留学やワーキングホリデーには欠かせない、現地での銀行口座開設。一見、複雑そうに聞こえますがそこまで負担に感じることは一切ありません。
今回はカナダと日本の銀行口座の違いや、留学生向け銀行の紹介。口座開設手順について紹介します。
また、現地エージェントでは聞けない銀行選びのポイントもお伝えしていきます。
そもそも銀行口座開設は必要なの?

カナダでは、レストランやカフェの会計にクレジットカードやDebitカードを使うのが主流となっています。自分でチップの計算をしなくて済むのでスマートに会計をすることができます。
海外生活で最も心配な現金を安心・安全に管理することができるのもメリットです。
※Debitカードを利用するためには、引き落とし先として現地の銀行口座が必要です。
以下に、銀行口座を“作るべき人“と“作らなくても良い人”をまとめました。
特に海外で働く場合は給料の振込口座が必要となります。加えて、長期留学になればなるほど必要なお金が増えていくので、日本から送金するために口座があれば便利ですよね。
短期留学(1~2ヵ月)の場合、日本から持参した現金とクレジットカードさえあれば困ることはないです。そもそも 短期では銀行口座を開設してもすぐに口座を閉じることになり、逆に手間がかかってしまいます。
カナダの銀行口座・種類
カナダには一つの口座に二つのアカウントシステムが付いています。日本の銀行にはない特徴なので、まずは仕組みを理解したうえで口座開設に進んでみよう!
Checking Account(チェッキングアカウント)
・日本の普通預金や当座預金のように入出金が可能 |
・利子なし |
生活費や娯楽に使うための口座です。買い物などで支払いをする際はChecking Accountから支払います。契約プランによっては月の維持費や無料で引き出せる回数が変わってきます。例えば、維持費が$15/月、引き出し回数25/回など。
Saving Account(セービングアカウント)
・ 定期預金・貯蓄預金のように貯蓄することが可能。 ※日本とは違い、お金の引き出しが自由。 |
・Saving Account→Checking Accountへのお金の移動が可能。 |
・利子あり |
貯金をするための口座です。毎月Checking Account→Saving Accountへ数ドル移行され、自動的にお金が貯まるシステムがあります。緊急時に備えてお金を貯めよう!という考えから生まれたものです。
※ちなみにカナダには通帳がないので各銀行のアプリで月の出費額や貯金額を確認しています。
口座維持費とは?
日本の銀行にはない「口座維持費」というものが必要となります。口座を維持するために毎月3カナダドル~多くても30カナダドル程度(日本円で約230円~2,300円※)、Checking Accountから自動的に引き落とされます。各銀行の契約プランによっては無料になる場合もあれば、口座残高を3,000カナダドル程度(日本円で約23万円※)維持しておくと、無料になるプランもあります。※2020年5月現在のおおよそのレート
日本にはない概念なので最初は戸惑うかもしれませんが、口座維持費がかからない銀行を選ぶこともできます。
【留学生向け】おすすめカナダの銀行
留学生のほとんど!と言っていいほどみんなが使っている銀行がこちら↓
1. CIBC(Canadian Imperial Bank Of Commerce)
2. TD(TD Canada Trust)
なぜなら、 口座維持費が無料なプランがあり、 日本語対応が可能であるからです。
では、詳しく2つの銀行の特徴を見ていきましょう。
・一番おすすめ CIBC

ワーキングホリデーや中・長期留学生にとってダントツおすすめなのがCIBCです。
各銀行が口座維持費を設けている中、「カナダに永住権のない外国人」というのが条件で、開設後1年間のみ口座維持費。各手数料も無料になるプラン 「Foreign Workers」がCIBCにはあります。
月数十ドル払うとしても、「塵も積もれば山となる」というように1年間払い続ければ大きい額になりますよね。節約をするならCIBCがおすすめです。
CIBCのメリット・デメリット ↓
