長期留学の目的は、語学留学や大学留学など多種多様です。期間が長い分だけ、できることも多くなるでしょう。語学力アップや選択肢が広がるなどのメリットがある反面、費用負担や帰国後の生活のリスクなどデメリットもあります。長期留学のメリット・デメリット、費用や、どんな人におすすめかを紹介します。
目次
長期留学とは?
一般的に学生ビザを必要としない3か月以内のものを「短期留学」と呼ぶのに対し、3か月以上の留学は「長期留学」といいます。ただし、「長期留学」についても明確な期間は定まっていません。
長期留学の目的は多種多様です。語学留学、インターンシップ留学、休学・認定留学、大学留学、大学院留学など期間が長いだけ、選択肢も広がります。
語学力を身につけるためには、ある程度の期間が必要になりますので、語学力アップを目的で留学をするのであれば、長期留学がおすすめといえます。
長期留学のメリット・デメリット
長期留学は期間が長く、できることも多くなります。その反面、無視できないデメリットも存在します。メリット、デメリットをそれぞれ紹介します。
長期留学のメリット
語学力が上がる
言わずもがなですが、長期留学の特徴として第一に挙げられるのが、現地で過ごす期間が長いことです。
一般的に、現地の言葉を聞き取り、話すことが楽しいと思えるようになるまで3か月、母国語を介さずに理解してスムーズに返答できるようになるまで6か月、日常生活がほぼ問題なく過ごせるようになるまで9か月と言われています。
滞在する期間が長くなるほど、語学力に自信がつくでしょう。
学習計画が立てやすい
期間が決まっていれば、その期間に合わせて学習計画を立てることができます。短期留学の場合、学ぶところは基本的には語学学校と選択肢は狭いです。
対して、長期留学であれば語学学校だけでなく、現地の学校(大学・大学院)へ入学することもできるのです。
最終的な留学の目的・目標を定めて、そこから逆算して現実的な計画を立てやすくなります。
行動の幅が広がる
期間が長いため、時間的には余裕ができます。うまく時間を見つければ、語学の学習だけでなく、観光や異文化交流なども楽しむことも。
行動の幅が広がることで、新しい発見が生まれ、世界観や価値観が変わることもあるでしょう。
就職や転職時のアピールポイントになる
長期留学で得られるものは語学力だけではありません。
留学中に起こる様々なアクシデントに対応できる柔軟性、母国とは異なる環境での適応能力、自ら積極的に動く行動力、異文化の人と交流でコミュニケーション能力など、様々な能力が身に付きます。
そのため、帰国後に就職活動を控えている場合や、転職などを考えている場合はこのような経験をアピールポイントとして活かすことができるでしょう。
現地の大学進学を目指すことができる
長期の留学が前提であれば、現地の学校への入学を目指すことも可能です。現地の学校の授業はすべて現地の言葉となるので、ある程度の語学力が入学の条件となります。
ただし、語学力以外の入学の条件がそろっている場合には「条件付き入学」を認めている大学もあるので、そのような制度を活用してみると良いでしょう。
長期留学のデメリット
費用がかかる
なんといっても長期留学は短期留学と比較するとトータルの費用の負担は大きくなります。長期となると、費用で占める割合は授業料や、生活費が大きくなります。留学の中で譲れないポイントを明確にし、他の部分で費用を抑える工夫をしましょう。
語学学校であればマンツーマンとグループレッスンでどちらにするか、食費は外食か自炊どちらをメインにするのか、などできるところで節約を行うようにしましょう。
簡単に帰ってこられない
お金と時間に余裕があれば問題ありませんが、基本的にはそう頻繁に帰ってくることはできません。
そこで問題になるのが「ホームシック」です。会話が十分にできなかったり、友人をうまく作れなかったり、現地での生活に慣れなかったりすると、悲しみや不安、寂しさなど様々な感情があらわれます。
ホームシックへの対策は、現地で夢中になれることを見つけることです。語学、異文化体験、あるいは大事にしている趣味など、何かに没頭することで、「日本に帰りたい」「寂しい」という気持ちは和らぐでしょう。
