ビジネス用語としてたびたび使われている「Assignment(アサインメント)」を日本語にするとどのような意味になるのでしょうか。
日本ではたくさんの英語が日常会話の中に溶け込んでいるものの、実際の英語の意味とは異なるものが多数あるので注意が必要です。
本記事では、「Assignment(アサインメント)」の意味を解説したうえで、留学中の勉強を効率よく伸ばすための勉強方法を解説します。
1.「Assignment(アサインメント)」の意味は?
「Assignment(アサインメント)」は、大学の課題や宿題のことを意味しています。
日本の大学でも、次回の授業で議論する内容の文献や教科書のページを予習してくる課題が出てくることがありますよね。
アメリカを中心とした英語圏での大学は、授業中は議論がメインになるので常に予習が必要です。
毎授業が終わるたびに、「Assignment(アサインメント)」が出されて「◯ページ~◯ページを読んでくるように」「この問題について考えるように」などの課題が出題されます。
日本ではプリントなどで実際の問題を解いてくるような宿題が多いので、やったかやってないかが明確にわかります。
一方で海外の大学では、提出するような課題・宿題がこまめに出されることはほとんどありません。
代わりに、やってこなければ次の授業で「教授が何を話しているのかさっぱりわからない」と言う事態に陥ります。
例を挙げて説明しましょう。
たとえば、次回の授業の項目が「日本の少子高齢化」についてだとします。
その場合、日本では授業中に「少子高齢化が進んでいるのはなぜか」「現在おこわなれている解決策」「これから直面する問題」などを教授が説明します。
その点、海外では「Assignment(アサインメント)」として日本の教授が説明してくれるような情報を収集しなければなりません。
信憑性の高いデータをリサーチしたり、教科書を読んで、授業前に「日本の少子高齢化」に関する情報、問題、解決策を理解したうえで、「自分ならどの方法を取るか」などについて授業中にディスカッションをします。
つまり、海外の大学では「Assignment(アサインメント)」をやってこないと授業の内容が理解できず、成績不振に直結するのです。
「home work(ホームワーク)」とは何が違うの?
日本人であれば「宿題=home work」とイメージするでしょう。
「home work(ホームワーク)」は、自宅学習を意味する言葉であり、いわゆる「宿題」のことを指しています。
すでにお伝えしたとおり、日本と海外では授業スタイルが大きく異なります。
「Assignment(アサインメント)」は、あくまで授業の内容を理解しやすくするための「課題」であり、日本語で言うところの「予習」と近しいニュアンスとなります。
「予習」は任意で勉強するようなニュアンスに取れてしまいますが、「Assignment(アサインメント)」はやらないと授業についていけなくなるので、サボることはできません。
大学や学部によるものの、日本は「大学入試は大変だけど、遊んでいても卒業できる」と言われているほど、授業内容はむずかしくありません。
一方でアメリカは「大学入試は簡単だけど、卒業がむずかしい」といわれていて、遊ぶまもなく勉強に勤しむ学生が多いです。
ビジネス用語「アサインメント」の意味は?
日本ではビジネス用語として「アサインメント」が使われることが多くあります。
日本語のビジネス用語で「アサインメント」は、「仕事を割り当てる」「配属する」「役職に任命する」などの意味を持ちます。
「Assign(アサイン)」の「割り当て」「付与」「選出」などから派生しているとのことですが、英語とは異なる意味を持っているので注意が必要です。
「アサインしておいて」などもビジネス用語として使われていますが、これは「割り振っておいて」のような意味です。
「この仕事は佐藤さんにアサインしてね」などと使われます。
2.留学中に授業においてかれないためのコツ
「Assignment(アサインメント)」の意味についてお伝えしたところで、海外の大学では予習が多くてついていけるか不安になったと言う方もいるのではないでしょうか。
そこでアメリカの大学で授業においてかれないようにするためにやるべき3つのおすすめ方法が、以下のとおりです。
- シラバスを要チェックする
- オフィスアワーを活用する
- TAに相談する
それぞれの方法について解説します。
シラバスを要チェックする
大学入学後、学期初めには、学生向けに授業ガイダンスの情報が共有され、そこには全講義のシラバスも記載されています。
シラバスには基本的な授業概要、授業スタイル、評価基準、教授の連絡先などが細かく記載されています。
「ディスカッションは苦手だからテストをがんばりたい」「テストは不安だからグループワークがいい」など得意・不得意があるのであれば、シラバスを参考にしましょう。
公平性を保つためにも、シラバスには明確な評価基準が記載されているので、「何をすると高い評価をもらえるか」がわかります。
たとえば、「出席が60%以下になると自動的にFです」「授業中の発言は加点対象です」「ラボに来るとボーナスポイントがつきます」など授業によって異なります。
シラバスを制することで、英語力に自信がなくても高い成績を保つ方法が見つけられるでしょう。
オフィスアワーを活用する
オフィスアワーとは、教授が研究室や個別の部屋に滞在していて、生徒からの質問を受け付けている時間のことを指しています。
