少し前まで、引きこもりのことを略して「ヒッキー」と呼んでいる人たちがいたのですが、英語ではまったく異なる意味のスラングであることをご存知ですか。
また、宇多田ヒカルが「ヒッキー」というニックネームを持っていることで、単語を聞いたことがある方も多いと思います。
英語の「Hickey(ヒッキー)」には、恋愛の場面でたびたび使われるスラングの意味が含まれているので、詳しく理解を深めてネイティブとの会話で使ってみましょう。
この記事では、「Hickey(ヒッキー)」の意味・例文、恋愛で使える英語のスラング、恋愛関係を意味するフレーズについてまとめました。
気になる方はぜひ最後までご覧ください。
1.「Hickey(ヒッキー)」の意味・例文
「Hicky(ヒッキー)には、以下の2つの意味があります。
- キスマーク
- 名前を知らないもの
それぞれの意味について解説します。
「Hickey(ヒッキー)」の意味①キスマーク
「Hickey(ヒッキー)」が持つ1つ目のスラングは、皮膚を吸ったり噛んだりしたことでできるアザや内出血のことを指しています。
日本語では「キスマーク」と呼ぶことが多いですが、あくまで和製英語なので、そのままキスマークと言っても英語圏の人たちには意味が伝わりません。
「Hickey(ヒッキー)」の意味②名前を知らないもの
「Hickey(ヒッキー)」のほか、話言葉やスラングとして、名前を知らないものや、明確に思い出せないものに対して使うケースもあります。
ただし、最近ではキスマークを意味するのが主流になりつつあり、名前を思い出せないものに対しては「Doohikey」が使われることが多いです。
宇多田ヒカルが「ヒッキー」と呼ばれている理由
日本の歌姫・宇多田ヒカルさんが「ヒッキー」という愛称で呼ばれているのはなぜでしょう。
宇多田ヒカルさん本人がインタビューで以下のように答えていました。
ニューヨーク在住の幼少期、周りの友達が日本語の名前の「ヒカル」の発音ができず「ヒラクー」などの間違った呼び方をされていました。 あるとき、ニックネームをつけようとなり、友だちの一人が「ヒカップはどう?」と提案されしばらくは、ヒカップでした。 その後、「ヒッキーは?」と言われたけど、当時はヒッキーの意味がわかっておらずニックネームで呼ばれていたけど、今思えばかわいいと思います。 |
当時、英語圏の友だちは「Hickey(ヒッキー)」の意味を理解したうえで、宇多田ヒカルさんのニックネームを考えたことになります。
本人は意味を理解しておらず幼少期を過ごしていましたが、大人になって振り返ったときに良い思い出として笑えているので素敵です。
ちなみに宇多田ヒカルさんのニックネームになったヒッキーの綴りは「Hikki」です。
「Hickey(ヒッキー)」の例文
ここからは「Hickey(ヒッキー)」の例文についてみていきましょう。
- Is that hickey?(それってキスマーク?)
- It’s not a hickey.(これはキスマークじゃないんだからね。)
- Is it hickey or bruise?(それはキスマーク?それともあざ?)
海外ドラマや洋画の使われ方をみていると「キスマークじゃなくてアザだよ」と誤魔化すのは世界共通のようです。
実際に『フレンズ』『グリー』などの海外ドラマで「Hickey(ヒッキー)」が使われているシーンがあるので、ぜひ英語の勉強のついでに探してみてください。
ケイティー・ペリーの「Last Friday Night.(T.G.I.F)」でも「Hickey(ヒッキー)」が登場します。
例文で紹介したのとよく似た「This is a hickey or bruise?(これはキースマークなのかアザなのか…?)」と言っています。
2.恋愛的な意味を持つ英語のスラング
「Hickey(ヒッキー)」のように恋愛の場面で使える英語のスラングについてまとめています。
- bae
- wingman/wingwoman
- mr.right
- Netflix and chill
- hook up
- dump
- ghosting
- cheat on
- thirsty
それぞれのスラングの意味について解説します。
bae
「bae」は、「before anyone else(誰よりも最優先に)」を意味する恋人の愛称です。
同じく恋人に対する愛称である「baby」とよく似ているので、同じようなニュアンスで使うことができます。
最近では男性が女性に対して「baby」と使うのは、下に見ているようで不適切だと認識されるようになり、代わりに「bae」を使う機会が増えています。
wingman/wingwoman
「wingman/wingwoman」は、恋愛をサポートする立場にある人を指すスラングです。
日本語では「恋のキューピット」などと呼ばれています。
男性の場合「wingman」と呼び、女性の場合「wingwoman」と呼ぶのが一般的です。
mr.right
「mr.right」は、自分にとって理想が100%当てはまっている完璧な人に対して使うスラングです。
目の前に自分にとって完璧な人が現れたときのほか、そんな人を待っているというニュアンスでも使うことができます。
Netflix and chill
「Netflix and chill」は、「ネットフリックスを見ながらゆっくりしよう」という誘いで、裏には性的な意味が含まれています。
実際に映画をみて楽しむおうちデートとは少し異なるので、性的な関係を持つ気がない場合は、はっきりと断らなければなりません。
日本でも「家飲みする?」「お茶でもどう?」などと家に誘うことがあるように、英語圏では「Netflix and chill」が家に誘う決まり文句になっています。
hook up
「hook up」は、ワンナイトやオープンリレーションシップを意味するスラングです。
恋愛要素は薄く、その場で肉体関係を持つだけのカジュアルな関係性に納得している場合のみに使えます。
英語圏のマッチングアプリでは「friend(友達)」「serious relationship(真剣な交際)」などのほか、「hook up(カジュアルな関係)などの選択ができます。
