外国人とオンラインゲームをしていて唐突に「GIT GUD!!!」とメッセージを受信して、意味がわからず困惑した経験のある方は多いでしょう。
「GIT GUD」はそれぞれの単語に具体的な意味は持ち合わせていないので英語のスラングを知らなければ理解できない単語です。
この記事では、英語圏の中でもおもにゲーマーたちの間で使われている英語スラング「GIT GUD」について意味や使い方について解説します。
また「GIT GUD」と一緒に覚えておくとメッセージのやり取りがスムーズになったり、ぐっと距離を縮められるオンラインゲームのスラングも紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。
1.「git gud」の意味とは?
「git gud」は、英語をしっかりと勉強している人でも聞き慣れない単語が並んでいますが、「get good」を砕けた言い方に変えた英語スラングです。
「get good」には「上達する」「上手くなる」という成長する過程を表現する意味があります。
しかし「git gud」と言葉を砕いた表現にすると、「もっと上手にやれ」「腕を磨け」などやや命令口調のニュアンスに変わるのがポイントです。
おもにオンラインゲーム界隈で多用されており、プレイが下手な人に対して冗談でバカにしてみたり、足を引っ張るプレイヤーに罵るために使われたりします。
「git gud」が使われるようになった背景
「git gud」が使われるようになった背景をさかのぼると、オンラインのビデオゲームが普及しはじめた2009年になります。
オンラインのビデオゲームが提供されはじめた時期に、すでに「git gud」という英語スラングが誕生していました。
その後、2016年あたりにオンラインゲームが一気に人気を集めたことで、「git gud」を含む数多くのネットスラングが使われるようになりました。
現在では、オンラインのビデオゲームの枠を超えて一般的なオンラインチャットでも使われる機会が増えています。
「git gud」の使い方
実際に「git gud」がどのように使われているのか例文と一緒に見ていきましょう。
- Stop complaining and git gud.(文句言ってないで上達させなよ)
- You haven’t played in ages and I’m trying to git gud, Any advice?(ゲームしてない期間が長すぎたので上手くなりたいんだよね、アドバイスある?)
- What is the best way to git gud?(プロ級になるために1番手っ取り早い方法って何?)
単体で使うこともできますが、前後の文脈に合わせて使用すればさらに汎用性が高くなるのがポイントです。
2.オンラインゲームで使える英語スラング
ここからは、「git gud」同様にオンラインゲームによって普及した英語のネットスラングを紹介します。
AFK(Away from keybords)
「AFK(Away form key bords)」は、「ちょっと離脱するね(キーボードから離れます)」を意味するネットスラングです。
- I am going afk, my dinner is ready.(夕食ができたら離脱するね)
- Has he gone afk in the middle of a raid?(あいつ、襲撃中に抜けたの?)
- I’ll be afk until the exam season passes.(テスト期間が終わるまでは浮上しない)
直訳された文章を見たらわかるとおり、「キーボードから離れる=ゲームに参加しない」となります。
ゲームに限らず、複数人でリアルタイムでオンラインチャットを楽しんでいるときなど一人だけ抜けたいときに使えます。
GLHF(Good luck have fun)
「GLHF(Good luck have fun)」は、「楽しもう」を意味するネットスラングです。
基本的にはマルチプルプレーをするときや対戦するときなどにゲーマーがほかのゲーマーに使う言葉ですが、必ずいう必要はありません。
襲撃やサバイバル系であれば、「楽しもう」というより「やってやる」という感情が湧きやすいので、「GLHF」を使うと弱そうと思われてしまうかもしれません。
ただし、はじめてのプレイヤーが登場したときや、勝ちよりも一緒に成し遂げるチームプレイを重視するときなどに使うと良い印象を与えられます。
緊張している人をリラックスさせる効果もあるので使い分けてみましょう。
GTG(Gotta to go)
「GTG(Gotta to go)」は、「(ゲーム・プレイを)抜けるね」を意味するネットスラングです。
- GTG, I have a train to catch.(電車に乗らないとだから離脱する)
- Sorry, I have to wake up early tomorrow, gtg.(ごめん、明日早く起きないとだから抜けるね)
- GTG, bye for now.(ここで離脱する、じゃあね)
オンラインゲームやオンラインチャットをしていると、ついつい時間を忘れて楽しんでしまい、ゲームを途中で抜けなければならないこともあるでしょう。
黙って抜けることもできますが、一緒にプレイしている人たちに失礼になるので、抜けるときは一言残すと親切です。
そんなときに便利なのが「GTG」や「AFK」です。
「AFK」はしばしキーボードを離れると言う意味ですので一時的にゲームを離れるときに使いますが、「GTG」は戻ってこないことを意味します。