メリット | ・口座維持費が1年間無料 ・ATM手数料 無料 ・Debit Card利用制限 無し ・CIBC同士の電信送金 無料 ・ATMが一番多い |
デメリット | ・日本人スタッフがいない |
・日本語対応が良い人向け TD Bank

日本人留学生の大半がTD Bankを利用しています。なぜなら、TD Bankには日本人スタッフが在中しているため 、銀行を紹介してくれる現地エージェントとの連携がとりやすいからです。したがって、エージェントは留学生にTD Bankを紹介する流れとなります。
簡単に、TD Bankのメリット・デメリットをまとめました ↓
メリット | ・電信送金 無料 (他銀行口座への送金も可) ・TD以外のATM手数料 無料 ( Unlimited Plan のみ) ・ATM24時間営業あり ・ アメリカやメキシコに支店あり ・日本語対応可能な店舗がある |
デメリット | ・ 口座維持費がかかる (無料~$29.95/月) ・ Debitカード使用回数制限 あり (使用回数超えると$1.25/月) |
TD Bankには留学生向けのプランが2つあります。
1. TD Unlimited Plan
2. TD Every Day Chequing Account
ちなみに私もTD Bankの 「TD Unlimited Plan」と 「TD Every Day Checking Account 」を両方使ってみたことがあります。 どちらのプランもメリット・デメリットがあるのですが、口座維持費がかかる という点においては共通していました。
では、メインとなる2つのプランを見ていきましょう。
・TD Unlimited Chequng Account
・ 口座維持費 (Monthly Fee) $16.95/月 ($4,000以上を常に口座維持していれば無料) $11.95/月 (60歳以上の高齢者) |
・Debit回数制限/月 (Transactions included per month) 無制限 (Unlimited) |
・電信送金 ( Interac e-Transfer transactions) 無料 |
・TD Bank以外のATM利用 (Non-TD ATM Fee in Canada) 無料 |
・アメリカ、メキシコのATM利用手数料 (Foreign ATM Fee in U.S.,Mexico) $3.00/回 |
・その他の国のATM利用手数料 (Foreign ATM Fee in any other foreign country) $5.00/回 |
・取引明細書(Paper Statement) $2.00/月 |
口座維持費($16.95)が高い分、Debitカード使用回数が無制限。ATM利用にも、わざわざTD BankのATMを探さずに済むので利用がしやすいです。
・TD Every Day Chequing Account
・口座維持費 (Monthly Fee) $10.95/月 ($3,000以上を常に口座維持していれば無料) $8.20/月 (60歳以上の高齢者) |
・Debit回数制限/月 (Transactions included per month) 月25回まで無料。それ以降$1.25/回 |
・電信送金 ( Interac e-Transfer ) 無料 |
・TD Bank以外のATM利用 (Non-TD ATM Fee in Canada) $2.00/回 |
・アメリカ、メキシコのATM利用手数料 (Foreign ATM Fee in U.S.,Mexico) $5.00/回 |
・ 取引明細書(Paper Statement) $2.00/月 |
口座維持費($10.95)が安い分、Debitカード使用回数制限あります。実際に使ってみた感想として、月25回まで無料」という数字は、正直なところ十分ではなかったです。
例えば、一日に1回のみカードを使ったとしても単純計算で月の使用回数が25回を超えてしまいます。 25回を超えた時点で超過分として$1.25払わなければならなくなります。
留学中は友達とランチやカフェで話したり、ディナーをするのが頻繁になってくるかと思います。私の経験からすると、最低でも一日に1回以上はDebitカードを使用していました。
カナダで銀行口座を開設してみよう!!
