英語に興味がある人、もしくは英語を学習中の人は「cum」というアルファベットの並びを見たことがあるかもしれませんね。しかしこれは、一般的な英単語のアルファベットの並びではないため、「一体どういう意味だろう?」と疑問に思ったことがある人もいるかもしれません。
そこでこの記事ではcumとは一体なんなのか、その意味や使うときの注意点、語源などをご紹介していきます。割と英語ではよく見かける言葉ですから、知っておいて損はないはずですよ。
1.cumの意味とは?
実はcumには大きくわけると2通り、少し細かくわけると3通りの意味があります。まずは、そんなcumの意味をすべてご紹介します。
comeの略語
cumはcomeの略語として使われています。cumというアルファベットの並びをそのまま口にしてもらうとわかると思いますが、comeと音がよく似ているんですね。
cumはcomeよりも1つアルファベットが少ないですから、cumと書いた方が楽なのは間違いありません。
とは言え、一般的なcomeの使い方で、cumという略語を見ることはほとんどないでしょう。こうした略語はテキストメッセージなどでよく使われますが、cum/comeに関しては、一般的な会話の中ではほとんど使われないと思っても大丈夫です。
たとえば、「Do you wanna come to the party?」と誰かにテキストを送りたいときに「Do u wanna cum to the party?」とはしないということです。する人もいるかもしれませんが、非常に稀ですし、外国人が誤用していることもあります。
下ネタ的な意味で使われる
上記でご説明したとおり、cumはcomeの略語であることは間違いありません。しかし、一般的なcomeの代替えとして使われることがほとんどないのは、cumという略語が下ネタ的な意味で使われる略語だからです。
下ネタ・性的な意味で使われる場合のcumには2つの意味があります。
- 精子・精液
- 絶頂を迎えること
非常に下品な言葉であることがおわかりでしょうか。しかし、これを知っておかなければ、cumを単なるcomeの略語として使ってしまうおそれもあります。
つまり、cumという略語は上記2つの性的な意味で使われることが圧倒的に多く、もしもこの略語を使ってしまうと、性的な意味だと誤解されかねないのです。
またcumは、単に性的なだけではなく、少し過激な雰囲気のあるスラングですから、そうしたニュアンスにも注意しなければなりません。やや強めで下品なスラングであるため、公然と使われることはありませんし、うっかり使ってしまうと相手が不快に思う可能性があることにも注意しましょう。
2つの名詞を繋げる役割
実はcumには、comeとは全く異なるここまでのcumの意味とは打って変わって、一般的な英語としての用法もあります。このcumはcomeとは何の関わりもありません。
まずは例をいくつか見てみましょう。
- iPhone is a phone-cum-music player.
(iPhoneは電話兼音楽プレーヤーだ。) - She is a singer-cum-actress.
(彼女は歌手兼女優です。)
和訳を見ればわかるかと思いますが、名詞と名詞の間に-cum-とつけることで、「〇〇兼××」という意味になるのです。
このcumの使い方はスラングではなく、下品でもありませんから、どんな時でも使って大丈夫です。また、略語でもなくcumが正式な綴りとなります。
ちなみにケンブリッジ英英辞典では、この-cum-の意味について、次のように定義しています。
used to join two nouns, showing that a person or thing does two things or has two purposes; combined with:
(2 つの名詞を結合するのに使用され、ある人や物が2つのことをする、あるいは2つの目的を持っていることを示す)
引用元:Cambridge Dictionary
意味的に、使う頻度は高くないかもしれませんが、こちらの使い方も覚えておくと良いでしょう。cumをcomeの略語としか認識していない場合、こちらの使い方に出会うと意味がわからず混乱してしまうかもしれません。
2.Cumの語源とは?
ここまでの説明をみて、なぜcomeの略語であるcumが性的な意味で使われるのか、そしてなぜそんな下品なスラングのcumと同じ綴りの-cum-という単語が存在するのか不思議に思った人もいるでしょう。
そこでここからは、cumの語源についてもご紹介していきます。情報提供として性的な意味の方もご紹介するため、興味がない人や性的な内容に不快感を感じる人は、そちらの見出しは読み飛ばしてくださいね。
なぜcumは性的なスラングになっている?
