グローバル化が進む現代。その動きは止まることなく加速していくことが予測されています。その様な背景から、大学進学を日本から海外へ向ける人も増えてきています。
大学留学と言えばアメリカやカナダなどの北米をイメージする人が多いと思いますが、時差がなく気候が過ごしやすいオーストラリア大学留学は外せない選択肢のひとつです。
本記事ではオーストラリア大学留学のメリット、デメリット。そして入学時期、入学条件、費用、卒業後の進路まで徹底解説します。
オーストラリアの大学について
オーストラリアは海外からの留学生の受け入れを国をあげて積極的に行っており、世界中から多くの留学生がオーストラリアへ大学留学をしています。
大学の質も高く、世界大学ランキングでは常に5〜8校の大学がランクインしています。オーストラリアの大学の評価が世界的に高い理由としては、オーストラリア国内に限らずグローバルな環境においても高収入が見込める実践的なスキルが学べることにあります。
オーストラリア国内はもとより、世界的に評価の高いオーストラリアの8つの大学は、オーストラリア国内でGroup8(G8)と呼ばれています。
<オーストラリア大学Group8>
- Australian National University
(オーストラリア国立大学) - University of Sydney
(シドニー大学) - University of Melbourne
(メルボルン大学) - University of New South Wales
(ニューサウスウェールズ大学) - University of Queensland
(クイーンズランド大学) - Monash University
(モナシュ大学) - University of Western Australia
(西オーストラリア大学) - University of Adelaide
(アデレード大学)
※世界的権威のあるQS世界ランキング2023の順位の順になっています。
オーストラリアには世界的に評価されている大学が8つもあり、グローバルな環境で活躍するには十分な環境が整っていることが分かります。
ちなみに日本から大学世界ランキング100位以内にランクインしているのは、東京大学、京都大学、東京工業大学、大阪大学、東北大学の5大学になります。
オーストラリア大学留学の10のメリット
オーストラリア大学留学のメリットについてお伝えしていきます。
メリット①:質の高さを保つシステム
オーストラリアの教育水準の高さは世界的に認められていますが、その理由のひとつにAustralia Qualification Framework(AQF)があります。
AQFはオーストラリアの教育水準認定機関が定めた法律で、一定の教育水準を超えた学校以外は教育機関として認められない法律になっています。
そのため、オーストラリアにある学校は、その要件を常にクリアしなければならず、必然的に教育の質が保たれる仕組みになっています。
メリット②:グローバルな環境
オーストラリアは生活環境が整っているため、世界中から移民や留学生が多く訪れます。事実、オーストラリアに住むおよそ4人に1人がオーストラリア国外出身者です。
オーストラリアの大学生の約2割は海外からの留学生が占め、その国籍は100ヶ国を超えます。大学に通学することで自然とグローバルな環境になり、日本とは違う文化や価値観を経験できることはオーストラリア大学留学の大きなメリットと言えます。
メリット③:入試のない大学が多い
オーストラリアの大学のほとんどは入試がなく、提出書類のみで入学が認められます。高校や大学在学中の成績証明書やIELTSなどで英語力を証明するスコアの提出が必要になりますので、一発勝負の受験ではなく、普段の成績や英語の勉強が必要になります。
英語力が不足している場合は、語学学校や大学付属の語学コースに通うことで、英語力スコアが免除される大学も多くあります。
メリット④:実践的なスキルを身につけられる大学が多い
オーストラリアの大学が世界的に評価が高い理由のひとつに、国内に限らず社会に出た時に通用する実践的なスキルがあります。
オーストラリアは数十年間経済成長を続けていますが、オーストラリアの大学を卒業した人たちのスキルが国内成長を支えるひとつの要因になっており、その実践力の高いスキルが実証されています。
メリット⑤:卒業後に長期滞在できるビザを得られる
オーストラリアの大学を卒業した後は「卒業生ビザ」というビザを取得でき、1年半〜最長4年までオーストラリアに滞在でき、現地で働くこともできます。
詳しくは「卒業後の進路と卒業ビザ」の章をご覧ください。
メリット⑥:永住権に直結する可能性がある
オーストラリアに永住したいという人にとって、オーストラリア国内での学歴は切っても切れない部分になります。
永住権は年齢、学歴、職歴などを合算したポイント制になっており、学歴は大きなポイントを占め、オーストラリア国内の大学を卒業すれば高いポイントが与えられます。
