英語圏のネイティブとの会話や洋画、洋楽などで「hick(ヒック)」という英単語を聞いて、どのような意味を持つのか気になっている方も多いでしょう。
この記事では「hick(ヒック)」の意味と例文、洋画と洋楽の例を出してスラングの理解を深めるための解説をします。
また2023年に若者を中心に流行している英語の最新スラングについてもまとめています。
大人でも意味を知っていて損はないので、ぜひチェックしてみてください。
1.「hick(ヒック)」の意味と例文
「hick(ヒック)」について理解を深めるために、意味と例文を見ていきましょう。
「hick(ヒック)」の意味
「hick(ヒック)」は「田舎者」を意味するスラングです。
そのほか、固有名詞以外であれば「田舎くさい」のようなニュアンスで相手を蔑む表現として使われるケースもあります。
洋服、メイク、髪型など見た目が垢抜けていなかったり、内気で社交性が足りないときに、「田舎出身っぽいね」「田舎くさいね」などの意味で使われます。
相手を喜ばせるような表現ではないので使う相手やシチュエーションには気をつけましょう。
「hick(ヒック)」の例文
「hick(ヒック)」の例文は、以下のとおりです。
- he probably thought i was a hick.(彼は私のことを田舎者だと思ってるだろうな)
- You must think she was the biggest hick you’ve ever seen.(あなた、彼女に対して田舎臭いって思ったでしょ)
- Actually, I was referring to the fact that he’s so sophisticated and I am such a hick.(本当は彼がすごく洗練されてるって言いたかったのに、言葉をミスった)
SNSやマッチングアプリでのやり取り、パーティーなど社交場での第一印象などを話すときなどに、相手の不満を表現する方法として使うことができます。
もしくは、自分がダサい言動をしたとき「田舎くさいこと言っちゃった」のように自虐的な意味を込めて「hick(ヒック)」を使うこともできます。
「hick(ヒック)」以外で“田舎者”を意味する英単語は?
田舎者という言葉は「hick(ヒック)」を含めてネガティブなニュアンスになることが多いです。
純粋に田舎出身の人という意味の英語を使いたいのであれば「someone from a rural area(田舎出身の人)」のようなフレーズを使うと角が立ちません。
「rural(田舎)」という単語も避けたいのであれば「country side(地方)」を使うと、よりオブラートな表現方法です。
そのほか、「hick(ヒック)」のように“田舎者”を意味する英単語には、以下のようなものがあります。
- backwater person
- brush ape
- bushy
- chuff
- cornball
- country bumpkin
- gaffer goofus
- piasano
- peasant
- plow jockey
- shepshagger
- yahoo
- wool-hat
- woodhick
- woodchuck
これらの英単語は「hick(ヒック)」同様に軽蔑的なニュアンスが含まれているので、初対面の人や親しくない相手には使わないようにしましょう。
また、ビジネスやファミリーで集まるようなオフィシャルの場でも不適切です。
紹介したもののほか、「dink(ベトナム戦争時に北ベトナム軍兵士を指していたスラング)」や「shitkicker(馬や牛を飼っていてフンを踏んだり蹴ったりする人を指すスラング)などもあります。
ただし、どちらも侮辱的な意味があるので、よほど大きな喧嘩やトラブルに発展しない限り聴くことのない単語でしょう。
「hick(ヒック)」の対語になる“都会人”はなんていう?
「田舎者」を意味する英単語は「hick(ヒック)」のほかにたくさんあると分かりましたが、真逆の意味になる「都会人」はどのような英単語が使われているのでしょうか。
まず一般的に用いられる表現が「city girl」「city boy」「city kid」です。
都会を意味する「city」の後に、ボーイ、ガール、キッズ、マン、レディーなどふさわしい人称をつけるだけで意味が完成します。
そのほか、以下のような表現方法もあります。
- metropolitan
- urban child
「metropolitan」はアメリカのメトロポリタンミュージアムがニューヨークにあるためアメリカ人は、ニューヨーカーを意味する言葉として使います。
一方、イギリス英語ではイギリス最大の都市であるロンドンに在住している人たちを意味する言葉として「metropolitan」を使っています。
また、都会を意味する「urban」のあとに「city」同様に人称をつけると「都会の⚪︎⚪︎」という意味で成り立ちます。
2.洋画「hick」について
日本で2012年に公開されたアメリカ映画『HICK ルリ13歳の旅』は、アメリカ中西部の荒れ果てた農村で生まれ育った13歳の少女を主人公にした映画です。
主人公の少女・ルリは、問題を抱えている両親から十分な愛情を注いでもらえず、友達もいない孤独な日々を送ります。
そんなある日、突然両親が姿を消して、ルリの家に帰ってこなくなるのでした。
ひとりぼっちで取り残されたルリは、誕生日プレゼントでもらった一丁の拳銃を持って憧れのラスベガスに旅立つ物語を描いています。
タイトルにある「HICK」とは、田舎町で育ったルリを意味する言葉です。
アメリカ人作家のアンドレア・ポーテスの原作小説をもとに、『キック・アス』『キャシー』などで知られるクロエ・グレース・モレッツが主演を務めました。
ブレイク・ライブリー、エディ・レッドメインなど豪華なキャスティングも注目ポイントのひとつです。
