近年、ソーシャルメディアの発達により、短い文章で意味を伝える事がネットの文化として定着しつつあります。以前は、2ちゃんねると呼ばれるサイトで発達してきたネット用語ですが、英語にも似たようなモノがあります。これはスラングと呼ばれるもので、実は教科書に載っていないけど、ネイティブスピーカーが日常的に使う英語です。
今回は、英語のスラングを理解し、使いこなす事で、よりネイティブスピーカーのような英語を話せるようになりましょう!
スラングとは?
そもそも、スラングとはなんでしょうか。英語を勉強して長年経っている人でも、スラングがそもそも何なのか理解していない人が多いです。まずは、英語スラングの前に、スラング自体を理解しましょう。
スラングの定義
スラングとは、特定のグループや地域、文化、言語などの間で使われる、非公式な言葉や表現のことです。一般的に、スラングは、社会的地位や文化的アイデンティティーの表現として使われます。また、スラングはしばしば、言葉遊びやユーモア、あるいは不適切な言葉遣いの代わりにも使われます。
スラングの地域性
スラングは、様々な要因によって生まれ、変化します。例えば、若者やマイノリティグループの間で特定の言葉や表現が流行り、それが広まることでスラングが生まれることがあります。また、時代や社会的状況の変化によってもスラングが生まれることがあります。
スラングは、一般的な英語とは異なる文法や発音、綴りを持つことがあります。また、スラングは、地域や文化によって異なるため、英語を学ぶ人にとっては混乱の原因となることがあります。
スラングでコミュニケーション
英語のスラングは、テキストメッセージやソーシャルメディアなど、インターネット上でより一般的になっています。これは、若者たちがコミュニケーション手段としてより頻繁にインターネットを使用しているためです。インターネット上でのスラングは、より速いコミュニケーションを可能にし、より親密な関係を築くことができます。
しかし、英語のスラングは、学術的な場面やビジネスシーンなどで使われる一般的な英語とは異なります。スラングを使う場合は、相手が理解できるかどうかを考慮する必要があります。また、スラングは時と場合によっては失礼な表現になることがあるため、注意が必要です。
英語スラングの歴史は?
英語スラングは、現代英語の重要な要素の1つであり、数百年にわたる英語の歴史を通じて発展してきました。ここでは、英語スラングの歴史を見ていきます。
ローマ時代の英語スラング
英語スラングは、古代ローマ時代から存在していました。ローマ兵が英語を話すようになり、日常的な言葉として英語に入ってきたとされています。中世の英語スラングは、階級社会に対する反乱や個人的な関心事によって生まれました。
隠語として使われた英語スラング
17世紀になると、英語スラングは特に下層階級に広まり、盗賊、海賊、密売人、詐欺師などが使用するようになりました。例えば、”slang”という単語自体が、17世紀初頭に、密売人や泥棒の隠語である”thieves’ cant”から生まれたものだとされています。
文化に根付いてきた英語スラング
18世紀になると、英語スラングはさらに発展し、特定の社会集団に限定されるものではなくなりました。特に、若者たちの間で広まり、彼らの文化や音楽に関連するスラングが発展しました。
19世紀に入ると、英語スラングは、商業的なメディアによって広まり、より広い層に受け入れられるようになりました。例えば、シャーロック・ホームズやチャールズ・ディケンズの作品には、当時の英語スラングが登場しています。
近年の英語スラング
20世紀に入ると、英語スラングは、世界中の若者たちの間で広まり、特にアメリカ合衆国の若者たちの間で大きな影響力を持つようになりました。アメリカ合衆国の文化が世界中に広がるにつれて、英語スラングも広まっていったのです。
現代の英語スラングは、インターネットやソーシャルメディアの普及によって、より迅速に広がるようになりました。新しいスラングが生まれる速度はますます速くなっており、英語スラングは言葉の進化において重要な役割を果たしているといえます。
英語スラングを使う時の注意点は?
