xyzというアルファベットの羅列。一見、ただアルファベットを順番に並べただけのように見えますが、実は意味があるのはご存知でしょうか。
シティーハンターという漫画およびアニメを知っている人だと、xyzを「もう後がない」「助けてくれ」という意味だと解釈しているかもしれませんが、実は英語の日常会話でxyzと言われたときには、全く別の意味があるんです。
そこでこの記事では、英会話では通常xyzがどんな意味で使われているのかをご紹介します。覚えておくと便利な表現ですから、ぜひ参考にしてくださいね。
xyzの意味とは?
英語で使われるxyzとはどんな意味を持つのでしょうか。
結論から言えば、これは「Examine your zipper」の略で、直訳すると「ジッパーを確認してください」となります。そこから転じて「ファスナーが開いてますよ」という意味で使われているのです。
日本語で言うなら「社会の窓が開いている」という感じでしょうか。「社会の窓」は死語のような気もしますが、英語のxyzも「社会の窓」という言い方と同様にかなり昔から使われているスラングです。
xyzの他の意味
冒頭でも触れられているとおり、シティーハンターという漫画およびアニメでは、依頼者が主人公に「助けて」「あとがない」と依頼するときに、XYZというアルファベットの並びが使われています。
しかし、日常英会話では、xyzがこの意味で使われることはほぼありません。
このシティーハンターの中でのxyzの由来となっているのは、おそらくカクテルのXYZでしょう。カクテルのXYZは3種類のドリンクが混ざったお酒です。アルファベットの最後の3文字が使われていることから、「もうこれ以上あとがない」「最後のカクテル」ということで、「最高のカクテル」と言われることがあるのだとか。
いずれにしても、カクテル以外でxyzが「あとがない」「助けて」という意味で使われることはほとんどありませんから、今回の「社会の窓が開いています」という意味で覚えておきましょう。
xyzの使い方と発音
xyzのような略語の多くは、口語では略した前の形が使われます。たとえば、npはNo problemの略ですが、口語の場合はエヌピーでは通じず、普通にno problemと発音されます。
しかしxyzは元々テキストでのコミュニケーションから出来たものではなく、「ファスナーが開いている」ということをこっそり教えてあげるために出来た言葉です。そのため、略語とは言え、口語でもアルファベットをそのままエックス・ワイ・ズィーと発音します。
実際に使われる場合は、”Hey, XYZ” という『呼びかけ+XYZ』の形で使うことが多いです。これだと、「ちょっと、社会の窓が…!」という感じですね。
そのほかにも、もう少し文章をプラスして、以下のような使い方ができます。
・You should XYZ. (ジッパーをチェックした方が良いよ)
・You need to XYZ. (ジッパーをチェックしなよ)
・Please XYZ. (ジッパーをチェックしてみてください)
XYZの部分はエックス・ワイ・ズィーと発音しますが、文章の形や文法ルールとしては、そこに「Examine your zipper」が入ってもおかしくないように作ります。
上記の例で言うと、「You need to XYZ.」は「You need XYZ.」ではダメだということです。これだと「You need examine your zipper.」となってしまい、文法的に誤りだからです。
xyzと言って本当に通じる?
xyzという表現を英語で聞いたことがない人は、本当にxyzと言って通じるのかどうか疑問に思うかもしれませんね。しかし、xyzは英語圏のネイティブスピーカーなら、ほぼ誰にでも通じるスラングです。
ですから、相手がネイティブスピーカーで、本当にズボンのファスナーが開いているなら自信を持って使いましょう。
ただし日本人はzをゼットと言ってしまう癖があるので、そこだけ注意!もしエックス・ワイ・ゼットと言ってしまうと、相手には伝わらないかもしれません。
xyzと言われたらどう返せばいい?
