましょう。
チップ文化のため払い忘れに注意
カナダは日本とは違い、チップ文化のある国です。
チップはサービスを受けたら必ず支払わなければならないお金で、一般的にはサービス料に対して15~20%程度を支払います。
レストラン・デリバリー・タクシー・エステ・美容院などを利用したときはチップが必要で、現金やクレジットカードでの支払いが可能です。
どうしてもチップを払いたくないという人は、ファーストフードを利用するか、スーパーのお惣菜などを購入して自宅で食べるという選択肢があります。
留学生にとって、毎回外食するのは金銭的に辛いはずなので、この機会に自炊を頑張ってみるという手もありますよ。
商品購入後の返品交換はごく一般的
日本では購入後の商品の返品交換は、よほどの理由がある場合や商品が不良品の場合に限られます。
しかしカナダでは、商品の返品交換は一般的で、とくに理由がなくても受け入れてもらえます。
「思った感じと違った」「やっぱりなんか好きじゃない」という理由でも90日以内なら返品交換OKなんです。
さらに驚くことに、プレゼントとして送ったギフトも返品交換OKです。
プレゼントの中に「ギフトレシート」と呼ばれる金額が明記されていないレシートを入れると、もしもプレゼントの受取人が気に入らなかった場合でも他の商品やギフトカードに交換が可能なんです。
カナダではプレゼント商品の返品交換も普通のことなので、申し訳ないという気持ちを持つことなく、このサービスを利用しています。
公共のトイレが少ない
日本は少し大きめの公園や電車の駅構内に公共のトイレが設置されています。
飲食店でも誰でも利用できるトイレがあるのは当然のことですよね。
しかし海外では、公共のトイレの数が少なかったり、有料での利用となっていたりする場合をよくみかけます。
カナダでは地下鉄の駅構内の公共トイレは主要駅のみに設置されていて、必ずどの駅にもあるというわけではありません。
また、飲食店のトイレも専用の鍵が必要なケースや、暗証番号が必要なケースもあります。
これは、店舗の利用者しか使えないようにという防犯面での配慮と考えられます。
そして、海外のトイレは個室扉の上下部分が大きく開いていることがあり、「えっ、周りに見えるのでは?」と不安になる日本人も多いと思います。
これも不審者の早期発見等を目的とした防犯の観点からです。
日本のように完全個室のトイレは、治安がいい国だからこその設計というわけです。
まとめ
カナダと日本には文化・習慣の違いがたくさんあります。
島国で育った日本人は、日本独自の文化が根付いているので海外とのギャップをたくさん感じるはずです。
しかし、そんな異文化を体験できるのも海外留学の魅力の1つです。
「日本ではこうなのに…」とマイナスにとらえず、日本とはまったく違う文化を楽しんでみてください。
たくさんの国の人と交流することで、日本では体験できないこともたくさん経験できますからね。