永住権に有利なコースはその時のオーストラリアにとって何の職業が不足しているか、需要が高いか、に影響され、変動が激しく一定ではありません。
永住権狙いでオーストラリアの大学へ進学する場合は、事前に何を専攻すれば永住権に有利かを調べておきましょう。
メリット⑦:気候が温暖で過ごしやすい
オーストラリアは四季がある地域が多く、日本より湿度が低いため、夏はカラッとして過ごしやすく、冬も雪が降るほど寒くなることはほとんどありません。
また、花粉が飛ぶこともほとんどありませんので、花粉症を持っている人にとっても大変過ごしやすい環境と言えます。
メリット⑧:時差がほとんどない
オーストラリアはどこの地域に住んでも、サマータイム中であっても日本との時差は最大で1時間です。そのため、日本の家族や友人と連絡がとりやすく、海外にいても時差を気にする必要がありません。
メリット⑨:働くことができ、時給も高い
オーストラリアは学生ビザで週20時間まで働くことができ、しかも世界トップクラスで時給が高く、最低時給は約2,000円です。
仮に週20時間働いた場合、時給2,000円×週20時間×4週=最低160,000円稼げることになり、大学生のアルバイトであっても生活費を補うのに十分なだけの収入を得ることができます。
メリット⑩:勉強だけでなく、多くのスポーツが楽しめる
スポーツ大国として知られるオーストラリアでは、サーフィン、ボディボード、スキューバーダイビングなどのマリンスポーツのほか、スケボー、トレッキング、マラソンなども気軽に楽しめます。
オーストラリア大学留学の2つのデメリット
オーストラリア大学留学のメリットを見てきましたが、次はデメリットを見てみましょう。
デメリット①:日本の大学と比較すると学費が高い
日本の国立大学の学費の平均は年間で約50万円、私立大学で約100万円と言われていますが、オーストラリアの大学の学費は年間約200万円以上が相場です。
イギリスの大学と比較するとまだ抑えられている方ですが、一般的な日本の大学と比較すると学費は高く、現地の物価も日本より高いため、現地でアルバイトをしない場合は、年間で500万円程度は見積もっておいた方が良いでしょう。
デメリット②:アメリカに比べ高い英語力が求められる
世界で断トツに大学数の多いアメリカでは、求められる英語力もピンからキリまでですが、オーストラリアの大学は教育の質を一定以上に保ち、実践的な内容を学ぶこともあり、求められる英語力は低くなく、最低でもIELTS6.5以上は必要になります。
入学時期
オーストラリアは二学期制で、一学期が約4ヶ月。一学期間も約2週間の中休み(ブレイク)を挟み、前半、後半の2つに分けています。
入学時期は一学期(2月末〜3月上旬頃)、もしくは二学期(7月末〜8月上旬頃)のはじまりが基本ですが、三学期制を取り入れている大学では10月頃の入学を認めている大学もあります。
入学条件
基本的な入学条件は英語力と最終学歴(過去の成績証明)。大学により求められる成績は異なりますが、英語力で言えばIELTS6.5以上になります。
費用
年間約200〜300万円のほか、現地生活費、ビザ申請料、保険代、航空券代等が必要になりますので、トータルで年間500万円程度は見ておいた方が良いでしょう。ただし、現地で就労することもできますので、その場合はトータル費用をおさえることができます。
卒業後の進路と卒業ビザ
大学卒業後は日本に帰国し就職する人と現地就職する人に分かれます。
オーストラリアの大学を卒業すれば、卒業生ビザというビザを申請することができ、現地で就職先を探すことが可能です。
現地就職を考えている人は、大学在学中から企業インターンシップやアルバイトでコネクションを作り、卒業生ビザに切り替えた後にそのまま就職するのが一番スムーズな方法です。
卒業生ビザを取得するにはSkilled Occupation List(SOL)と呼ばれる職業リストに記載されている職業に関連する2年以上のコースを修了している必要があります。
滞在可能期間は卒業したコースにより異なり、最短1年半〜最長4年間になります。以下それぞれのコースと滞在期間になります。
Degree |
滞在可能期間 |
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1年半~2年 |
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3年 |
|
4年 |
まとめ
オーストラリアの大学留学についてお伝えしてきましたがいかがでしたでしょうか。
オーストラリアの大学留学では、実践的で質の高い教育環境だけではなく、滞在しやすい住環境にも恵まれ、現地就職、永住権につながるチャンスがあるというのも魅力的です。
大学留学先として、オーストラリアをぜひ検討してみてください!