常に研究室にいる教授であっても、事前に予約が必要な場合もあるので、教授との授業外のコミュニケーション方法についてはシラバスを確認しましょう。
基本的に積極的にコミュニケーションを取ろうとする学生に対してネガティブな印象を抱く教授はいません。
英語力に自信がなく、授業でわからなかった箇所があるのであれば、オフィスアワーを有効活用しましょう。
積極的にオフィスアワーを利用することで、その授業や教授に対する苦手意識が薄れていくので、より授業に集中しやすくなる効果も期待できます。
TAに相談する
大講義であれば、TA(teaching assistant)と呼ばれる教授の助手がついています。
TAは、教授の代わりに学生たちの質問に答えたり、相談に乗ったりする役割を担います。
教授が忙しかったり、英語力に自信がなくて教授に相談するのに抵抗があるというのであれば、TAに相談するのもおすすめです。
TAは基本的にその大学の上級生もしくは大学院生などが務めているので、教授よりも年齢が近くて、相談しやすいと感じる方も多いです。
不安なことが多くあるのであれば、授業終わりにTAに声をかけて、授業に関する質問をしたり、別途で時間を設けてもらうなどの工夫をしましょう。
3.効率よく英語力を伸ばすためにやるべきこと
留学先では英語のネイティブスピーカーたちと肩を並べて授業を受けなければならないので、「アカデミック英語」を習得しておく必要があります。
留学前・留学中に英語力を伸ばすためにやるべきことは、以下のとおりです。
- インプットとアウトプットをリアルタイムでする
- ディクテーション
- シャドーイング
3つの方法について解説します。
インプットとアウトプットをリアルタイムでする
英語に限らず語学力を伸ばすためには、日常生活でできるだけ多くの時間をその言語に触れているように工夫するべきです。
簡単な項目でいえば、iPhoneを英語に設定したり、英語のラジオ・ポッドキャストを聞いたり、洋画・海外ドラマを見続けるなどの方法があります。
もちろん、「英語に慣れる」という意味では、これらの方法が効果的ですが、留学で活かすための英語となれば、もう少し踏み込んだ訓練が必要です。
効果的な方法として、「日記を書く」と「独り言を言う」2つの方法があります。
まず、日記を書いていると「こういう表現って何ていうんだろう」「深みのある言い回しをしたい」と考えて調べながら、英語を理解できます。
日常生活でネイティブとコミュニケーションをとっているときは、知っている英語だけで会話をしようとするので語彙力は増えていきにくいです。
自分の表現したいものを時間をかけて「日本語→英語」に変換する作業を設けること、そしてそれを書き出すことで、何度も読み返して身につけることができます。
そして、新しく覚えた単語は、すぐにどこかで使わなければ忘れてしまうでしょう。
ただし、どのようなタイミングで新しく覚えた単語を使う機会があるか分からないので、常に独り言を英語にする癖をつけるのがおすすめです。
何気ない言葉を英語にして、声に出すことで自然と英語を話す度胸がつくようになります。
ディクテーション
ディクテーションとは、簡単にいうと「聞こえた英語を書きとる」勉強方法です。
ラジオやニュース、洋画などを流して、聞こえた文章をノートに書き取り、文法やスペルが間違っていないか見直します。
見直しが必要なので、英語字幕のついているものを利用するのがおすすめです。
ディクテーション向けの英語学習アプリも増えていますが、「Netflix」「TED TALK」などは、多種多様なジャンルに対応しているので使いやすいです。
最初は聞き取れない箇所が多くて「英語できないな…」と落ち込んでしまうかもしれませんが、何度も繰り返すうちに慣れてきます。
ディクテーション初心者は、同じ動画や音声を何度も聞いて、完璧に書き取りができるようになるまで反復するのがおすすめです。
リスニング力のほか、リーディング力、ライティング力の向上が期待でき、自然と英語の構成を身につけることもできるでしょう。
シャドーイング
シャドーイングとは、簡単にいうと「聞こえた英語を復唱する」勉強方法です。
ディクテーションと同様に動画や音声などのコンテンツを利用して、流れてきた英語をそのまま追いかけるようにして復唱します。
聞こえてきた英語をそのまま声に出すので、リスニングとスピーキングを同時に鍛えられるほか、正しい発音を身につけることもできます。
まずは英語の意味が完璧に理解できなくても復唱を繰り返しましょう。
そして意味がわからない箇所があれば、単語や文法の意味を調べて、文章の意味を完全に理解した状態でスラスラと英語を復唱できるようになれば、英語を話すことに対する抵抗が一気に少なくなるでしょう。
4.まとめ
この記事では、「Assignment(アサインメント)」の意味、留学中の授業で置いていかれないためのコツ、効率の良い英語の勉強方法について解説しました。
「Assignment(アサインメント)」は、大学の課題・宿題・予習のようなニュアンスで使われています。
日本ではビジネス用語として使われていますが、英語の本来の意味とは異なるので使い分ける必要がある点を理解しておきましょう。
また、アメリカの大学では日本の大学以上に授業ごとに「Assignment(アサインメント)」が多く出されており、現地の学生でも苦労しています。
英語を第二言語として留学するのであれば、シラバスをよく読んだり、教授やTAと交流をしながら単位を取れるように工夫しましょう。