日本の大学に比べると卒業が難しい
日本は入学が困難で卒業が比較的簡単であるのに対し、海外の大学では入学が簡単で卒業が困難と言われています。海
外の大学では大量の課題が課せられたり、エッセイの提出が求められたりするため、きちんと勉強をしなければ卒業することはできません。
そのような認識がなく、勉強をおろそかにしてしまうと卒業できない、もしくは強制退学なんてことにもなりかねないので注意が必要です。
卒業後の就職が難しい場合がある(日本・留学先)
現地の大学を卒業した場合、就職は日本で、という場合にネックになるのがタイミングと距離です。日本と海外では大学のスケジュールも異なります。そのため、就職活動が本格化するタイミングに合わせて本腰を入れて就職活動を行うのが難しいのです。
さらに、距離の問題は大きなハンデとなります。多くの企業は、説明会や筆記試験、面接を通して選考を行います。各企業の説明会や選考が行われるたびに帰国するわけにもいかないため、日本と留学先の距離の問題は無視できません。
現地での就職を希望する場合にネックになるのがまずは語学力です。就職となるとビジネスレベルの語学力が最低限必要となります。さらに、現地での就職となると就労ビザが必要となります。雇い主側からしても、面倒なプロセスがかかる外国人をわざわざ雇いたがらないのです。
これらのハンデ以上の能力を持たなければ現地の週初期希望者に勝つことは難しいのが実情です。
長期留学にかかる費用
行先(国)、距離、期間によって異なりますが、かかる費用は大きく分けて下記の通りです。
留学先授業料4.5~16万円/月
アメリカの場合 | 内訳 | 費用 |
出発前 | 航空運賃 | 8~17万円 |
保険料 | 2~5万円 | |
諸手続き費用 | 1~2万円 | |
留学エージェント費用(※夢カナ留学の場合) | 48.9万円 | |
滞在費 | 7~15万円/月 | |
食費 | 3~5万円/月 | |
教材費 | 0.6~1.1万円/月 | |
交通費・その他費用 | 0.9~1.7万円/月 | |
通信費 | 0.6~1万円/月 |
仮に留学期間が1年間だとすると、トータルの費用は約260万円~550万円となります。
現地で大学に入学をしたとすると、4年制の公立大学では年間250~400万円、私立大学は250~450万円かかります。4年間であれば、1,000~1,800万円になります。
1か月にかかる費用は滞在費・食費・教材費・交通費・通信費などで12~24万。4年間では、576~1,152万円。大学の授業料や出発前の費用を加えると、1,635~3,025万円(4年間)となります。
4年間で何度か帰国することや、趣味・娯楽・衣類などの費用もかかるため、この金額よりも上がることが考えられます。
期間が長くなればなるほど、現地で使う費用の割合が大きくなります。現地での生活費をできるだけ節約することが、留学にかかるトータルの費用をおさえるポイントとなります。
長期留学はどんな人におすすめ?
「長期留学」がおすすめの人は、下記のような目的を持った人です。
- 語学力向上など留学に成果を求める人
- 使える英語を身につけたい人
- 他国の大学へ進学したい人
このような目的を持っているからといって必ずしも初めから長期留学を行う必要はありません。短期留学でまずは試してみて、その後に長期留学を行う、という方法もあります。
就職活動やその後のキャリアなどに留学経験を活かしていきたいという方は、長期留学でしっかりと語学力の習得を行うとともに、異文化に深く触れることが大切です。
まとめ
長期留学には様々な形があります。長くなればなるほど、語学力を上げられる可能性は高くなります。しかし、その反面、費用や帰国後の生活の変化など、負担は大きくなるといえます。費用や時間を最大限に有意義なものにするためには、留学の目的を明確にすることが大切です。
長期留学のハードルが高いという人は、まずは短期留学で事前練習をしてみるという選択肢もあります。留学に関してお悩みの人は、まずは留学エージェントに相談してみることがおすすめです。