音楽などを言い表すときに「メロウ」という言葉が使われますが、この「メロウ」がどう言う意味か疑問に思ったことはありませんか?
日本語でも良く使われる「メロウ」は、実は英語由来の言葉。そして英語由来の言葉はしばしば日本語では別の意味になってしまっていたりするので、日本語と英語の意味どちらも正確に知り、正しく使うことが重要です。
この記事ではメロウという言葉の意味と、英語での使い方を解説していきます。音楽だけではなく、さまざまなことを説明できる言葉なので、覚えておくと便利かもしれませんよ。
1.メロウの意味とは?
日本語で言うメロウとは、「柔らかい」「優しい」「心地よい」「穏やかな」というような意味です。なんだかソフトで落ち着くような音楽を「メロウ」と言ったりしますが、対象物が音楽でなかったとしても、そういう意味を持ちます。
その元となっている英語は「mellow」です。では、英語のmellowは一体どんな意味を持つのでしょうか。
Mellowの意味
英語のmellowを日本語に訳すと、さまざまな意味があります。まずは下記に意味をリストアップしてみました。
- まろやかな
- 優しい
- 柔らかい
- 心地よい
- 熟した
- 穏やかな
- 芳醇な
- しっとりとした
まだまだ考えられますが、ひとまずこの辺にしておきましょう。Mellowという英語は、基本的に日本語で使われるメロウと同じ意味なのですが、文脈によってさまざまな訳され方をします。
ケンブリッジ英英辞典でも、その定義を見てみましょう。
形容詞:smooth and soft, or not too sharp, bright, new, or rough:
(滑らかで柔らかい、または鋭すぎず、明るすぎず、新しすぎず、荒々しくない)
動詞:to become softer and more developed in a pleasing way:
(よりソフトに、より心地よく発展させていく)
引用元:https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/mellow
ケンブリッジ英英辞典を見てわかるとおり、mellowは形容詞的な使い方と動詞としての使い方、2通りの使い方のある言葉です。
形容詞としてのmellowの方が圧倒的に使われる頻度が高いですが、動詞のmellowも使われないわけではありませんから、動詞のmellowも覚えておくことをおすすめします。
こうして意味を見てみると、mellowは珍しく、日本語になったときにも意味のズレが発生していない言葉なんですね。
2.形容詞のmellowの使い方
ここからは良く使われる形容詞のmellowが、英会話の中でどのように使われているのか、対象物のジャンルに分けてご紹介していきます。
mellowは文脈により多少意味が異なりますが、対象物がハッキリしていれば、どのように解釈すれば良いか判断しやすいですよ。
人について表す場合
誰かの性格や雰囲気などを言い表すときに使うmellowは「穏やかな」「リラックスした」といった雰囲気の言葉がぴったりです。
例文をみてみましょう。
例文
She is a somewhat mellow person. I feel calm when I am with her.
(彼女はどこか穏やかな人なんです。彼女といると穏やかな気持ちになります。)
日本語に訳すと「穏やかな」というのがぴったりですが、それにプラスして、どこかふんわりとしたような、ソフトで柔らかな雰囲気を感じさせます。
音楽について語る場合
音楽について語るときも、人について言い表すときと同様に「穏やかな」「リラックスした」というのが適しています。ふわっとした感じや、心地よい感じを感じさせる音楽は、メロウと言えるでしょう。
こちらも英語の例文をみてみましょう。
例文
The room was filled by the mellow song.
(その部屋はメロウな歌に満たされていた。)
この文章は「メロウ」という言葉を使って訳すのがぴったりですが、このメロウは、溶けそうなようなふわふわ、リラックス感、心地よさなどを感じさせる言葉です。
飲食物について言及する
食べ物や飲み物についても、mellowという言葉が使えます。こちらはまず例文を見てみましょう。
例文
The sake we had last night had a mellow flavor.
(昨夜飲んだ日本酒は芳醇な味わいだった。)
この例文の場合は、「芳醇」「まろやか」「優しい」などの言葉がしっくりくるでしょうか。やわらかく奥深い味や風味のある飲食物はmellowと言い表すことができます。
自然や風景について
ちょっと意外かもしれませんが、自然や風景についても、mellowという言葉が使えます。こちらも例文を見てみましょう。
例文
We felt a mellow breeze.
(優しい風を感じた。)
breeze自体が「そよ風」という意味ですが、mellowをつけると、優しくて穏やかななんとなく心地よいそよ風という感じに、そよ風を詩的に表すことができます。
また、光や自然の色なんかにもmellowが使われますから、風景についてmellowが使われているのを発見したら注目してみましょう。
色を説明する
色の説明でmellowを使う場合、そのmellowが何を意味しているかは想像しやすいかもしれませんね。色の説明の場合は、優しくとけるような、穏やかでリラックスしたムードを作るような色が、mellowと言い表されます。
例文
This shelf is available in a variety colors with mellow tones.
(落ち着いた色合いのカラーを豊富に取り揃えたシェルフです。)
たとえば何かの商品説明で上記のように記載されていた場合は、クリームや淡いピンクやイエローといったカラバリがありそうです。
3.動詞のmellowの使い方
mellowは形容詞で使うことが多い言葉ですが、前述でご紹介したとおり動詞でも使えます。また、mellow outというスラングもありますから、こちらもあわせて覚えておくと良いでしょう。
標準的な使い方
mellowを動詞として使う場合は、以下のような形で使います。
例文1
I’m surprised how he mellowed since we last saw him. He never gets upset with anything now.
(最後に彼に会ったときに比べて、すっかり大人しくなっていて驚いたよ。彼は今、何があっても怒らないよ。)
例文2
The cream wallpaper is mellowing this room’s atmosphere.
(クリーム色の壁紙がこの部屋の雰囲気をまろやかにしている。)
例文3
The lavender aroma always mellows my mood.
(ラベンダーの香りはいつも気分を和らげてくれる。)
こうして例文を見てみると、なぜ「mellow」が動詞として使われることもあるのかがわかりますね。何かをメロウにする、メロウな気分にするなどと言いたい時には、mellowをそのまま動詞にできます。
形容詞のmellowの方が使われる頻度は高いものの、動詞のmellowも使えそうな表現であることがわかるでしょう。
mellow outという表現
Mellowをそのまま動詞で使うほかには、mellow outという表現も存在しています。こちらについても、どんな風に使われているのか例文で見てみましょう。
例文1
I think people tend to mellow out as they get older.
(年を取ると、人は穏やかになる傾向があると思う。)
例文2
She definitely mellowed out since she got a boyfriend.
(彼氏ができてから、彼女は間違いなく穏やかになった。)
Mellowにoutをつけると、「穏やかになる」「優しくなる」といった意味になります。動詞のmellowのみでは文章を作りづらいときには、こちらのmellow outを覚えていれば、言い表せる文章もあるはずです。
4.メロウ(mellow)は意外と便利な表現!日本語でも英語でも積極的に使ってみよう
今回ご紹介したとおり、日本語のメロウと英語のmellowには、大きな意味の違いはなく、どちらもほぼ同じ意味で使えます。しかも、メロウな雰囲気のものが好きな人にとっては、かなり使える表現なのではないでしょうか。
文法的には使い方が単純ですから、穏やかで心地よいような何かを言い表すときには、ぜひ積極的に使ってみましょう。ただし、日本語だとメロウの意味がよくわからない人もいるかもしれませんから、言葉の意味も説明できると良いですね。