「もう寝る」「学校・仕事に行く」「やることがある」などでその日は戻る予定がないときに使うのが最適です。
BRB(Be right back)
「BRB(be right back)」は、「すぐ戻るから」を意味するネットスラングです。
- I have to take this call, BRB.(この電話に出ないといけないから一瞬抜けるね)
- I’m going to take a shower, brb(シャワー浴びてくる)
- Hold that though brb.(ちょっと抜けるから考えておいて)
ゲームを抜けると言う意味のネットスラングは「AFK」「GTG」と紹介してきましたが、「BRB」は3つの中でも離脱時間が1番短いときに使えます。
「AFK」とはほぼ時間軸は同じと考えて問題ありません。
言い方の違いなだけですので、3つ覚えてご自身の気分で使い分けてみてください。
RTS(Real time strategy)
「RTS(Real time strategy)」は、「リアルタイムストラテジー」を意味するネットスラングです。
リアルタイムストラテジーはeスポーツを代表する競技の一つで、双方のプレイヤーがリアルタイムに進行する時間に対応して戦略を立てながら敵と戦います。
日本国内でプレイされているリアルタイムストラテジーといえば「三國志 真戦」「ロードモバイル」「獅子の如く〜戦国覇王戦記〜」などが挙げられます。
3.英語スラングを使用する際の注意点
英語スラングを使用する際の注意点は、以下のとおりです。
- 英語圏のネイティブがみんなスラングを知っているとは限らない
- 英語スラングの背景を理解して使わないとトラブルになる
- ビジネスシーンや初対面では不適切
それぞれの注意点について解説します。
英語圏のネイティブがみんなスラングを知ってるとは限らない
日本語のネットスラングも一部の若者の間やネット界隈のみで多用されている言葉が多くあるとおり、英語のスラングもすべてのネイティブスピーカーが理解できるわけではありません。
オンラインチャットやオンラインゲームで相手がどんな英語スラングを使う人なのか確認してから、ご自身でも英語スラングを取り入れてみましょう。
また、英語力が足りなくても英語のスラングを使うこと自体は問題ありませんが、文法やボキャブラリーが間違っていると英語スラングも理解されにくい可能性があります。
「git gud」のようにやや強い意味合いを持つ英語スラングほど、文脈が大切です。
英語力に自信がないときは、難しい英語スラングをできるだけ避けて、まずはシンプルな英語スラングから使って慣れていくのが最適です。
英語スラングの背景を理解して使わないとトラブルになる
英語スラングは有名なものからマイナーなものまでありますが、映画やドラマで多用されていても一般的には使ってはいけないものがいくつか潜んでいます。
たとえば、ブラックミュージックや黒人コミュニティーの間で頻繁に使われている「Nigga(ニガー)」は、黒人以外の人種が使うのはタブーです。
歌詞やセリフで「What’s up nigga!」「Yo, NIgga!」と聞いたことがある方も多いでしょう。
しかし、この「Nigga」を英語圏で黒人以外が使った場合、会社をクビになったり学校を退学・謹慎処分になる可能性があります。
フレンドリーなニュアンスで発したとしても、相手から暴力を振るわれて大きな怪我を負っても、同情してもらえないでしょう。
というもの、「Nigga」という言葉は「Nigger」が原形で、白人が奴隷の黒人や立場的に下の黒人を呼ぶときに使われていました。
そのため、ほかの人種の人が黒人に対して「Nigga」を使うのと黒人同士が「NIgga」を使うのではまったく意味が異なるのです。
このように英語スラングでは、頻繁に使われているけれどバックグラウンド上、禁句の言葉もあるのでしっかりと背景を理解してから使ってみましょう。
ビジネスシーンや初対面では不適切
原則、英語のスラングはビジネスシーンや初対面では使ってはいけません。
英語のスラングを使えば、「ネイティブスピーカーたちとの距離が縮まる」というのは間違いではないものの、シチュエーションは重要です。
たとえば、日本語の「りょ」「おけ」などの言葉も友達同士であれば何の問題もありません。
家族間であっても関係性次第で問題になることはありません。
しかし、上司や学校の先生、はじめてあった人に使うと相手はどう感じるでしょうか。
日本人でもスラングを使うのは「だらしがない」「下品」「子どもっぽい」などネガティブに考える人がいるように英語圏でも同じような考えを持つ人は多いです。
英語のスラングを使っただけで相手からの印象を悪くするのはもったいないです。
まずは関係性を構築して、英語のスラングを使っても問題ないだろうという人に使うようにしましょう。
4.まとめ
この記事では、「git gud」の意味と使い方についてお伝えしました。
結論として、「git gud」には「get good」の意味が込められており、オンラインゲームで「もっと上手にやれよ」「腕を磨けよ」というニュアンスで使われています。
もともとの言葉の意味から徐々に強いニュアンスに変わっているので、使い方には注意が必要な英語のスラングです。
ほかの文章などを織り交ぜながらマイルドな表現に変えたり、相手を不快にさせないようなフォローアップをしながら使ってみてください。
また、「git gud」同様にオンラインゲームをする英語圏のネイティブスピーカーたちが使う英語スラングも紹介しました。