海外ドラマや洋画を見ていて、登場人物が「ノーウェイ!」と叫んでいるのを聞いたことがないでしょうか。ネイティブが英語で会話をしているときに、「ノーウェイ」と言っているのを聞いたことがある人もいるかもしれませんね。
ではこの「ノーウェイ」という表現、どういう意味かはご存知ですか?
この記事ではノーウェイという英語表現について、その意味と使い方をご紹介します。こちらを参考にすれば、ネイティブがよく口にしている「ノーウェイ」の正体がわかるようになるはずです。
ノーウェイの意味とは?
ネイティブがよく使う「ノーウェイ」とは「No way」のことです。この表現には、ごく一般的で、フォーマルな場面でもOKな使い方と、スラング的な使い方の2通りがあります。
まずは一般的な使い方とスラング的な使い方にわけて、No wayの意味を解説します。
一般的なno wayの意味と使い方
カジュアルな場面でもフォーマルな場面でも使えるごく一般的な「no way」は、文中に挟み込んで使います。
意味は、「〜する方法がない」「行く道がない」「可能性がない」といった感じです。
たとえば、以下のように使います。
There is no way for me to be a professional singer.
(私がプロの歌手になる方法はない=プロの歌手になれるわけがない)
There is no way to run away from the problem.
(その問題から逃げる方法はない)
この一般的な使い方だと、”There is” という文頭と一緒に使われることが圧倒的に多いため、セットで覚えておくと良いでしょう。
また、同じような雰囲気で、下記のような表現もあります。
There is no way out.(逃げ道はない)
There is no way back.(引き返す道はない)
There is no better way.(他により良い方法はない)
こうした表現もよく使われるため、会話の中で使えるようになると良いですね。
スラングとしてのNo way!
この記事でメインでご紹介するのは、こちらのスラングとしての「No way!」です。スラング的な使い方がされる場合には、ちょっと叫んでいたり、びっくりしているような雰囲気で使われているでしょう。
スラング的なNo wayは、日本語で「まさか!」と訳されていることが多いですが、実際の意味は「まさか」だけではなく、以下のように色々な意味があります。
- まさか!
- ありえない!
- 信じられない!
- すごい!
- 絶対無理!
- やだ!
元々の意味が「〜する方法はない」「可能性がない」ということを考えると、ちょっとニュアンスの近さが感じられるのではないでしょうか。
上記の意味を見て、「すごい」という肯定的な意味があることが気になる人もいるでしょう。これは日本語でも「やばい」という本来はネガティブな語彙を、すごく感動した時などに使うのに近いニュアンスです。「ありえない!」と喜んでいるような感じをイメージすると良いでしょう。
また、この表現は言い方によってもニュアンスが異なります。「No way!」と強めに言えば「まさか!」とビックリしている感じになりますが「No way…」と弱々しく言うと、「そんな……」のような雰囲気になります。
そして「No fuking way!!」のように、fuckを使った表現を挟み込むと、「ふざけんな!」位の強い意味になります。ノンネイティブである私たち日本人は、あまりfuckを使う表現を使わない方が良いですが、ネイティブはよく使っているので、こちらも合わせて覚えておくと良いでしょう。
No way!はアメリカとイギリスで使い方が違う?
海外ドラマや洋画でもよく使われており、さらにネイティブも日常的に使っている「no way」という表現ですが、アメリカ英語とイギリス英語でニュアンスに違いがあるのでしょうか。
同じ言葉でも、アメリカとイギリスで意味が違ったり、ニュアンスが異なるのは、よくあることです。そこで英英辞書ではどのように「no way」が定義づけられているかも調べてみました。
アメリカ英語での「no way」の意味
Collinsの辞書では、アメリカ英語での「no way」は下記のように定義されています。
- absolutely not; no (絶対NO)
- not under any circumstances; no(どんな場合であってもNO)
(引用元:Collins English Dictionary)
とにかく強くNO!という感じですね。これは、上記でご紹介した「まさか!」「やだ!」という意味を彷彿とさせますね。
イギリス英語での「no way」の意味
ではイギリス英語ではどうでしょうか。上記のアメリカ英語と同じCollinsの辞書で調べてみると、イギリス英語では下記のように定義されています。
- used to make an emphatic refusal, denial etc
(拒否や否定などを強調するのに使われる) - that is impossible
(不可能・ありえない)
(引用元:Collins English Dictionary)
特に上の方の「拒否や否定などを強調するのに使われる」というのは、アメリカ英語とほとんど変わりません。ですが、イギリス英語では「no way」を「不可能」「ありえない」と定義でづけていることから、「絶対無理!」「ありえない!」というニュアンスも強いことが感じられます。
とは言え、実際に使う場合には、この細かなニュアンスを気にせずに使ってしまって大丈夫です。
No way!を使った例文集
ここからは、スラング的な使い方の「No way!」を実際に会話の中でどのように使えば良いのか、ニュアンス別に会話例文とともにご紹介します。
こちらを参考にすれば、きっと「no way」の使いどころがわかるはずですよ。
「まさか」「信じられない」「ありえない」
例文1
A: Did you hear that Will Smith is coming to our town?
