英語での会話を聞いたり、文章を読んでいたりするときに「kinda」という表現が目に留まったことはないでしょうか。この「kinda」という表現は、日常英会話の中でとてもよく使われる表現です。そのため、意味や使い方を覚えておくと、自然な英会話が楽しめるようになるはず。
そこでこの記事ではkindaの意味や使いどころ、使い方を詳しく解説します。類似表現もご紹介していくので、こちらを参考に英会話表現の幅を広げていきましょう!
1.kindaとは?
kindaとは「kind of」のこと。「want to」が「wanna」、「got to」が「gotta」と略されることがあるように「kind of」もカジュアルシーンで早口で話しているときには「kinda」となるのです。
では、kindaとされる「kind of」の意味とは一体どんなものでしょうか。
よく使われるkind of の意味
kind ofには2通りの意味があります。
まず1つは「種類」や「タイプ」を表すkind of。こちらは、カジュアルシーンでもフォーマルシーンでも使える表現です。
簡単な例文を見てみましょう。
例文
What kind of food do you like?
(どんな種類の食べ物が好きですか?)
I don’t enjoy any kind of dance.
(どんな種類のダンスも好みません。)
このように、種類やタイプを表したいときには「kind of」とします。
しかし今回ご紹介する「kinda」は、この種類やタイプを表す「kind of」とは少々性質が異なるものなのです。
スラングのkinda/kind of
今回ご紹介するkindaおよびkind ofは、スラングとしてカジュアルシーンで使われている表現です。
意味は、「ちょっと」「なんとなく」「まあまあ」「っぽい」のような感じなのですが、言い方や話者の気持ちによっても、少々意味が違ってきます。
ケンブリッジ英英辞典では、このkinda/kind ofを下記のように定義しています。
used when you are trying to explain or describe something, but you cannot be exact:
(正確には説明できないものの、何かを説明しようとするときに使う)
これだけ見てもよく理解できないでしょうから、簡単な例文をいくつか挙げてみます。
例文
- He’s kinda annoying.(彼はなんかちょっと鬱陶しいよね)
- I kinda like you.(君のことがなんかちょっと好きみたい)
- A: Do you like Japanese food?(日本食は好きですか?)
B: Kind of. I prefer Korean food.(まあまあかな。韓国料理のが好きだね)
日本語訳は、kinda/kind ofのニュアンスが掴めるようなものにしているのですが、曖昧な感じが伝わるでしょうか。ちなみに、上記の例文の「kinda」はすべて「kind of」と言い換えることができますが、3の「kind of.」だけで返答をしている部分は、あまり「kinda」ということはありません。
このように、kinda/kind ofは、ハッキリと言えないときや、程度をうまく言い表せない時などに非常に便利な言葉です。ネガティブなことだけではなく、ポジティブなことにも使いますし、使い方を覚えると、とても便利な言葉なんですよ。
2.スラングのkinda/kind ofを使うときの注意点
今回ご紹介しているスラングのkindaおよびkind ofは、日常英会話の中で非常によく出てくる表現なのですが、使うときには注意が必要な場合もあります。
ここからは、そんな注意点をご紹介していきます。
フォーマルシーンでは使わない
「ちょっと」「なんか」「っぽい」などを意味するkind of、およびその略である「kinda」は、スラングであり、カジュアルな言い回しです。特に短縮された「kinda」は非常にカジュアルな言葉なので、フォーマルシーンでは使わないようにしましょう。
フォーマルシーンではなくても、初対面の人やかなり年上の人には使わないように気をつけることをおすすめします。
同じ意味でもkind ofの方は、スラングというよりはカジュアルなイディオムといった雰囲気なので、もう少し使える範囲が広まります。とは言え、やはりカジュアルな言い回しであることには違いないため、フォーマルシーンでは使うのを控えた方が無難です。
使いすぎに注意!
kinda/kind ofは使い方が掴めれば、非常に使いやすい便利な言葉です。
しかし、使いやすいだけに、ニュアンスが掴めてしまうとついつい「kinda」を連発してしまうかもしれません。
ニュアンスが掴めることは良いことなのですが、kindaやkind ofをあまり連発しすぎるのはおすすめできません。なぜなら、こうした言葉を連発すると、ストレートに言えばバカっぽく聞こえてしまうのです。
日本語で例えるなら「なんか〇〇っぽい」「なんか〇〇みたいなー」を連発している感じです。時々使うなら全く問題ありませんが、口癖のように常に使っていると、日本語でもちょっと不自然ですよね。
ですから、たとえkindaが使いやすいと感じても、使いすぎないように注意してください。kindaに似た表現とうまく交えながら、バリエーションをつけてくださいね。
書き言葉でも話し言葉でも使える
kindaは、書き言葉だけでも話し言葉でも使えるとても便利な言葉です。ですから、テキストでのやりとりでも「kinda」と書いてしまって構いません。もちろん、発音も「カインダ」のように、そのままを発音してOKです。
ただし、ビジネスメールなどの際に、予測変換でうっかりkindaとしてしまわないように、気をつけてくださいね。
3.kindaを使った例文集
上記でいくつか簡単なkindaおよびkind ofを使った例文を紹介しましたが、もう少しkindaを使った例文を見て、使い方やニュアンスを掴んでみましょう。
例文1
It’s kinda like Mexican food, but not quite.
