インターンシップは1906年にアメリカで教育の一環として始まり、日本では1997年にスタートしました。就職前に企業でお試しで働き、職業体験を通して自分にあった仕事を見つけたり、企業との相性を確認したりする目的で行われています。
では最近増えてきた海外インターンとはどういうものなのか?
分かりやすく説明していきますので、良かったら最後まで読んでみてください!
海外インターンとは?
日本国内におけるインターンとの違いは期間とその目的にあります。
日本国内では基本的に短期でインターンシップが行われていて、その目的は前述したように学生が企業や仕事との相性を確認するためのもので、企業側には「インターンを行ったか否かを採用基準に影響を与えてはならない」と規定がされています。
一方海外ではインターンシップは長期で行われ、その活動内容が採用に影響します。
企業側がそのインターン生を採用するか否かを判断することがインターンシップの目的でもあります。
日本でもジョブ型雇用が導入され始めて、インターンシップのあり方の見直しが議論されるようになりました。近い将来、日本のインターンシップも海外のようになるかもしれません。
海外インターンシップとワーキングホリデーの違い
インターンシップとは働き方、ワーキングホリデーとはビザの種類のことなので比べることは難しいですが、可能な範囲で比較してみました。
海外インターンシップ | ワーキングホリデー | |
行ける国 | エージェントによるが、アメリカなどワーホリでは行けない国へいくことも可能。 | 協定が結ばれている22ヶ国 |
期間 | 基本的に1ヶ月~1年 | 1年 |
働く場所 | エージェントを介することで大企業で働くことも可能。 | 高い英語力とスキル、コネクションがなければ企業で働くことは難しく、基本的に日本食レストランや農場など語学力を必要としないところが多い。 |
メリット | 就職に有利な経験や証明になる。 | 頑張り次第では就労ビザを得ることもできる。 |
デメリット | 無給の可能性もある。 | 基本的に有給なので現地の生活に困らないし、行くための準備金も少なくて済む。 |
なぜ今海外インターンが注目されているのか?
多様化、即戦力、ジョブ型雇用という風に企業が働き手に求めるものや採用の形が変わってきている今、他の人より抜き出た強みというものが必要です。
海外に行ったことがある、ワーキングホリデーに行っていた、というだけでは強みにはなりにくく、そこで何をしたか?どんな経験を積んだか?得たのか?が大切になってきます。
そこで利用すべきなのが「海外インターン」。
自分の経歴に残せる「海外企業で働いた」「専門職として海外で働いた」ということはあなたがキャリアアップや就活をする際の履歴書に強みを与えてくれます。
大学生が海外インターンへ行くべきメリット
グローバルな社会になり、企業も海外で通じる人材や新しい発想力を持った人材を求めています。繰り返しになりますが、海外インターンを経験したということは就活の際に有利です。
それだけではなく、社会に出る前に海外の企業のなかを見ておくことは、あなた自身の思考を広げてくれることにも繋がります。
日本社会も働き方改革で働く環境や仕事に対しての考え方は変わりつつありますが、やはり新しい仕事スタイルを知るためにも海外インターンを経験しておいて損はないはずです。
長期の休みを取りやすい大学生は、海外インターンへ参加する絶好のタイミングです。
社会人が海外インターンへ行くべきメリット
社会人が海外インターンへ行くメリットは、キャリアアップや専門職としてのスキルアップです。
海外のほうが進んでいることも多く、実際に自分のステージを上げたい!と考える人が海外インターン制度を利用して海外企業で働いています。
デメリットは、長期の休みを取ることが難しいということ。理解ある会社であっても1ヶ月の休暇がギリギリというところでしょう。
会社のサポートの元で行く専門職の海外インターン以外は、仕事を辞めて行くという選択になってしまいます。
海外インターンの種類
短期でいく海外インターン
短期でいく海外インターン
日本のような短期(1日〜)はほぼありません。
短期といっても3週間くらいからの受け入れになっているところが多いです。アジア圏であれば1週間からでも受け入れてくれる会社もありますが、就活での強みにはなりにくいでしょうし、仕事内容も雑務だったりお手伝い程度のもので会社に貢献するということはできないでしょう。
短期で海外インターンをするならば、ボランティアというスタイルのインターンがあります。詳しくは後述します。
長期でいく海外インターン
半年〜1年間しっかりと海外の企業で働くことのできることが海外インターンの最大のメリットです。
ビジネスで使う英語力も鍛えることもできますし、インターンとはいえ、頑張り次第では重要な仕事を任せてもらえることもあります。
そのまま海外で働くというチャンスが得られ、帰国してからのキャリアアップにも繋がります。
無給インターン
冒頭で説明したようにそもそもインターンというのは教育の一環で始まり、学生が大学などで学んだことを実践する場を企業が提供したものです。
そのため会社に貢献し給料をもらうという本来の形とはちがうため、無給が前提でした。
アメリカでは日本のように新卒採用という形がありませんが、「大学生のうちに企業でインターンとして働いて社会に通じる力を付けたい」という優秀な学生を獲得したいという考えから、給料を出しはじめたのが有給インターンのはじまりといわれています。