B: No way! What is he going to do in such a boring town?
(日本語)
A: ウィル・スミスがこの街に来るって聞いた?
B: まさか!こんな退屈な町で何をするつもりなの?
例文2
A: I heard John and Maria broke up last week!
B: No way! They’ve been together for over 10 years. What happened?
(日本語)
A: ジョンとマリアが先週別れたらしいよ!
B: 信じられない!10年以上も一緒にいたのに。何があったのかな?
「まさか」「信じられない」「ありえない」というニュアンスの「no way」は、ポジティブなことにもネガティブなことにも使えます。「うそでしょ?」という気分になったら、びっくりした感じを出しながら使ってみると良いでしょう。
「絶対無理」「やだ」
例文1
A: Can I borrow 10,000 yen?(Can you lend me 10,000 yen?)
B: No way!
(日本語)
A: 1万円借りられるかな?(1万円貸してくれるかな?)
B: 絶対無理!
例文2
A: Can you give me your watch?
B: No fucking way!
(日本語)
A: 時計をくれる?
B: あげるわけないだろ!
「絶対無理」「やだ」というニュアンスの「no way」は相手に対して強めにNOを言いたいときに使えます。
例文2では「fucking」という表現も入れていますが、これを入れるとかなり強めの乱暴な言い回しになるため、かなり相手を選ぶことを忘れずに。「ふざけんな」という気持ちがあるときには、適した表現です。
「すごい」
例文1
A: I passed the exam! I’m officially a lawyer now!
B: No way! Congratulations! We have to party!
(日本語)
A: 試験に合格したよ!これで正式に弁護士になったんだ!
B: すごい!おめでとう!パーティーしなきゃ!
例文2
A: I finally got a job offer in Japan!
B: No way! Let’s meet up when you are here.
(日本語)
A: やっと日本での就職が決まったよ!
B: うそでしょ!日本に来たら会おうよ。
例文2は「うそでしょ」と訳していますが、「すごい」という気持ちがこもった表現です。
「no way」には「ありえない」という意味もあるため、たとえ「すごい!」とポジティブに言う場合も、使いどころや使う相手、そして声のトーンや表情に気をつけなければなりません。
慣れるまで使えるのを控えた方が安全でしょう。
No way!と言われたらどう返せばいい?
もしも誰かと話していて「No way!」と言われて、「本当だよ」のように返したい場合は、なんと返すのが良いのでしょうか。
普通に「It’s really true.」と事実であることを伝えても良いのですが、会話の中では「Yes way!」と簡単に返すこともあります。
例えば下記のような感じですね。
A: Did you hear that Will Smith is coming to our town?
B: No way!
A: Yes way! He’s coming the day after tomorrow!
(日本語)
A: ウィル・スミスがこの街に来るって聞いた?
B: うそでしょ!
A: ほんとだよ!明後日来るんだ!
もちろんこの「Yes way」もカジュアルな表現ですし、「No way」への返しとしてしか使えない表現ですが、しばしば耳にする表現なので、一緒に覚えておくことをおすすめします。
No wayを使いこなせば自然な英語に一歩近づく!
今回ご紹介した「No way!」という表現は、日常会話で非常によく使われる表現です。ですから、使いこなせるようになれば、より自然な英会話ができるようになるはず。
これまで「ノーウェイってどういう意味かな?」と思っていた人も、ぜひこの記事を参考にして、積極的に「No way!」を使ってみてくださいね。
ただし、とてもカジュアルな表現かつ強調の意味を持つので、使いどころには注意しましょう。