ステップ⒈) 銀行・口座の種類を選ぶ
基本的に、カナダの携帯電話番号とカナダに居住している(住所がある)人なら外国人でも銀行口座を開設することができます。
日本の大手メガバンクに対して大差がないように、カナダのメガバンクもセキュリティーや金利について違いはさほどありません。
そこで、留学生にとって銀行を選ぶのは使い勝手が良いか?口座の開設方法が簡単か?という点に注目が集まります。余計な手数料がかからない銀行を選ぶのか、日本語対応を重視するのか、ぜひ自分が何を大切にするかで銀行口座を開設してみて下さい。
ステップ⒉) 事前にアポを取り、支店に訪問

各銀行のホームページより事前予約ができます。ちなみに、TD Bankは日本語対応サイトがあります。 直接支店に出向き、口座開設をしたい旨を伝えるのも良いですが、 場所や時間帯によっては長時間待たされる場合があるので予約することをおすすめします。
~持ち物~
✔ 身分証明書(パスポート)
✔ カナダでの住所が確認できる書類(エージェントや語学学校からもらった書類など)
✔ SINカード(ワーキングホリデーの方)
✔ カナダ携帯電話番号やe-mailアドレス
✔ 社会保険番号カード(ワーキングホリデービザで入国した場合)
支店に到着したら受付の方に「I’d like to open my bank account」と話してみましょう。担当者が別室に案内してくれます。
口座開設に伴い、様々な説明を受けます。お金のことなので、分からないときははっきり聞き返してみましょう。
手続き中にはたくさんの書類が用意され、何度か自分の署名をすることになります。TD Bankの場合、漢字かローマ字どちらでもOKと言われました。
主に説明される内容はこちら↓
✔ Saving Accountの作成をするかどうか?
✔ Debitカードを発行するか?
✔ 各手数料や上限についての説明
✔ 帰国時の口座閉設の重要性と閉じ方
-Saving Accountについて
無くても困らないものですが、せっかく無料であるのと、ワーキングホリデーで稼いだ給料を貯めとく口座として使うのも一つの手段になります。
ーDebitカードは必ず発行してもらおう!
レストランやカフェでの会計にチップ計算がいらなくなり、とても便利です。カナダは基本的に金額の10%~15%チップを払う習慣があります。Debitカードで支払う場合、機械の端末に何パーセントチップを払いたいか選択ができるので かなりスムーズに会計することができます 。
-帰国時は忘れずに口座を閉じよう!
TD Bankの場合、カナダに住んでいなくても口座を持つことは可能であるとのことでしたが、口座維持費がかかってしまうので、一時帰国でない限り口座を閉じることをおすすめします。タイミングは帰国1週間前が目安とのことでした。
ステップ⒊) Debitカード兼キャッシュカード発行
一通りの手続きが終了すると、Debitカード兼キャッシュカードがその場で発行され、当日から使用が可能になります。
カードが発行されたら、ネットバンキングとの連携や暗証番号4桁の登録に移ります。暗証番号は日本と同様にATM引き出し、会計の際に必要となってくるので忘れないようにしましょう。
-アプリについて
各銀行がそれぞれアプリを持っているので、紙媒体の明細書がなくてもスマホから残高や履歴を確認することができます。アプリの「e-transfer」というシステムからネット送金ができるので、インストールしておくと便利です。
ステップ⒋) 日本円からカナダドルに送金
私の場合は、日本にいる家族に口座番号・銀行住所などを伝え、送金してもらいました。所要日数としては日本で手続き後、3日間ほどで送金されました。外貨送金には手数料が多くかかってくるので、一度にまとめて送金してもらうことをおすすめします。
送金に必要な情報はこちら↓
✔受取人名
✔口座番号
✔銀行名・支店名
✔支店住所
上記の情報は口座開設時にもらう契約書に全て明記されています。最後まで大事に保管しておきましょう。
まとめ
実際に、カナダにはその他メガバンクが3つあります。
・RBC(Royal Bank of Canada)
・BMO(Bank of Montreal)
・Scotiabank
銀行自体やはり大差はなく、留学生向けの口座プランがあるとしたらCIBCとTD Bankの2択となってしまいます。
大事なのは「口座維持費が無料かどうか」「ATM・支店が多いか」「日本語対応があるのか」
という3点です。カナダで迷わずに銀行口座を開設していただけたらと思います。