SNSなどで誰かが亡くなったときによく見かける「R.I.P」。亡くなった方に対して使われる言葉だとは理解できても、よく意味がわからないという人もいるでしょう。
そこでこの記事では、R.I.Pの意味や使い方、そして似ている表現を解説します。こちらを参考にすれば、正しくR.I.Pを使うことができるようになるはずですよ。
R.I.Pの意味とは?
「R.I.P」とは本来はラテン語の “requiescat in pace” の頭文字を取った略語なのですが、現在では ”rest in peace” の略だと認識されていることが多いです。ラテン語の ”requiescat in pace” が英語では ”rest in peace” になるため、その認識でいても間違いではありません。
では ”rest in peace” がどういう意味かというと、「安らかに眠れ」という感じでしょうか。”rest” は休息をとること、そして ”peace” は平和という意味だということを考えると、想像しやすいかもしれませんね。
R.I.Pという略語は、英語圏のお墓に刻まれていることもあれば、著名人などが亡くなった際のニュース記事などにも記載されていることがあります。
そのことからもわかるとおり、「R.I.P(rest in peace)」自体はスラングというわけではなく、一般的にも使われる言葉です。
ちなみに日本語だと「ご冥福をお祈りします」が一番近い表現でしょう。ですから、英語で「ご冥福をお祈りします」と言いたくなったら、R.I.PもしくはRest in peace.を使っても問題ありません。
R.I.Pの使い方や使いどころ
ではここからは、もう少し深くR.I.Pの使い方や使いどころについてご説明していきます。R.I.P自体は一般的な英語表現ではありますが、スラングとしての使い方もあるため、使うタイミングには注意が必要です。
表記の仕方と読み方
R.I.Pと略語で表記する場合は基本的に「R.I.P」と途中にピリオドをはさみます。この場合の読み方は、「アール・アイ・ピー」と、それぞれのアルファベットをそのまま発音する感じです。
正しい表記はピリオド付きなので墓石やニュース記事では、この形が取られることがほとんどです。
しかし最近はSNSなどでもよく使われている表現のためか「RIP」や「rip」と表記されることも多くなっています。そのためなのか「リップ」と発音されることもありますが、あまり話し言葉で使われる表現ではないため、発音に関してはそこまで気にしなくても良いかもしれません。
基本的な使い方や使いどころ
R.I.Pは誰かが亡くなったときに、墓石やニュース記事で見かける表現であることからもわかるとおり、亡くなった方にお悔やみを述べるような表現です。ですから、使いどころは知人や友人、そして著名人・有名人が亡くなったときということになります。
前述のとおり話し言葉ではあまり使われず、書き言葉で使われることが圧倒的に多いため、亡くなった方へのメッセージを送るときなどに使うと良いでしょう。
もちろん、どなたかが亡くなった際にSNS上でお悔やみメッセージとともにR.I.Pと添えても失礼にはあたりません。
例文:
R.I.P Queen Elizabeth II.
Queen Elizabeth II, R.I.P.
(エリザベス女王2世、ご冥福をお祈りします)
Queen Elizabeth II passed away peacefully. May she rest in peace.
