インターネット上のやりとりで「ファンボ」という言葉を見たことがないでしょうか。見たことがある人は、ひょっとすると「ファンボってなんだろう?」と疑問に思っているかもしれませんね。
日本語でも使われる「ファンボ」は実は英語由来の言葉で、その元となっている英単語は、英語の会話の中でも使われています。
この記事ではそんな「ファンボ」の意味や使い方をご紹介していきます。特に英語のスラングに興味がある人はぜひ参考にしてくださいね。
【目次】
1.ファンボってなんのこと?
「ファンボ」という言葉は、主にインターネットのやりとりで見られる言葉です。ゲーム配信やアニメに関する話などで見かけたことがあるかもしれませんね。
日本語の「ファンボ」はそうしたアニメやゲームといったサブカルチャーにおける会話の中で表れます。
しかし元々このファンボは、英語のスラングを略したものなのです。では、一体ファンボとはどういう意味なのでしょうか。
ファンボとはfanboyの略
日本語で使われる「ファンボ」はfanboyという英単語の略です。「ファンボーイ」と発音するので、「ファンボ」と略されているのですね。
ではfanboyはどういう意味かというと、何か・誰かに熱狂・熱中している人や、何か根を詰めて好きなものがある人のことを言います。
ケンブリッジ英英辞典でもfanboyの意味を見てみましょう。
a boy or young man who is a fan of someone or something such as an actor, a type of music, a piece of technology, etc.
(俳優、音楽、技術など、誰かまたは何かのファンである少年または青年。)
引用元:https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/fanboy
ケンブリッジ英英辞典を見ると「誰かまたは何かのファンである」となっているため、それほど熱中・熱狂感を感じないかもしれませんね。しかし、実際には、fanboyはただファンであるだけではなく、もう少し熱い気持ちが入った感じの言葉です。
女性の場合はfangirl=ファンガ
fanboyというのは、文字通り若い男性に使う言葉です。では女性の場合はどうなるかというと、fangirlとなります。意味も同じで、日本語では「ファンガ」と略されます。
何かや誰かに熱狂するのは男性だけではなく女性も同じことですから、こちらの言葉も覚えておくと良いでしょう。
Fanboy/Fangirlという言葉のニュアンス
ファンボやファンガというと、語感的にちょっとオシャレな感じがするかもしれませんが、英語のfanboy/fangirlという言葉は、ちょっと侮蔑的なニュアンスを持つスラングです。
口汚く罵る系の言葉ではないものの、ちょっとバカにしているようなニュアンスが加わります。日本語で言うなら、「オタク」という言葉に近いかもしれません。オタクという言葉を、ちょっと侮蔑的な意味に捉えている人もいますよね。
ですから、fanboyやfangirlという言葉は、ポジティブな言葉ではなく、ネガティブなニュアンスを持つことを覚えておきましょう。
2.Fanboy/Fangirlの使い方
ここからは、fanboy/fangirlが文中でどのように使われているのか、例文を用いてご紹介します。
例文1:
Having thousands of mangas? You are such a fanboy!
(マンガを何千冊も持ってるって?さすがオタクだな!)
例文2:
She’s a Bruno Mars fangirl. She even travels to the US for his concert!
(彼女はブルーノ・マーズの大ファンなんだ。ブルーノ・マーズのコンサートのためにアメリカに行くほどだよ!)
例文3:
She went fangirl on the anime after seeing that.
(そのアニメを見てから、彼女はすっかりファンになった。)
例文のように、fanboy/fangirlという言葉は、対象物のあとにつけることで「〇〇オタク」「〇〇ファン」となります。また、fanboy/fangirlという言葉は名詞ですから、文中では基本的に冠詞をつけましょう。
日本語訳では「大ファン」のようにしているところもありますが、オタクと言ってるように捉えれば、ちょっとバカにしていたり、「やれやれ」と思っていたりするのが伝わるでしょうか。
3.Fanboy/Fangirlを使うときの注意点
今回ご紹介しているfanboy/fangirlという言葉はちょっと特殊なスラングですから、使うときには注意が必要です。ここからは、そんな注意点を解説していきます。
日本語の「ファンボ」には別の意味もある
日本語で言う「ファンボ」は、実は「〇〇のファン」「〇〇オタク」という意味だけではなく、他の意味もあります。
それは、ファンボックスというクリエイターなどを支援するサービスです。fanboyから来ているファンボも、ファンボックスを略したファンボも、アニメやゲームファンの間でよく使われる言葉のため、どちらの意味なのかは文脈で察する必要があります。
ちなみに英語の場合はこのサービスをFanboxと表記するので、fanboyと混ざることはないでしょう。
侮蔑の意味を含むことに注意
Fanboy/fangirlという言葉は、侮蔑のニュアンスを含んでいることには注意しましょう。軽い意味で「〇〇ファンなんだね」なんて誰かに言いたいときにfanboyやfangirlを使ってしまうと、「バカにされている」「皮肉られている」なんて誤解されかねません。
もしも全く侮蔑も皮肉もこめていないなら、「You really like 〇〇」などのように、普通の表現を使うと良いでしょう。
もちろん、相手と仲が良くてちょっといじる意味で「オタクだなー」と皮肉りたいときには、fanboy/fangirlは適した表現です。
スラングのためカジュアルシーンのみで使うこと
Fanboy/fangirlはスラングですから、使う場面はカジュアルシーンに絞りましょう。
また、たとえカジュアルな場面であっても、あまり親しくない人相手に使うのはおすすめできません。fanboy/fangirlという言葉が侮蔑の意味を持つため、あまり気心がしれていない相手に使うと、トラブルになりかねないからです。
ちなみに、自分に対して「オタクだから」と言いたいときには、fanboy/fangirlを使っても問題ないでしょう。
4.FANBOYSの別の意味
Fanboyという言葉はかなり使いどころが限定されている表現ですが、実はかなり似ている「FANBOYS」という言葉も使われることがあるので、混同してしまわないように注意が必要です。
というのも、この「FANBOYS」はfanboyとは全く違う意味を持つからです。FANBOYSの方は、全部大文字で表記されるため、それを目印にすると良いでしょう。
ではFANBOYSがどういう意味かというと、これは「For, And, Nor, But, Or, So」という良く使われる対等接続詞をひとまとめにした言葉です。主にライティングスキルの話をするときに用いられるため、英語を選考している大学生なら聞いたことがあるかもしれませんね。
ちなみにですが、英語のライティングルールでは、このFANBOYSから文章を始めることはできないとされています。よくButやForから始まる文章を見かけることがあるかもしれませんが、本来これらの接続詞は文章と文章の間に挟むものなのです。
カジュアルなテキストメッセージなどならネイティブでもやっていることなので問題ありませんが、正式なライティングではFANBOYSを文頭に置くと減点されてしまうので、ご注意を。
5.ファンボの原形fanboyはあまり良い意味ではない!使いどころには気をつけて
今回ご紹介したfanboy/fangirlという言葉はあまりポジティブな言葉ではありませんから、使うときには注意が必要です。特に日本語で「ファンボ」「ファンガ」という言葉を気軽に使っている人は、英語でfanboy/fangirlを使う際にはちょっと気をつけた方が良いでしょう。
ネイティブがどのようにfanboy/fangirlを使っているかもチェックしつつ、正しいニュアンスを身につけてみてくださいね。
またファンボやfanboyには、同じ、または似た表記なのに、全く別の意味を持つ言葉もありますから、そちらとも混同させないように注意しましょう。