お酒のルールは各国で異なります。日本で日常的に行っていることも、実はアメリカでは非常識な行動だったということも。「知らなかった…」では済まされないこともあるので、お酒に関するルールは留学前に知っておくと安心です。ここでは、アメリカのお酒に関しての代表的なルールやシステムを紹介します。
目次
飲酒できる年齢
アメリカで飲酒・購入できるのは、21歳からと法律で制定されています。
意外かもしれませんが、日本よりも飲酒ができる年齢は高く設定されているのです。
日本人でも21歳になっていなければ、アルコールの購入も飲酒も許されてはいません。
この年齢のルールは、アメリカ人だけでなく、観光客や留学生にも適応されます。日本では飲酒可能な年齢だからといって飲んでしまうと法律違反になるので気をつけましょう。
レストランやスーパー、バーなどお酒を扱っている場所では、購入時や注文時に必ず身分証明書が必要になります。21歳以上であることが確認できないままお酒の販売をすると、お店側が罰せられることになります。
特に日本人は、実年齢よりも若く見られることが多いと言われています。
留学中は、生年月日と顔写真の分かるパスポートを携帯しておくと安心です。
公共の場所での飲酒はNG
日本では、サラリーマンが仕事帰りにコンビニで缶ビールを買って飲みながら帰っている光景や、休日の夏の砂浜などで昼からビールを飲んでいる姿もよく見かけますが、これは日本だから許されているのです。
全ての州ではなく、一部地域では認められていますが、ほとんどの州ではアメリカでは公共のスペースで飲酒することは禁止されています。
アメリカの開放的な自然の中や、公園、ビーチなどでビールを飲んでいる姿をイメージする人もいるかもしれませんが、それは飲酒を認められているエリアのみです。
飲酒が認められていないエリアで飲酒をすると軽犯罪となり、警察に見つかってしまうと罰金を払わなければならなくなるケースもあるのです。
また、マナーとして、場所に限らず人前で酔っ払うことも良くないこと、恥ずかしいこととされています。
日本では付き合いなどの飲み会で酔ってベロンベロンになっている姿も珍しくありません。
しかし、アメリカでは個人のペースで楽しめるように気遣うことが大切とされています。
飲む量も自分自身で管理をする必要があり、「酔っ払ったことによる失敗」も受け入れられにくいことを覚えておきましょう。
お酒の購入方法
日本だとコンビニやスーパーに行けば、時間や曜日を問わずにいつでもお酒を購入することができます。
しかし、それはアメリカでは当たり前ではありません。
アメリカでは州によって、お酒の販売について規則があります。
まず一つ目は時間の規則です。
日曜日の午前中、平日の午前2時以降、など酒類の販売が時間や曜日によって禁止される州もあります。
二つ目は販売できるお店の規則です。
ビールやアルコール度数の低いワインはスーパーでも購入することができますが、アルコール度数の高いお酒はリカーショップ(酒屋)でなければ販売できないなどもあります。
アラバマ州、ケンタッキー州、テキサス州など、アメリカの10州内の郡において、“Dry Country(禁酒郡)”というのも存在します。この郡では、平日の夜9時以降の購入禁止、日曜の酒類販売禁止、一切のお酒の販売禁止など、購入や販売に関してとても厳しい規則が設けられているのです。
Dry Countryは、ほとんどが南部に集中しています。
1840年代、アメリカでは1840年代から禁酒法の運動が始まり、1920年1月にアメリカ合衆国憲法第18条(禁酒法)が施行され、禁酒法時代が始まりました。禁酒法は1933年に廃止されましたが、その名残でいまだにお酒の販売を制限したり禁止しありする地域が多数残っているのです。
なお、お酒を購入する時には、必ず年齢を証明するものが必要です。
年齢が証明できなければお酒類を購入することはできないので、必ず身分証明書となるパスポートを携帯しておくようにしましょう。
レストランやバーなどに行けばお酒を飲むことはできますが、お酒を購入して滞在先で飲むということもあるでしょう。日本よりも酒類の販売についても厳しいルールがあることを知り、規則を守ってお酒を楽しみましょう。
飲酒時の運転
留学中に、レンタカーを借りて旅行を楽しむということもあるかもしれません。
車を運転する時のために、アメリカでの飲酒運転についてもきちんと知っておきましょう。
アメリカの酒気帯び運転の基準は、血中アルコール濃度が0.8mg/mlと、日本の0.3mg/mlと比較すると緩めです。
しかし、飲酒運転は日本と同様に厳禁!
日本の場合は交通法違反ですが、アメリカは刑事法違反です。
違反をすると、逮捕されて懲役になる場合もあるのです。
飲酒運転の逮捕時に撮影された顔写真と指紋はアメリカのデータベースに永久保存されます。
移民局は、申請者の逮捕歴は重点的にチェックします。
飲酒運転で逮捕をされてしまうと、ビザを取り消しされ、再入国を拒否される可能性もあるのです。
過去5年間で1回でも飲酒運転で逮捕をされてしまった場合、ビザ発給前に医師による診断を受けなければなりません。
とはいえ、アメリカは、日本ほど電車やバスなどの公共交通機関が発達していません。
そのため、少々飲酒をしても運転して帰宅をしてしまう人もいるというのが現状ですが、アメリカも飲酒運転にはとても厳しい国。
軽い気持ちで飲酒運転をしてしまうと、その後の留学生活に支障をきたしてしまう場合もあるのです。
日本の生活と同様、「飲んだら運転はしない」ということを頭に入れておくようにしましょう。
まとめ
留学中にお酒を飲む機会もあるでしょう。
そんなときのために、留学先のお酒に関するルールは事前に知っておくと安心です。
飲酒可能な年齢や、飲むことができる場所、飲むときの心持ちなど、日本と異なるルールも多くあります。
留学先ではもちろんその国のルールにのっとって生活をする必要があります。
「知らなかった…」なんてことにならないように、ルールはしっかりおさえておきましょう。