(それはちょっとメキシコ料理みたいなんだけど、ちょっと違うんだ)
この、kinda like、もしくはkind of likeという表現は、本当によく使います。It’s like Mexican foodとしても「それはメキシコ料理みたい」という意味になりますが、kind ofをつけることで、メキシコ料理っぽさがやや薄まります。
例文2
I was kinda sad to see him like that.
(あんな彼を見るのは、ちょっと悲しかった)
kindaは、このように感情を表現するときに、少し意味を和らげるのにも使えます。「悲しかった」と断言するほどではないけれど、「なんだか悲しい」「ちょっと悲しい」なんてときには、kindaもしくはkind ofをつけると良いでしょう。
もちろん、sadだけではなく、happyなどのポジティブな言葉にも使えます。
例文3
It’s kinda funny how he’s behaving.
(彼の振る舞いはちょっと面白いね)
funnyやstrangeといった形容詞にはkindaをつけることが多いです。funnyと言い切るほどでもないけど、ちょっと面白いなんてときには、とても便利ですね。
もちろん、beautifulやprettyなど、見た目の話をするときにも使えますし、coolやniceといった言葉にもくっつけることができます。
例文4
She’s my kinda girl.
(彼女は僕のタイプの女性だ)
さて、この例文は今回ご紹介している「ちょっと」「なんか」などの意味を持つkindaとは違う使い方です。日本語訳を見てもわかるとおり、「種類」や「タイプ」を表すkind ofの短縮系ですね。
種類やタイプを表す場合は、あまり「kinda」を使わないのですが、全く使わないというわけではありません。語感的に不自然さがなく、カジュアルな会話の中でなら、種類を表すkind ofもkindaと発音されます。
使用頻度は、「ちょっと」の意味のkindaよりは圧倒的に低いのですが、こちらも覚えておくと良いでしょう。ちなみにこの用法でkindaと短縮系にした場合は、スラングとなり、カジュアルシーンのみでしか使えません。
4.kindaに似た表現
前述のとおり、kindaは連発しすぎるとあまり良い印象を与えません。ですから、kindaに似た表現も覚えておけると良いですね。
ここからは、kindaのかわりに使えそうな表現を集めてみました。
sorta/sort of
sort ofの短縮系であるsortaは、kindaの言い換え表現として使える言葉です。意味もkinda、もしくはkind ofと同じですから、kindaを使いすぎていると感じたら、sortaに言い換えると良いでしょう。例えばこんな感じです。
He’s sorta(sort of) annoying.(彼はちょっと鬱陶しい)
ただし、sortaもkindaと同様、使いすぎるとあまり良い印象を与えませんから、適度に使ってくださいね。
a bit/a little
「少し」「ちょっと」を意味するa bitおよびa littleも、kindaのような使い方ができます。程度があやふやなkindaに比べると、「少し」「ちょっと」と意味は限定されますが、かえって使いやすいかもしれませんね。
たとえばこんな感じです。
It’s a bit like Mexican food.(ちょっとメキシコ料理っぽいんだ)
It’s a little cold today.(今日はちょっと寒いね)
rather
ratherは「かなり」「少々」とさまざまな意味を持つ単語です。使いどころによっては、kindaのかわりとして機能しますが、ニュアンスは異なりますから、ぴったりなシチュエーションを選んで使ってみましょう。
例えばこんな感じです。
This was rather a good film.(これはまあまあ良い映画だった)
ちなみにこの使い方のratherはイギリス英語でよく使われる表現です。
5.kindaを上手に使いこなそう!
文中でもご紹介しているとおり、kindaは日常英会話の中で非常によく出てくる表現です。しかし、意味がちょっと微妙なため、ニュアンスを掴むまでは使いこなすのは難しいかもしれません。
ネイティブが使っている場面に注目したり、自分でも使ってみたりしながら、上手に使いこなせるようになるといいですね。