(エリザベス女王2世が安らかに逝去されました。安らかに眠れますように。)
例では96歳でご逝去されたイギリスのエリザベス女王を取り上げていますが、女王という敬意を払うべき対象であっても、R.I.Pという表現が使われています。
そして例文からもわかるとおり、R.I.Pは文頭につけても、文章のあとに単体でつけても問題ありません。
また、最後の例文のように「rest in peace」と略さずに使われることもあります。「May 〇〇 rest in peace」も、誰かが亡くなったときの決まり文句です。
SNSなどでの使われ方
SNSの普及の影響で、「R.I.P」という表現をFacebookやInstagram、Twitterなどで見かけることが多くなっています。
SNS上の投稿では「R.I.P」と正式表記をするよりも「RIP」や「rip」の方がむしろよく見かけるかもしれません。また、#RIPもしくは#ripのようにハッシュタグをつけた投稿もよく見かけます。
実際に亡くなった方に対するメッセージであれば、全く失礼にはあたらず、むしろ亡くなられた方を思いやる気持ちの方が強い表現ですから、海外の有名人などが亡くなられた際には、RIPをつけてSNSに投稿してみても大丈夫です。
スラングとしてのR.I.Pの使われ方
一つ気をつけなければならないのは、「R.I.P」はネットスラングでも使われるようになっているということです。スラングとして使われる場合はピリオド抜きで「RIP」とされることが多いです。
書き言葉で使われることが断然多いため、こちらもSNSなどの投稿でよく目にするかもしれません。また、メッセージングアプリでのやりとりでも、見かけることがあるでしょう。
スラングとしてのRIPの使われ方は2通りあります。その2つの使い方をそれぞれ解説します。
大事なもの失ってしまったとき
大事なものを紛失したり壊してしまったとき、または楽しいイベントが終わったときなどに、その残念な気持ちを表す際に「RIP」が使われることがあります。
まずは例文をみてみましょう。
- RIP to my phone. It got run over by a car.
(スマホが壊れちゃった。車に轢かれたんだ。) - I just got fired and my girlfriend ditched me last weekend. RIP to my life.
(会社をクビになって、先週彼女にも振られたんだ。人生終わりだよ。)
日本語のネットスラングで言い表すなら、少し古いですが「オワタ \(^o^)/」なんかが近いかもしれません。この使い方のRIPも皮肉や自虐で使われることが多いです。
生きている人に対して「死ね!」のような罵倒
まだ生きている人に対して「RIP」と使う場合は、「死ね!」「消えろ!」のような罵倒表現であることが多いです。RIP自体が「安らかに」というような優しい表現のため「死ね!」というニュアンスをやや丁寧に言っているようなイメージです。
仲間内ならジョークで使われることもありますが、ちょっと危険な表現のため、外国人・ノンネイティブである私たちは使わないのが無難です。そういう使い方もあるのだと理解するまでにとどめておきましょう。
日本人でも罵倒で「死ね」と言わない人がたくさんいるように、この意味のRIPはネイティブでも誰でも使うというわけではありません。
誰かが亡くなったときに使える英語のお悔やみ表現
R.I.Pは日本語だと「ご冥福をお祈りします」に近いというのは前述のとおり。ですが、誰かが亡くなったときには、「ご冥福をお祈りします」以外にも使う表現がありますよね。
英語も同じで、使われる表現はR.I.Pだけではありません。
そこで最後に、誰かが亡くなったときに使える英語のお悔やみ表現を少しご紹介していきます。
I am sorry for your loss.
この表現は、誰か近しい人を失くした方に対して使える表現です。「あなたがあの方を失ったことを、私もつらく思います」というようなニュアンスの表現で、日本語で言うと「ご愁傷さまです」「ご心情、お察しします」などに近いです。
Sorryの前にsoやsincererlyなどをつけて、気持ちを強調することもできます。
また、家族などが亡くなったと聞かされたときにも「I am sorry to hear that.」ということができます。Sorryは日常的によく使う表現ですから、軽いように感じるかもしれませんが、決まり文句として使われていますから、不自然ではありません。
Condolence
この単語は「哀悼」や「お悔やみ」といった意味を持つ単語で、お葬式にメッセージを送る際などに使われます。
Please accept my sincerest condolences on your loss.といった形で、上記の「I am sorry for your loss」に近い表現になります。
また、I sent a condolence letter to my friend.と言うと「友達にお悔やみ状を送った」という意味です。
R.I.Pは使いどころに気をつけて使おう!
文中でも解説しているとおり、「R.I.P」自体はスラングというわけではなく、フォーマルな場面で使ってもおかしくはない表現です。また、失礼な意味もありません。面識あるなしに限らず、知っている人が亡くなられ、ご冥福をお祈りするような気持ちがあるなら、使ってみると良いでしょう。
ただし、スラングで使われることもある点には注意!もしも、実際は生きている人が亡くなったと勘違いしてRIPを使ってしまうと、トラブルになりかねません。
R.I.Pを正しく使うためにも、情報の正誤は確実に確認してから使うようにしてくださいね。