アメリカに大学留学をする予定の人は、現地に行ってから「ソロリティ」というものに出会うでしょう。留学前には全く耳にすることがないかもしれない「ソロリティ」ですが、アメリカの大学では当たり前の存在です。
では、ソロリティとは一体なんなのでしょうか?
この記事ではソロリティとは何かをご紹介しつつ、そのメリットやデメリットを解説していきます。アメリカでの留学生活を充実させたいと思っている人は、ぜひ参考にしてくださいね。
1.ソロリティとは?
ソロリティを日本語で表すと「女子学生社交クラブ」といった感じです。ちなみに男性向けの同じクラブもあり、そちらは「フラタニティ」と呼ばれます。
フラタニティはラテン語で兄弟、ソロリティは姉妹を意味し、このクラブに所属した人たちの結束はまるで兄弟姉妹のように強固なものなのだとか。
日本の大学で言うスポーツサークルや社交サークルのようなものをイメージするかもしれませんが、アメリカのソロリティ・フラタニティは、日本のサークルとはちょっと様子が違います。
まず、メンバーになるためには審査があり、審査が始まってからもすぐに正規メンバーになれるわけではありません。また、正規メンバーになるためには、既存のメンバーからの勧誘も必要です。
入会するステップからして、日本のサークルやクラブ活動とは全く異なるソロリティ。さらには、活動内容も様子が違っていて、日本のサークル・クラブ活動に比べると、よりメンバー同士の結束や、クラブへのコミットメントが求められます。
また、ソロリティおよびフラタニティごとにルールがあったり、秘密のジェスチャーのようなものがあったりし、毎週のようにパーティーが開かれます。
そのほか、メンバーでチャリティー活動に勤しんだり、地域コミュニティに貢献するような活動をしたりなど、ただ遊んでいるだけではなく、何かしらの社会活動も行われています。
これを勉強と両立しながらやるわけですから、アメリカの大学生はかなりバイタリティが豊富ですね。
2.ソロリティのメンバーになるには?
ソロリティのメンバーになるためには、勧誘や審査が必要というのは前述のとおりです。メンバーになるためのステップは、大学やソロリティごとに多少異なるため、一概にこう言うステップという紹介はできません。
しかし、大体の流れは似通っていますから、ここでは大まかな流れをご紹介しましょう。
ソロリティのメンバーは、学期ごとに1度募集されます。入会希望者用のフォームがありますから、それに書き込むことで入会希望を表明できます。
入会するには成績の規定があることが多いので、成績が良くない人だとソロリティに入会することはできません。
その後メンバーからパーティーへのお誘いがあります。
このパーティーはラッシュイベントと呼ばれ、それに参加することで、そのソロリティに入会したいかどうかを考えられます。
また、既存メンバー側も、パーティーを通して入会希望者のことを見ており、そのパーティーを通してメンバー候補を決定します。
メンバー候補には後日招待状が届きます。この期間を「ビッズ」と呼びます。招待状を受けても入会しなければならないわけではなく、そこで招待を受けることで入会となります。
しかし入会をしても、すぐに正規メンバーになれるわけではありません。
そこから正規メンバーになるまでにさまざまなイベントがあり、その課題などを乗り越えて、晴れて正規メンバーになるのです。
日本人留学生でもソロリティに入れる?