英語スラングは、教科書には載っていません。これは、スラングが非公式の表現であることを意味しています。特に、ビジネスや学校等のプロフェッショナルな場所や、先生がいる場所では使う事が禁止されている事が多いです。ここからは、注意点をしっかり理解して、安心して会話をスラングと一緒に楽しむ方法を紹介します。
文脈を理解する
英語スラングは、地域や世代によって異なる意味を持つことがあります。例えば、アメリカ英語でよく使われる「cool」は、「素晴らしい」という意味であることが一般的ですが、イギリス英語では「冷たい」という意味もあります。そのため、スラングを使う際には、文脈をよく理解する必要があります。
相手との関係を考慮する
スラングは非公式な表現であるため、ビジネスや公的な場面では不適切な表現となることがあります。そのため、相手との関係を考慮し、場面に応じた表現を使うようにしましょう。ただ、ビジネスの関係であっても、会議後の会食や、仕事の休憩中であれば、親密な間柄のみ使う事があります。
見方を変えてみると、スラングが言える間柄になる事ができれば、ビジネスの関係が完璧に構築されていると言ってもいいでしょう。また、相手もスラングを使ってくれるほどに、信頼してくれていると株を挙げる事もできます。
無理に使わない
英語スラングは、若者や特定の地域でよく使われる表現が多いため、年齢や地域によっては浸透していない場合があります。そのため、無理にスラングを使おうとしないで、自分に合った表現を選ぶようにしましょう。
ネイティブスピーカーを参考にする
英語スラングは、ネイティブスピーカーにとっては自然な表現であるため、ネイティブスピーカーの発言を聞いたり、読んだりすることで、スラングを学ぶことができます。
特にネイティブスピーカーは、スラングを毎会話で使う程、日常的に溢れています。日本語でも「じゃね?」や「じゃん!」等がありますが、皆さんが使うタイミングを間違える事はありません。なので、ネイティブスピーカーがどのタイミング使っているのかを知ることが、1番の近道になります。
使いすぎに注意する
英語スラングは、一部の表現を除いては、非公式な表現であるため、使いすぎると印象を悪くすることがあります。そのため、使いすぎには注意し、適度に使うようにしましょう。海外のラッパーやアーティストは、ブランディング目的でスラングを多用する場面があります。
しかし、そういった目的がない人、特にネイティブスピーカーではない日本人が使いすぎると幼稚に見えたり、誤解を招くことがあります。なので、上記のネイティブスピーカーが使っているタイミングで使う事がベストです。
代表的なスラング「サベージ」とは?
ここからは、英語スラングの代表例である「サベージ」と、使い方、その他の似たような英語スラングもご紹介します!
「サベージ」とは?
英語で「サベージ」という言葉は、一般的に「野蛮な」や「未開の」といった意味で使われます。これは、元々はラテン語の「silvaticus(森林の)」が語源であり、中世ヨーロッパで「森の中に住む人々」を指すようになりました。その後、さらに拡大解釈され、「野蛮な」「未開の」という意味を持つようになりました。
「サベージ」の使用例は?
「サベージ」は英語で「野蛮人」を意味する単語です。スラングとして用いられる場合、形容詞として「凄まじい」「やばい」という意味合いを持ちます。以下、使い方と例文をいくつか紹介します。
形容詞としての使用例:
- That party was savage! (あのパーティーは最高だった!)
- Did you hear the new album? It’s savage. (新しいアルバム聞いた?最高だよ。)
名詞としての使用例:
- She’s a real savage on the dance floor. (彼女はダンスフロアで本当に野蛮だね。)
- He’s a savage when it comes to eating spicy food. (辛い料理を食べるとき、彼は本当に野蛮だよ。)
動詞としての使用例:
- He savaged the defense in the last game. (彼は前回の試合で守備を攻めた。)
- The movie was savaged by critics. (その映画は批評家から酷評された。)
略式表現としての使用例:
- This party is gonna be savage! (このパーティーはやばいぜ!)
- That concert was straight-up savage. (あのコンサートは本当に凄かった。)
なお、繰り返しにはなりますが、スラングは場面や相手によっては不適切な場合があるため、注意が必要です。
「サベージ」と似たようなスラングは?
「サベージ(savage)」と同様に、英語のスラングには類似した表現が多数存在します。以下にいくつかの例を挙げてみます。
- 「Beast」
「獣」を意味し、力やスキルがすごい人を表すスラングです。「ビースト・モード(
beast mode)」というフレーズで、パフォーマンスが最高潮に達した状態を表すこともあります。例:That basketball player is a beast on the court.(あのバスケットボール選手はコート上で最高潮だ。)
- 「Killer」
「キラー」という言葉は、あるものを非常に良いと表現するときに使われます。また、「キラー・ルックス(killer looks)」という表現は、非常に魅力的な外見を指します。例:That pizza was killer!(あのピザは最高においしかった!)
- 「Lit」
「リット」という言葉は、「素晴らしい」「最高」という意味があります。特に、パーティーなどの楽しいイベントで使われることが多いです。例:Last night’s party was so lit!(昨晩のパーティーは最高だった!)
- 「Fire」
「ファイアー」という言葉は、すごいものや優れたものを表すスラングです。また、「ファイヤー」という表現は、非常にホットなものやセクシーなものを表します。例:That new album is fire!(その新しいアルバムは最高だ!)
- 「Dope」
「ドープ」という言葉は、すごい、最高、クール、素晴らしい、優れているなど、肯定的な意味を持ちます。例:Your outfit is so dope!(あなたの服装はとてもかっこいい!)
- 「Sick」
「シック」という言葉は、「最高」「素晴らしい」という意味で使われることが多いです。また、特にスポーツで使われることが多く、すごいプレーをした選手を表す場合にも使われます。例:That goal was sick!(あのゴールは最高だった!)
まとめ
英語スラングは、日常会話でよく使われる表現であるため、理解することは英語学習において重要です。しかし、英語スラングは、地域や世代によって異なる意味を持つことがあります。そのため、スラングを使う際には、文脈をよく理解する必要があります。また、スラングは非公式な表現であるため、場面によっては不適切な表現となることもあります。