日本語でも性的なスラングというのは、明示的なものではなく、暗示的なものが多いかと思います。
comeという英単語自体、性的な絶頂を意味する言葉でもあるのですが、それを性的なものであると表現するために、敢えてcumという略語の方を使う人が多いのでしょう。こういう感じは、万国共通のものなのかもしれませんね。
なので、comeをcumと書いてある文章を見たら、ほぼ性的なことを言っていると判断して構いません。
「〇〇兼××」のcumの語源
一方、「〇〇兼××」のcumは、「〜と関連して」「〜と一緒に」というラテン語が語源となっています。
ラテン語由来の言葉は、そのほとんどが一般的な英単語の綴りに書き換えられているのですが、なぜかこのcumはそのまま残っています。
3.cumを使うときの注意点
今回ご紹介しているcumという言葉は、非常に注意が必要な単語です。ですから、自分で使うときにはここからご紹介する注意点に気をつけて、細心の注意を払って使うようにしましょう。
使いどころには絶対注意!
cumには確かに「〇〇兼××」という意味がありますが、一般的に広く認知されているのは、性的なスラングの方です。cumというアルファベットの並びだけを見れば、ネイティブの大人たちは、性的なことを連想するでしょう。
ですから、使いどころには要注意。ちょっとした下ネタジョークくらいで収まりづらい略語ではあるので、あまりニュアンスや使い方が掴めない人は、意味だけ知っておいて、使わないようにした方が安全です。
もちろん公共の場やビジネスシーンでは絶対使わないこと。また、結構深く性的な会話ができる相手以外には使わない方が良いでしょう。たとえ親しくても、異性に使うのは避けることをおすすめします。
もちろん、未成年の人相手には使わないでくださいね。また、高齢者だと意味が通じないこともあるかもしれませんが、そもそも高齢の方に使うべき言葉でもありません。
単なる略語としては使わないこと
comeをcumの略語として覚えていると、純粋に「来て」や「おいおい」の意味で「come」や「come on」と言いたいときにも、cumと表記してしまうこともあるかもしれません。
しかしこういった、単なるcomeの略語としては絶対に使わないようにしましょう。
comeという英単語自体が使用頻度がかなり高く、さまざまな場面で使われる単語です。文脈によっては、そんなつもりではなくても、cumを使うことで偶然性的な意味になってしまうこともあるでしょう。
しかし、相手はあなたが誤用していることを気づいてはくれないかもしれません。そうすると、非常に深刻なトラブルになってしまう恐れもあります。
もちろん親しい間柄で、相手があなたが英語が流暢ではないことを理解していれば、誤用を許してもらえる可能性もあります。しかし、それに気づいてもらえない場合、人間関係に亀裂が走ってもおかしくないほど、深刻な問題になりかねません。
cumは単なるcomeの略語ではなく、comeをcumという略語で表記すると性的なスラングになると、よく覚えておくようにしましょう。
-cum-はあまり認知度が高くない
ネイティブなら「singer-cum-actress」と言われれば、「歌手兼女優」と理解してくれます。特に2つ以上の職業を持っている人にとっては、便利な表現かもしれませんね。
しかし、どうやらネイティブではない英語学習者の間では、「-cum-」という表現は認知度が高くないようです。ですので、もしかしたら通じないことも考慮しましょう。
一方で、性的なスラングのcumはかなり広く認知されているため、-cum-のことを知らない人は勘違いしてしまうおそれもあります。
口語では発音は変わらない
性的なスラングのcumも「兼」の意味を持つcumも口語ではcomeと同じ発音です。ですので、cumというスペルだとどういう発音だっけ?と考える必要はありません。
しかし繰り返しになりますが、性的なスラングのcumは非常に危険な言葉ですから、口語でも公には使わないようにしましょう。
ちなみにそのスラング自体は口語でも使われるものですから、文字だけではなく、会話の中でも使う人もいます。
4.Cumは危険なスラング!使いどころには細心の注意を
今回文中で何度もご紹介したとおり、cumは単なるcomeの略語ではなく、略語にすることで非常に下品なスラングになる言葉です。そのため、使いどころには注意が必要ですし、ノンネイティブの日本人は使うのを控えた方が良いでしょう。
こうしたスラングは使わないに越したことはありませんが、知識として知っておくことで、自分の身を守れることもあるはずです。
一方で「兼」の意味のcumの方は、純粋にその意味しかないため、必要があれば使っても構いません。ただし、使うときには名詞と名詞の間に挟み、ハイフンで繋ぎましょう。