そのため、企業に貢献できると証明できるだけのスキルや経験をすでにもっている人以外は基本無給インターンとして行くことのほうが選択肢は広くなります。
有給インターン
1年ほどの長期になるとインターンでも有給になることが多いです。
仕事内容やスキル、英語力にもよりますが、生活ができる程度の給料をもらえることもあります。しかしあくまでインターン生は一般的な就業とは違うため、収入源として期待はしないでおきましょう。たとえ有給インターンでいくことになっても、生活費の準備をしておくことをおすすめします。
有給インターンの資格を得るには条件があり、それは国によって違います。
アメリカなどは社会人経験1年以上を求めていますが、国によっては社会人経験を不問として長期の有給インターンを受け入れている場合もあるので、海外インターンの斡旋をしているエージェントに相談してみましょう。
ボランティアインターン
世界のNGO・NPOのボランティアインターンとして海外へ行く方法もあります。
これであれば短期で参加もできて、世界の問題へ目を向けるという点から良い経験や就職活動でのアピールにもなります。カンボジアで小学生に体育を教えたり、ミャンマーの孤児院で保育士の体験をするなどたくさんの海外ボランティアインターンシップ体験が用意されています。
企業インターン
自分の専門的な部分を伸ばしてスキルアップしたい、海外の企業での仕事を経験し今後の就職活動に活かしたい、などそのような方に人気の海外企業インターン。
社会人にも大学生にも人気のプランです。この場合は出来るならばしっかり1年程度の長期で行くことが望ましいでしょう。数ヶ月だと雑用程度や英語力を必要としない雑用的な仕事しか任せてもらえないことも多いです。
海外インターンに人気の国TOP3
目的にもよるのであくまで参考程度にみてください。
アメリカ
やはり世界経済のトップを走る国・アメリカ。スキルアップや将来を考えてアメリカの企業インターンシップを希望する社会人や学生が多いです。
オーストラリア
海外からのインターンシップ生の受け入れに寛容で、必要であれば学生ビザを取得して語学を学びながらインターンシップに参加することも可能。
またオーストラリアはワーキングホリデー制度協定を結んでいる国なので、その点からも行きやすく、現地での活動も広がるため、常に人気の国です。
カナダ
こちらもオーストラリアと同じく、海外インターン生の受け入れに寛容な国です。
カナダは歴史的背景から他民族の受け入れに寛容で、企業インターン生にも門戸が広く、そのまま就職できる可能性もあります。
番外編
語学力が低くても行きやすいフィリピンなどの東南アジア諸国も海外インターン先として人気です。英語に自信がない…という人はアジア圏も視野にいれてみても良いでしょう。
海外インターンシップ制度を利用するには?
基本的に海外インターン制度を利用するには、エージェントを使います。
アジア圏に強いエージェント、アメリカの大手企業に強いエージェントなど様々なので、自分の目的に合うエージェントを選びましょう。
海外インターンに英語力は必要?
求められる英語レベルとは?
求められる英語レベルとは?
どのような企業でどのようなクライアントを相手にして仕事をするか、で求められる英語力も違ってきます。
日系企業で日本人のクライアント相手だと初級レベルで問題ないでしょう。
しかし現地企業でクライアントも英語ネイティブの場合、中級以上の英語力が求められます。
『語学留学+海外インターン』という選択肢
もし英語力に自信がない、英語スキルが規定に満たないという場合は、語学留学もセットでインターンに申し込みましょう。まず語学学校へ数週間通い、それから企業でインターン生として働く、そのようなプランを用意しているエージェントもあります。
海外インターンはどんなビザでいくの?
どういう内容のインターンに参加するかによって変わってきます。
有給インターンであれば就労ビザが必須です。
たとえばアメリカでは条件を満たせば、J1ビザというものが発行され有給で長期間働くことができます。
無給インターンやボランティアインターンであれば就労ビザは必須ではなく、観光ビザや学生ビザ、ワーホリのビザで参加することも可能です。
海外インターンを成功させるコツと失敗する理由
「海外インターンなんて意味がなかった」という残念なことになってしまうには理由があります。
目的を明確にする
海外インターンとして行った先で何を学びたいか?何のためにいくのか?
など行く目的を明確にしておきましょう。
なんとなく、「なにか学べたらいいな」では現地での向上心も低く、成長も望めません。
シンターンシップ先でできる仕事内容を確認しておく
英語スキルを求めないという企業やインターンコースがあったとしたら要注意。
任せられる仕事は雑用や英語力を必要としない仕事のみということがあります。
英語力を求めないとなっている場合でも前述した語学留学とセットになっているなど、語学力の成長に繋がるフォローがあれば安心です。
まとめ
海外インターンについてよくある質問をまとめてみました。
これから海外インターンへ行くことを考えているあなたの不安や疑問を解消できたでしょうか?
チャレンジは何歳からでもできますが、若いうちにしか出来ないチャレンジやチャンスがあります。自分の可能性を広げるためにもぜひ海外インターン制度を活用してみてください。