もしもうっかりズボンのファスナーを開けていたら、あなたの方が開いてから「xyz」と言われることがあるかもしれません。
そんな場合は、まずファスナーを締めるのが先決ですが、その後何か相手に言うべきか悩んでしまう人もいるでしょう。
しかし、難しく考える必要はありません。
「ファスナーが開いてるよ」とこっそり教えてくれたなら、普通に「ありがとう」と言えば良いだけです。
ただし、教えてくれた相手の方も、「ファスナーが開いている」なんてちょっと踏み込んだことを言うのには、勇気が必要なことを忘れずに。ただファスナーを閉めて終わるのではなく、お礼を必ず言いましょう。
また、恥ずかしかったなら、ちょっとおどけてみせたり、「ずっと開いてた!」と笑って誤魔化すなどしてみてもよいでしょう。
相手に気まずい思いをさせないためにも、お礼と明るい雰囲気はお忘れなく。
xyzを使うときの注意点
xyzは、それだけで通じるスラングですから、文法的な意味での注意点はありません。しかし、使い方次第で相手に恥ずかしい思いをさせてしまうかもしれないことは忘れないようにしましょう。
そこでここからは、xyzを使うときの注意点を解説していきます。
できる限り小声で教えてあげる
日本人にとってもそうであるように、英語圏の人たちにとってもズボンのファスナーが開いているなんて恥ずかしいことです。たとえ、ファスナーが丸開きなことに気づいてビックリしたとしても、xyzを告げるのはできるだけ小声にしましょう。
相手にそっと近づいて「Hey, you need to XYZ.」とこっそり教えてあげれば、相手もお礼を言いながらファスナーを閉めることができます。
知らない人には丁寧な表現を
xyzは下品な表現のスラングではありませんが、カジュアルな表現であることと、人の股ぐらという微妙な位置であることもあり、知らない人や親しくない人に使うには、あまり適していません。
とは言え、たとえ知らない人や親しくはない人相手だったとしても、もしファスナーが開いていることに気づいたら、教えてあげた方が親切です。その方が、相手があとから恥ずかしい思いをしなくてすみます。
ですので、知らない人にファスナーが開いていることを告げるには、極力丁寧な表現と態度を心がけましょう。
たとえば「Excuse me, but I think you need to XYZ.」のように、丁寧に呼びかけ、丁寧にお話するようにすれば、相手もあなたの親切心をわかってくれるはずです。
男性は女性には使わないこと
相当仲良しの相手や、お付き合いをしているパートナーでもない限り、男性は女性にxyzを使わない方が得策です。男性が女性のそんなところを見ていたと知られると、そんなつもりが全くなかったとしても、やはり女性の方は居心地の悪い思いをしてしまうからです。
もしも男性が女性のファスナーが開いていることに気づいたら、他の女性にこっそり伝えるようにお願いするのが無難。あらぬ疑いをかけられないようにするためにも、少し慎重になることをおすすめします。
ちなみに女性が男性のズボンのファスナーが開いていることに気づいた場合は、直接告げても特に問題にはならないでしょう。それでも相手に誤解されたくない場合は、他の男性に伝えてもらうと良いでしょう。
外国人には伝わらないこともある
xyzというのはスラングです。英語を話す日本人でも、この表現を知らない人がいるのと同様に、他の外国人でも知らない人がいるかもしれません。
たとえ英語が流暢であっても、知らない可能性もありますから、絶対に誰にでも伝わる表現ではないことは覚えておきましょう。
もしもxyzと言って伝わらなかったら、普通に「Plase examine your zipper.」と略すのをやめて告げれば、通じるはずです。
xyz以外の表現はできる?
XYZと文章の中で発音するのは、なんだか不自然な感じがする人もいるでしょう。そんな場合は「examine your zipper」と略さずに言ってOKです。
そのほかにファスナーが開いていることを告げるためには、下記のような言い方ができます。
・Check your fly.(ファスナーをチェックして)
・Your zipper is down.(ジッパーが開いてるよ)
・XYZ-PDQ(Examine your zipper pretty damn quick)
(すぐにジッパーを確認しろ)
ちなみにflyというのは、ズボンやスカートのチャックにのみ使われる言葉なので、他の部分のチャックには使えないことも一緒に覚えておきましょう。
zipperはどんなチャック・ファスナーにも使えますが、こうした言い方をする場合は、もれなくズボンやスカートのファスナーのことを指しています。
どんな表現でもこっそり教えてあげることができれば大丈夫なので、覚えやすいものを使うと良いでしょう。
xyzは思いやりの気持ちのこもったスラング
文中でご紹介したとおり、xyzというのはズボンのファスナーが開いているのを遠回しに教えてあげるスラングです。スラングというと、カジュアルでちょっと乱暴なイメージがある人もいるかもしれませんが、こうした思いやりがこもった表現もあるんですね。
もしもズボンのチャックが開いている人を見かけたら、xyzや今回ご紹介したその他の表現を使って、こっそり教えてあげてくださいね。