アメリカの大学に留学している外国人は多いですから、もちろん日本人でもソロリティに入会することができます。入会ステップも、アメリカ人学生たちと変わりません。
ただ、大学生は必ずソロリティに所属しなければならないというわけではないため、入らないという選択肢ももちろんあります。
日本人留学生だと、むしろソロリティのメンバーになっている人の方が少ないかもしれませんね。
3.ソロリティに所属するメリット
正式に入会するまでにさまざまなステップをふむソロリティ。ちょっと面倒くさそうだと感じた人もいるかもしれませんね。
しかし、ソロリティに所属することには、さまざまなメリットがあります。ここからは、そのメリットをご紹介します。ソロリティに興味がない人も、これを見れば、入会してみたいと思うかもしれませんよ。
一生ものの友達ができる
ソロリティのメンバーになる大きなメリットの1つは、一生ものの友達ができるということでしょう。
各ソロリティのメンバー同士は固い結束で結ばれており、メンバーになれば自然と他のメンバーたちと絆が深まっていきます。
大学卒業後も連絡を取り合っている人たちもたくさんいますから、留学が終わってからも大学時代の友達たちと交流が絶えることなく、友情を深めていけるでしょう。
留学生活が充実する
ソロリティのメンバーになると、パーティーをしたり、社会活動をしたりと、なかなか忙しい生活が待っています。ですから、留学生活が充実しやすいでしょう。
もしもソロリティに入っていなければ、勉強とアルバイトしかしていない……なんて生活を送ってしまうかもしれません。
ソロリティに所属することで、さまざまな活動に参加できるため、アメリカの大学に留学をしているという気分を存分に味わえるはずです。
アメリカ独特の学生生活を体験できる
ソロリティおよびフラタニティというものは、アメリカの大学独特のシステムです。ここまでご紹介したとおり、日本の大学におけるサークル・クラブ活動とはまた雰囲気が異なります。
ですから、ソロリティに入会すれば、アメリカ独特の学生生活を体験できます。
もちろん、ソロリティに入会しなくても、アメリカの学生生活を体験できますが、入会することでプラスアルファの体験ができるイメージですね。
4.ソロリティに所属するデメリット
メリットを見ると留学生にとっては魅力的なことばかりですが、ソロリティにはデメリットもあります。そんなデメリットの方もみてみましょう。
拘束時間が多いソロリティも
ソロリティの活動内容は、各ソロリティごとに異なります。
中にはやたらと拘束時間が長く、自分の時間が持てないほどに活発な参加を求められるソロリティもあるでしょう。
そんなソロリティのメンバーになってしまうと、自分の時間が必要な人にとっては、ちょっとキツいと感じるかもしれません。
また、勉強する時間が確保できずに、ソロリティでの活動ばかりに勤しむ留学生活になるなんてことも考えられます。
ルールが厳しい
各ソロリティでは独自のルールが定められています。このルールが意外と厳しいところもあり、窮屈だと感じる人もいるでしょう。
そもそもソロリティは、そのクラブに忠誠を誓うと言っても過言ではないほど、しっかりコミットすることが求められます。メンバーもしっかりルールを守るため、日本の大学のサークル・クラブ活動を想像していると、その違いにびっくりしてしまうかもしれませんね。
お金がかかることもある
ソロリティによっては会費が求められることもあります。また、パーティー費用がかさむ場合もあるでしょう。
そのため、金銭的な余裕がない人は、入会を検討しているソロリティで、どのくらいお金がかかるのかも事前にチェックすることをおすすめします。
5.ソロリティには入会すべき?
ソロリティの結束の強さやルールの厳しさのことを知って、ソロリティのメンバーになることが怖くなった人もいるかもしれませんね。結局入会するべきかどうなのか、疑問に思う人もいるでしょう。
結論から言えば、入会するかどうかは別として、入会までのステップは体験してみても良いかもしれません。
正式に入会するまでは、「やっぱり入会を諦めます」ということは簡単です。既存メンバーの方も、正式入会になるまでに、自分たちのソロリティを体験して、納得してから入会してほしいと思っていますから、体験入会のような期間は、自分がそのソロリティでメンバーとして活動できるかどうかの見極め時間なのです。
各ソロリティごとに雰囲気が異なるため、入会しようとしたクラブでは、それほど厳しいルールがないかもしれません。また、活動に費やす時間も、自分にとって適しているかもしれません。
そしてもちろん、その逆の場合もあるでしょう。ソロリティに所属しなければ友達ができないわけでもありませんから、無理に入会する必要はありません。
どちらにしても、ソロリティの入会ステップを体験するだけでも、ソロリティというものがどういったものなのかを感じることができます。
そうした集団活動などに興味がない場合を除けば、ソロリティを体験するのは、良い経験になるはず。
アメリカでの大学留学生活が始まったら、ぜひその大学でのソロリティについて調べてみてくださいね。
6.まとめ
ソロリティ・フラタニティという文化は、アメリカの大学で体験できる独特の文化です。学業だけではなく、アメリカでの大学生活も存分に楽しみたいという人は、ぜひソロリティがどんなものか覗いてみてくださいね。
海外ドラマなどで見るような、アメリカの大学生活をリアルで体験できるはずです。