英語圏でのビジネスシーンや留学中の連絡事項に「TBA」と記載されていて、意味がわからず困惑した方も多いでしょう。
英語は日本語と比べて単語のアルファベット数によって長文になりやすく、プライベートやビジネスシーンを問わず略語がたびたび用いられています。
英語圏ではかなりの頻度で短縮された「TBA」のような言葉が多用されています。
TOEICやIELTSで好成績をとっていても、わざわざ習うことのない英語の略語は「今更聴くのも恥ずかしい」とついついスルーしてしまいがち。
しかし、あやふやなままで仕事をしていると、大きなミスにつながる可能性もあるため、この機会にしっかりと理解を深めましょう。
この記事では、「TBA」が持つ意味と使い方、ビジネスシーンで使える英語の略語、知っておくと便利なインターネットスラングを紹介します。
1.「TBA」の意味とは?
「TBA」は、「To be announced」の略語で「後ほど通知します」を意味する言葉です。
ミーティングの詳しい日程や、イベントや社内行事の詳細など、今すぐに回答はできないものの、遅れて通達する要件について使われています。
使い方・例文
実際にどのようなシチュエーションで使われているのか見ていきましょう。
- The time and the place are TBA.(時間と場所は後ほど連絡します)
- Save the date for a party on January 10th. Time and location: TBA.(1月10日はパーティー用に予定を開けておいてください。時間と場所は追って連絡します)
ゲームやドラマ・アニメなどで「To be continued(続く)」を見たことがある方も多いでしょう。
「To be +過去分詞」で「〜されるようになる(〜される)」を意味するため、ビジネスシーンでもたくさん使われる表現です。
「TB(To be〜)」の英単語
アルファベット順で紹介しているのでわからない略語があれば調べてみてください。
【TBA】
- To be activate(アクティベートを求む)
- To be added(追加の予定あり)
- To be advised(後ほど通知します)
- To be approced(承認待ち)
- To be arranged(手配予定)
- To be assinged(担当者未定)
【TBC】
- To be cancelled(予定取り消し・中止)
- To be completed(完了済み)
- To be considered(検討予定)
【TBE】
- To be edited(編集予定)
- To be ecaluated(評価予定)
- To be expected(その予定)
【TBS】
- To be selected(選択予定)
- To be specified(指定を求む)
- To be stopped(停止予定)
- To be supplied(供給予定)
【そのほか】
- TBB:to be billed(請求予定)
- TBF:To be filed(整理が必要)
- TBF:To be furnished(最終チェック待ち)
- TBH:to be hired(採用待ち)
- TBI:To be implemented(実装が必要)
- TBI:To be inseted(追加予定)
- TBN:To be negotiated(交渉予定)
- TBO:To be orderd(注文待ち)
- TBP:To be proposed(提案予定)
みてわかるとおり、「To be〜」構文のみでたくさんの英語表現が存在します。
「これだけあったら覚えられない!」と困惑してしまうかもしれませんが、ネイティブの方でもすべてを的確に把握しているとは限りません。
業界やプロジェクトによって頻繁に使う単語とほとんど使わない単語とがあるので、ビジネスシーンでは誰かが使っていれば都度意味を理解すればOKです。
2.ビジネスシーンで使える英語の略語
ここからはビジネスシーンで使える英語の略語をまとめました。
英単語 | もともとの英語 | 意味 |
CC | carbon copy | カーボンコピー(複写) |
BCC | blind carbon copy | 受信者にわからない形式でのメールの複写・コピーの送信 |
C/O | care of | 〜気付(受取人の住所以外の場所に郵便物の配送を希望する) |
BTW | by the way | ところで |
FYI | for your information | ご参考までに |
PLS | please | お願いします |
RSVP | répondez s’il vous plaît(please reply) | 返信をお願いします |
IMO | In my opinion | 私の意見は〜 |
ETA | Estimated time of arrival | 到着予定日 |
FOC | free of charge | 無料 |
FTF | face to face | 対面で |
ASAP | as soon as possible | できるだけ早く・至急 |
MOQ | minimum order quantity | 最小発注単位 |
P/I | Proforma invoice | 請求書 |
PS | postscript | 追伸 |
AWA | as well as | 〜と同様に |
NRN | no reply necessary | 返信不要 |
REQ | request | 依頼 |
IAC | in any case | とにかく |
FAQ | frequently asked questions | よくある質問や疑問 |
JTLYK | just to let you know | 至急お知らせします |
このような英単語の略語を知っていると効率よくビジネスメールのやり取りができます。
それぞれの英単語の頭文字を合わせたものですので、意味を一緒に覚えておくと暗記するよりスムーズに頭に入ってくるでしょう。
3.略語になっている英語スラング
続いては、ビジネスシーンとは全く関係ないけれどプライベートの会話で覚えておくと便利な英語の略語を紹介します。
OMG(やばい)
「OMG」は、「Oh my gosh」の略語で「やばい」「すごい」を意味する言葉です。
日本語の「やばい」「www」などのようにリアクションとして使うことができます。
LOL(爆笑)
「LOL」は、「Laughing out loud」の略語で「爆笑」を意味する言葉です。
ツイッターなどで文字制限があるけれど、笑っていることを表現したいときに多用されています。
少し前までは「LOL」が多くの世代で使われていたものの、最近は泣き笑いの絵文字や「hahaha」を使っているティーンが増えています。
WTD(何してるの?)
