「4分の1」を意味する「Quarter(クオーター)」は、さまざまなシチュエーションで使われている英単語です。
日本人が日常生活で使う「Quarter(クオーター)」とは別にスポーツやアカデミックの場面でも使われているのをご存知ですか。
日本で使われている表現方法は和製英語であり、普段使っているニュアンスでネイティブの人に話しかけると伝わらない可能性があるため要注意です。
この記事では、「Quarter(クオーター)」のシチュエーション別の使い方を解説していくので、正しい使い方を理解して使ってみてください。
1.「Quarter(クオーター)」の意味
「Quarter(クオーター)」が持つ意味は、以下のとおりです。
- 4分の1
- ¼
どちらもほとんど同じような意味ですが、全体を4等分したうちの1つを指しています。
分数として用いられることもありますが、基本的には数値的な意味合いです。
2.「Quarter(クオーター)」が使われる場面
「Quarter(クオーター)」が使われる場面は、以下のとおりです。
- fiscal quarter(フィスカル・クオーター)
- academic quarter(アカデミック・クオーター)
- quarter back(クオーター・バック)
- 25 cents(25セント)
- quarter past / quarter to(クオーター・パスト / クオーター・トゥー)
それぞれの意味について解説します。
fiscal qurater(フィスカル・クオーター)
「fiscal quarter(フィスカル・クオーター)」は、ビジネスの会計・金融の四半期を意味する言葉です。
多くの企業では、通常四半期決算をおこなっており、3か月ごとに収支報告をして財務状況を評価しています。
日本では4月〜6月が第一四半期、7月〜9月は第二四半期、10月〜12月が第三四半期、1月〜3月が第四四半期と呼びます。
アメリカの企業でも3ヶ月ごと(1年の4分の1ごと)に企業業績や財務状況を評価を実施しているのです。
academic quarter(アカデミック・クオーター)
「academic quarter(アカデミック・クオーター)」は、4学期で構成されたうちの1学期の期間を指す言葉です。
日本の学校では前期と後期の2期で構成されるのが一般的ですが、アメリカでは以下のように学期分けされています。
- spring semester(1st quarter):春セメスター1学期
- spring semester(2nd quarter):春セメスター2学期
- fall semester(1st quarter):秋セメスター1学期
- fall semester(2nd quarter):秋セメスター2学期
日本でもグローバル系の大学であれば、留学生の受け入れなどを考慮して4学期制を採用しているところもあるでしょう。
4学期制の学期制度では1学期ごとに12週間と決められています。
アメリカではこの4学期制が基本となっているので、留学をする際などは事前に理解しておきましょう。
quarter back(クオーター・バック)
「quarter back(クオーター・バック)」は、アメリカンフットボールのポジションの一種です。
それぞれの単語の頭文字をとって「QB」と表記されることが多く、センターから受け取ったボールをRBやレシーパーに回す役割を担います。
アメリカでは「バスケットボール」「野球」「アメリカン・フットボール」が人気のスポーツとして定着しています。
アメリカの大学に留学に行く機会があれば、その大学のアメリカン・フットボールの試合を観戦する機会があるかもしれません。
ゲーム状況によってディフェンスやオフェンスの動きを微調整したり、チームに指示出しをするなど重要なリーダー的なポジションを担うことが多いQB。
多くのスター選手が誕生しているので、ぜひ各チームのQBに注目してみてください。
25cents(25セント)
アメリカで使われている25セント硬貨は「quater(クオーター)」と呼ばれています。
25セントは、1ドルの4分の1だからです。
実際に硬貨にも「UNITED STATES OF AMECICA(アメリカ合衆国)」と「QUARTER DOLLAR(クオーター・ダラー)」と記載されています。
現在使用されている25セント硬貨は、1976年から製造されたもので、1ドル硬貨、50セント硬貨の次に額面が大きい通貨単位です。
しかし1ドル硬貨と50セント硬貨の流通率は低く、実質25セント硬貨がアメリカで一般流通している硬貨の中で最高額面とされています。
硬貨の表にはジョージ・ワシントン。裏にはハクトウワシがデザインされています。
quarter past / quarter to(クオーター・パスト / クオーター・トゥー )
英語で時刻を表現するときにも「quarter」が用いられています。
- ⚪️時15分:⚪︎ quarter past
- ⚪️時45分:⚪︎ quarter to
例えば、10時15分であれば「ten quarter past」、8時45分であれば「eight quarter to」のように使います。
日本では「quarter(クオーター)」の代わりになるような数字を言い換えた表現方法はないため、違和感を感じるかもしれません。
しかし英語のネイティブスピーカーは、幼少期から当たり前のように「quarter(クオーター)」を使用しており、15minites、45minitesよりも自然に感じるようです。
混血を意味する「quarter(クオーター)は和製英語
日本で頻繁に使われている曽祖父が外国人であることを意味する「quater(クオーター)」は、和製英語です。
「half(ハーフ)」は、英語圏の人にも伝わりますが、「quarter(クオーター)」は伝わらない可能性が高いため、気をつけてください。
3.日本人が使う「Quarter(クオーター)」は差別的?