実際に予告動画を見てみると、冒頭から田舎っぽさが演出されており、まさに映画のタイトルにぴったりであると言えるでしょう。
3.英語圏で使われている最新スラングまとめ
「hick(ヒック)」についてお伝えしたところで、続いては2023年に英語圏の若者たちを中心に流行っているスラングについてリサーチしました。
おもにティックトックを中心に若者たちが新しいスラングを生み出しているようなのですが、どのようなものがあるのかを見ていきましょう。
- It’s giving
- Era
- Iykyk
- slay
- gatekeep
- situationship
それぞれの意味について解説します。
It’s giving
「It’s giving」は、「いいね」「最高」「雰囲気があるね」などポジティブに褒めたいときに使えるスラングです。
- It’s giving me life(パワーがもらえた)
「t’s giving 〜 vibes.」のように名詞や名詞句を付け足すと、「〜ぽくて良い」という具体的に理由を添えて褒めることができます
- It’s giving 90s vibes.(90年代を感じられる)
- It’s ging life(めっちゃ楽しい)
- It’s definitely giving barbie.(バービーっぽい)
基本的にはポジティブなニュアンスとお伝えしていますが「It’s giving me bad vibes.(やな感じだわ)」のようにネガティブなニュアンスでも使うことができます。
Era
もともとは暦や時代を意味する「era」は、最近スラングで「夢中になっている人・もの」「世間を熱狂させている人・もの」に使われるようになりました。
テイラー・スウィフトのツアーネームが「Era tour」で話題にもなっていますが、最前線を走っている勢いのある流行や話題性のあるものに対して使います。
- BTS era(BTSの時代だ)
- Samurai blue did so well in today’s game. Japan era is coming.(サムライブルーが強すぎる、日本無双期きた!)
このようにアーティストやスポーツ選手など、特定の何かを褒めるときや、夢中になっていることに対して「era」で表現するのが流行りです。
実際にインスタグラムなどでは「⚪︎era」のようなコメントで溢れていることも多いです。
手軽に使えて、かつ自分がハマっていることを表現できる単語として活用してみてください。
Iykyk
「Iykyk」は「If you know, you know(知る人ぞ知る)」を意味するスラングです。
SNSのハッシュタグでも「#IYKYK」は多くポスティングされています。
仲の良い友達だけが知っていることや、意味深な写真とともにハッシュタグをつけて特定の人に向けたメッセージにするなどの使い方が流行しているのです。
同じような意味で以下のようなフレーズもあります。
- Do you feel me?
- Are we on the same page?
- Either you get it, or you don’t.
ポジティブな意味で友人間のシークレットメッセージとして楽しんだり、特定の好きな人などに対してアピールをする手段で使われることも多いです。
一方、いじめのようなネガティブな使われ方もしているので、誰かが傷つくようなハッシュタグの使い方は控えましょう。
slay
「slay」は、「すごい」「最高」「かっこいい」などを意味するスラングです。
- Damn, you have slayed that goal.(やばすぎ、あのゴールはカッコ良すぎるよ)
- You are always slay me.(いつも笑わせてくれるよね)
直訳すると昔の言葉で「殺す」の意味がありますが、最近ではネガティブな言葉を逆にポジティブな意味として使うスラングが流行っています。
日本語でも嬉しいのに「泣ける」と言ったり、笑いすぎて「死にそう」と言ったり、本来の意味とは異なる使われ方をしている言葉はたくさんあります。
同じように英語圏でも本来の意味とは異なる使われ方がされるようになり、そのうちの代表例が「slay」です。
gatekeep
「gatekeep」は、プライバシーを重んじることに対して使うスラングです。
もともとは「門番」を意味する言葉ですが、SNSが発達して誰もがソーシャルメディアを扱う時代の中で、とくにプライバシー管理が徹底している人に対して使う言葉です。
アイコンの写真をつけていなかったり、SNSアカウントは最低限の友達のみと繋がっているなど、周りにもプライバシーを重んじている人はいるのではないでしょうか。
さまざまなことがオープンになりつつある時代で、リスクマネジメントをしている人に対して使ってみてください。
situationship
「situationship」は、カジュアルに付き合うことを意味するスラングです。
真剣な交際をするのであれば「Relationship(リレーションシップ)」といいます。
日本語の「ワンナイト」「セフレ」と意味合いはよく似ています。
基本的にはお互いの利害が一致している前提ですが、場合によっては片方は「situationship」だと思っていないこともあるのでトラブルに発展する可能性も高いです。
4.まとめ
この記事では「hick」の意味と例文、「hick」がタイトルに使われている映画について解説しました。
「hick」は「田舎者」という意味があり、やや蔑んだニュアンスが含まれているので、相手に失礼がない表現をしたいのであれば「someone form countryside」が良いでしょう。
そのほか、ティックトックを中心に流行っている英語の最新スラングについてもまとめています。
日本語と同様にスラングの流行は移り変わりが早いため、常に最新情報をキャッチして古い言葉からアップデートすることが大切です。