「WTD」は、「What you doing?」の略語で「何しているの?」を意味する言葉です。
「”what you doing”って英語の文法おかしくない?」と思うかもしれませんが、そのとおり。
人気のドラマシリーズ「friends」で「How you doing?」という「How」と「you」の間の「are」を省略したセリフが流行しました。
その結果、本来は文法が間違っているものの、「are」を無くした「What you doing」が使われるようになり、略語「WTD」が誕生しています。
bff(親友)
「bff」は、「best friends forevr」の略語で「一生涯の親友」を意味する言葉です。
グループで仲がいいのであれば「BFFs」と最後は複数形になります。
英語圏の女性たちを中心に使われていて、SNSのハッシュタグでも人気です。
HMU(連絡ちょうだい)
「HMU」は、「hit me up」の略語で「連絡ちょうだい」を意味する言葉です。
暇なときにSNS上で「ひまー」「電話できるひとー?」などと投稿する人がいますが、その英語版と思えばわかりやすいでしょう。
不特定多数に対して「Somebody HMU!」と投稿すれば、「だれか連絡ちょうだい(=今暇してる)」となります。
また、入れ違いで出かけるときにメモに「HMU」と残したり、電話をしても繋がらないときにメッセージで「HMU」と送ることもできます。
TBH(正直言うと…)
「TBH」は、「to be honest」の略語で「正直に言うと」を意味する言葉です。
「ぶっちゃけさ…」のように本音を話したいときに使うことができます。
似た表現方法として「TBQH(To be quite honest)」という英語スラングがありますが、「Quite」が入っている方がやや強調した表現になります。
一緒に覚えておくと便利です。
4.ビジネス英語を使うときの注意点
ビジネス英語を使うときの注意点は、以下のとおりです。
- 略語は親しい同僚やチーム内のみにする
- できるだけ簡潔にまとめる
- 直接的に否定する表現は避ける
それぞれの注意点について解説します。
略語は親しい同僚やチーム内のみにする
ビジネス英語では、「TBA」を含むたくさんの略語がありますが、ビジネス用として紹介されているとしても使う相手は選ばなくてはなりません。
同僚やほぼ毎日同じプロジェクトに携わっている気の知れたチーム内であれば、やりとりを簡略化するために略語を使うことはよくあります。
ただし、クライアントや上司に対してはむやみに略語を使わず、ある程度の関係性を構築してから使うようにしましょう。
略語ばかりになるとカジュアルな印象を与えることになり、良識が欠けていると認識される可能性があります。
できるだけ簡潔にまとめる
日本で社会人経験を積んでいると違和感を感じるかも知れませんが、英語圏でのビジネスコミュニケーションは「SIMPLE IS THE BEST」が基本です。
日本語では、「お世話になっております」「お手数おかけしますがよろしくお願いいたします」など相手に失礼にならないような文章を送ることが多いでしょう。
ただし、日本のビジネスメールのように要件以外の文章が多すぎると、相手の時間を奪うこととなり、失礼とみなされます。
日本人からすると「シンプルすぎないか?」「雑と思われないか?」と不安になるかも知れません。
しかし、関係性が薄ければ薄いほど要件以外の内容は省いて、できる限りメールの内容は少なくなるように工夫してください。
ただし、ある程度の関係性が構築されたあとは、相手の近況を尋ねたり、天気の話をするなど親しみやすさを感じられる文章を添えると好感を持ってもらいやすいです。
直接的に否定する表現は避ける
「日本語は婉曲的で英語は直接的な表現が好まれる」と認識している方は多くいますが、実は英語のビジネスシーンでは、直接的な否定表現は好ましくありません。
とくにクライアントとの取引関連では、全世界共通で相手に良い印象を持ってもらう必要があり、ちょっとした表現方法の違いでビジネスがうまくいかないこともあります。
「No」「not」など否定するような表現は、高圧的な印象を与える可能性があるため、極力避けた方が安心です。
どうしても否定的な文章を送らなければならないときは、「not be able to」など婉曲的な否定表現を用いましょう。
ここに関しては、日本のビジネスと共通しているため、「海外だからはっきりとNOと言わなければいけないんだ!」と間違った認識をしないように注意してください。
4.まとめ
この記事では、「TBA」の意味と使い方について解説しました。
そのほか、「To be」構文の英単語やビジネス英語でよく使われている略語をまとめています。
日本では、ビジネスシーンで短縮した言葉を使用することは不適切とされていますが、英語圏ではケースバイケースではあるものの多用されています。
英語は、日本語と比べてアルファベット数が長いため冗長な文章になることを避けるために略語が重宝されているようです。
とはいえ、関係性が築けていないクライアントや上司に使うことは不適切とされているので、タイミングや相手との関係性を見極めることが大切です。