日本では、4分の1が外国の血で生まれた人に対して「クオーター」と表現することがあります。
両親のどちらかが外国人であれば「ハーフ」、両親のどちらかがハーフであれば「クオーター」のように混血の人に対して一般的に使われてきました。
日本は島国で混血の人たちがマイナーなため、自然と「ハーフ」「クオーター」という表現が使われていますが、最近ではこの表現方法が問題視されているのです。
そもそも「クオーター」とは「4分の1」という意味で、まるで完璧ではない欠けている存在のように捉えることもできてしまいます。
英語では「i’m half.」「I’m quarter.」ということはありませんが、「half japanese half american」のような表現方法はあります。
すでにお伝えしているとおり「quarter(クオーター)」は和製英語のため、英語圏では使われていません。
もちろん「ハーフ、クオーター=完璧じゃない、欠けている」という認識で使っている人は、ほとんどいないでしょう。
しかし、日本では混血の子どもたちに対するいじめは社会問題化されており、「ハーフ」「クオーター」という言葉を使って罵られてきた実例も多くあります。
ゆえに「ハーフ」「クオーター」という表現がネガティブなニュアンスに捉えられてしまう場合もあるため、使い方には気をつけなければならないのです。
最近では、「mixed race(ミックスド・レース)」「mixed roots(ミックスド・ルーツ)」などポジティブなニュアンスで使う当事者が急増中です。
実際に混血の人たちが「ミックスと言ってほしい!」と発信しているのであれば、尊重することも大切です。
同時に、日本人が何気なく使っている「純日本人」「純ジャパ」という言葉も見直してみましょう。
「純粋な日本人」の略語ですが、ハーフやクオーターは「純粋ではない=汚れ」というニュアンスで捉えられてしまうこともあるのです。
日本国内でもグローバルな意識が高まる現代だからこそ、言葉が持つ意味を見直して、誰もが生きやすい社会にするために意識を変えてみることが大切です。
4.「quarter(クオーター)」と一緒に覚えておきたい分数英語
最後に「quarter(クオーター)」と一緒に覚えておくと、英語ネイティブに一歩近づける数学に関連する英語をいくつか紹介します。
まずは、4つの計算記号が以下のとおりです。
- +:plus(プラス)
- −:minus(マイナス)
- ×:multiplied(マルティプリッド)
- ÷:devided by(ディバイディッド・バイ)
「plus(プラス)」と「minus(マイナス)」を知っている人は多いとしても、「multiplied(マルティプリッド)」と「devided by(ディバイディッド・バイ)」を知らない方は多いのではないでしょうか。
海外留学した際には、ふとしたタイミングで使う機会があるかもしれませんので、基礎知識として覚えておきましょう。
続いて分数の英語表現は、以下のとおりです。
- 2分の1:one-half(ワン・ハーフ)
- 3分の1:one-third(ワン・サード)
- 3分の2:two-thirds(トゥー・サード)
- 4分の3:three-fourths(スリー・フォース)
英語の分数は、「数量を表す基数詞(one、two、threeなど)」に「順序を表す助数詞(first、second、third)」を付け加えて表現します。
「Two-thrids of the population of Japan is now using iPhone.(日本人の3分の2がiPhoneユーザーです)」のように文章にすることもできます。
分子が単数か複数かによって分母の単語が変わることを理解しておきましょう。
たとえば、3分の1の場合は分子が1(単数)のため、「one-third(ワン・サード)」でthridは単数のままです。
一方で、3分の2の場合は分子が2(複数)のため、「two-thirds(トゥー・サード)」でthridsは複数になります。
日本語では分子と分母がどちらも同じ数字で表現されているため、英語になると複雑に感じるでしょう。
英語の分数表現は、前後の文脈を正しく理解しなければ伝わりにくいため、まずは数学などの問題を解く際に声に出して練習して慣れるのが1番です。
5.まとめ
この記事では、「quarter(クオーター)」について使われる場面別に意味を紹介しました。
日本でも頻繁に使われている「quarter(クオーター)」は和製英語であり、英語圏では通じません。
代わりに、ビジネス、アカデミック、スポーツなどのシチュエーションで「quarter(クオーター)」が使われています。
それぞれ「4分の1」を表していることは同じですので、覚えやすいのではないでしょうか。
また時刻を表したり、アメリカの硬貨を意味する固有名詞として使用されていることもわかりました。
ぜひさまざまなシチュエーション別に「quarter(クオーター)」を使い分けてみてください。