dump
「dump」は、恋人関係にあるふたりのどちらか1人が一方的に関係を終わらせたり、拒絶するときに使うスラングです。
相手を捨てるという意味があるので、「どちらかの不満が爆発して一方的にフラれた時」「突然別れを切り出された時」などに使います。
話し合いをしたり、前向きな理由で別れたのであれば「break up」を使いましょう。
ghosting
「ghosting」は、突然連絡が途絶えたり、一方的に無視されて関係が終わってしまった時に使うスラングです。
「ghost(ゴースト)」を直訳するとお化けになるため、お化けのように突然消え去ってしまったシチュエーションで使われます。
おもにマッチングアプリやSNSなどで出会い、楽しく会話をしていたはずなのに、前触れもなく終わってしまう時などが適切です。
cheat on
「cheat on」は、浮気を意味するスラングです。
恋人を一方的に傷つけたり、裏切るような行為をした人に対して使います。
3.恋愛関係を意味する英語のフレーズ
大人になるほど複雑になる恋愛関係について、より的確に説明できるようになりたい方に向けて、関係性を意味する英語のフレーズについてまとめました。
- Goo-goo Eyes
- Apple of One’s Eye
- Puppy Love
- Head Over Heels
- Canoodle
- Main Squeeze
それぞれのフレーズについて解説します。
Goo-goo Eyes
「Goo-goo Eyes」は、互いに深く愛し合っている関係性を表すフレーズです。
恋人関係に発展する前であっても、恋人や夫婦であっても、深く愛し合っているパートナーは、互いを愛おしそうに見つめ合う場面があるでしょう。
「恋人かどうか」「結婚しているかどうか」などふたりの正式な関係性とは関係なく、ふたりが深く愛し合い、見つめ合う関係であれば「goo-goo Eyes」を使ってみてください。
ちなみにGoo-gooは小さい子どもや赤ちゃんと話すときにも使われることがあります。
実際に「Babe」「Honey」など恋人と赤ん坊を同じ愛称で呼ぶように、子どもを愛する無性の愛に近い関係性を意味します。
Apple of One’s Eye
「Apple of One’s Eye」は、目の中を入れても痛く感じないほど愛しているという意味のフレーズです。
「One’s」の部分には「my」「your」「his」「her」など誰かを溺愛している人に適した人称代名詞を当てはめて使ってください。
子どもや孫を溺愛する人に対して「目に入れても痛くない」という日本語のことわざがあるとおり、英語圏でも似たような意味を持つ言葉が存在していました。
「目に入れても痛くない」は主に大人が子どもに対して使いますが、「Apple of One’s Eye」は、子どものほかに恋人や好きな人にも使える点が異なります。
ちなみにここでいう「Apple」はりんごのことではなく、りんごが丸いため「瞳」を意味する言葉です。
Puppy Love
「Puppy Love」は、初恋や幼少期から思春期にかけて若い頃にした恋愛を意味するフレーズです。
子犬を意味する「Puppy」は意味には大きく関与しておらず、人間が子犬に抱く純粋に癒される気持ちやかわいくて仕方がない気持ちを表しています。
この言葉が流行ったのは「Puppy Love」というタイトルの歌が発表されたことがきっかけです。
人気になった結果、ディズニー映画『101匹わんちゃん』のサウンドトラックにも採用されました。
大人の恋愛とは違った純粋無垢な恋愛をしていたことを振り返る場面などで使ってみましょう。
Head Over Heels
「head Over Heels」は、その人と出会って人生が180度変わったことを意味するフレーズです。
運命的な出会いをしたり、心の底から好きな人ができると、今までの人生とはまったく異なる喜びや幸せを感じられるのではないでしょうか。
仕事や趣味などほかのことに手がつかなくなるほど夢中になる人に出会ったときに使ってみましょう。
また、恋愛以外にも子どもが何かにワクワクして大はしゃぎしている場面でも使うことができるフレーズです。
Canoodle
「Canoodle」は、バカップルを意味するフレーズです。
公共の場所でもいちゃついたり、周りの様子を気にすることなく大きな声で愛の言葉を囁きあっていたり、痛々しいカップルに対して使われるケースが多いです。
日本と比べて海外では恋人同士のスキンシップがオープンだといわれていますが、電車やバス、小さな子どもたちがいる場所で大胆なスキンシップをするのはマナー違反です。
節度を持って交際できていないと「Canoodle」のように周りから冷ややかな視線を受ける可能性があるので注意しましょう。
Main Squeeze
「Main Squeeze」は、恋人・彼氏・彼女を意味するフレーズです。
「girl friend」「boy friend」「wife」「husband」と比べるとインフォーマルな言い方であり、仲の良い間柄の会話でしか使いません。
やや下品なニュアンスも含まれているので、女性が使うケースは稀です。
テキストで「Main Squeeze」を使うケースはほとんどないので、会話の中で使ってみてください。
ちなみに「Main Squeeze」のほか、「Squeeze」のみでも同じ意味で使えます。
4.まとめ
この記事では、「Hickey(ヒッキー)」の意味と例文についてお伝えしました。
直訳すると「名前のわからないもの」を指す言葉ですが、最近では「キスマーク」の意味を持つスラングとして使われるようになりました。
洋画や海外ドラマでも頻繁に使われており、 宇多田ヒカルさんのニックネームで「Hickey(ヒッキー)」という単語を知った方も多いでしょう。
「Hickey(ヒッキー)」のほかに使える恋愛に関する英語スラングと、恋愛関係を表す英語フレーズも一緒にまとめています。
ネイティブの人たちと会話をする中で、仲良くなればお互いの恋愛事情について話す機会も出てくるでしょう。
スムーズに会話ができるよういくつかの単語を覚えておくと便利です。