若者を中心に流行っているネットスラングには様々な意味の用語が数多く存在します。移り変わりも激しく、新たなスラングが次々と出てくるのは国内外の共通点でしょう。
今回は海外の若者、ネイティブが会話の中やSNSなどで使うネットスラング「YOLO」についてご紹介します。
調査してみると発祥元や「YOLO」と似た意味を持つフレーズがあることも分かりました。
是非最後までご覧ください。
YOLOの意味と読み方
「YOLO」は「You Only Live Once」の略語です。下記がそれぞれの単語の持つ意味です。
- You:あなた
- Only:たった
- Live:生きる
- Once:一度
直訳すると「あなたはたった1回だけ生きる」という意味ですが、SNSでは「人生一度きり、だから今を楽しもう」、「人生は一度きり、だから後悔しないように生きよう」というとらえ方が一般的です。
主にInstagramやTwitter、掲示板などで見かけることが多く前向きで肯定的な意味合いがあります。
メッセージ、チャットでも語尾に「YOLO」を付けて表現します。
読み方は「ヨーロー」です。「ワイオーエルオー」とは読みませんので注意して下さい。
YOLOの使い方
文脈や感情によって肯定的や自虐的、皮肉的にも使い分けることができます。
- 人生一度きりだからやってみよう(肯定的)
- やってしまったけど人生一度きりだからその経験も大事(自虐、皮肉的)
- 中には否定的な意味で使うことも
- 最高や充実したのような意味をもつ形容詞として使うことも
SNS上では上記のような意味で使います。
InstagramやTwitterでは「#YOLO」をつけて投稿することで、すごく楽しかったことや頑張ったこと、やってみたことを含めいつもと違う、一歩踏み出してみた経験などを表現できると言えます。
会話の中では「YOLO」とスラングではなく、「You only live once」と略さず使うことが一般的です。
ここまで世間に浸透した「YOLO」ですが、反行為などを正当化する主張の際に「YOLO」が使われアメリカ国内で問題になった背景もあります。
ちょうど「YOLO」が爆発的に流行していた2012年にTwitterで#YOLOを付けて反行為の自慢
をする人が急増してしまった過去があり、ワシントンポストの記事になってしまったこともあります。
人々に愛され前向きになれる意味をもつスラングだっただけに非常に残念と言えますね。流通するスラングは時として、このように国を巻き込み問題視される場合もあることが分かります。
YOLOはアルゴリズム
YOLOにはネットスラング以外にも使われていることが分かりました。
YOLOを日本語で訳すと「一度見るだけでいい」の意味をもつアルゴリズムなんだとか。
データの結果を統合し何の物体がその画像や写真の中に写っているかを特定できる技術があるもので、YOLOが開発される前のアルゴリズムは物体検出までに時間がかかってしまうことがデメリットとされていました。
しかしYOLOの開発により検出までにかかる時間が大幅に短縮され、更に細かく画像の検出ができるようになったことは現代において欠かせないAI技術と言えるでしょう。
様々な場所で取り入れており
〈例〉
- 飲食店や商業施設での顧客数把握
- セキュリティー対策として
顧客数を把握することでより経営・運営が効率的にできたり、監視カメラにYOLOの分析
を併せてすることで防犯面でも大活躍します。
導入コストがかかりますが、メリットも大きいため様々な企業で使われています。
YOLOが流行したきっかけ
「YOLO」が爆発的に流行ったのは、ある海外のアーティストの曲の歌詞の中に使われていたことが始まりです。
元々はYOLO自体は1980年代に登場していましたが、そこまで流通していませんでした。
しかし、2011年にカナダのラッパーDrake(ドレイク)が配信した「The Motto」 の歌詞の中に「YOLO」が入っていたことがきっかけで若者達の間で大流行したのは有名な話です。
以降様々なアーティストが楽曲の歌詞にYOLOを入れるようになったり、俳優のザック・エフロンが「YOLO」の文字のタトゥーを入れたことで話題にもなりました。そうしてネットだけでなく、様々な場所で見かけることが増えていった言葉です。
辞書にも載るなど、2014年にかけて世間にも浸透していき現在はアメリカを代表するネットスラングになりました。
YOLOの意味と似ているフレーズ
人生は一度きりと言われたり見かけたり、聴いていた曲の歌詞に出てきたりしたら、はっとするような言葉ですよね。
前向きでポジティブな考え方で、いわば魔法の様な用語ですが他にもそんな意味をもつフレーズがいくつかあるのでご紹介します。
carpe diem
意味は「その日を摘め」という意味があります。
carpe diem(カルペ ディエム)はラテン語で古代ローマの詩人であるホラティウスの詩の一部分に出てくる言葉として知られています。
下記はそれぞれの単語がもつ意味です。
- carpe:~を摘む(carpo)の命令形
- diem:日を意味する(dies)の目的語
「Carpe diem quam minimum credula postero」:明日のことはできるだけ信用せず、その日の花を摘め
上記の一文が歌集の中に登場します。
「一日の花を摘め」や「一日を摘め」と訳され、「今この瞬間を楽しめ」「今という時を大切に使え」と詩集の中で言っています。
Seize The Day
carpe diem(カルペ ディエムはラテン語ですがSeize The Dayと英訳することができます。
carpe diem(カルペ ディエムはラテン語ですがSeize The Dayと英訳することができます。
Seizeには「突然激しく掴む」や「奪う」といった意味があるため「その日をつかむ」と訳せます。このフレーズには今に着目しており、先のことを心配せずに今日を楽しもう、今日を最大限に生きようと訳せます。
Now or never
意味は「今しかない」という意味です。
単語の意味は
- now:今
- never:決して~ない
- or:さもなくば
という様に訳せます。
1500年代から流通し始めた表現で、現在では様々な楽曲の歌詞でも使われているフレーズです。
Life’s too short
意味は「人生は短い」という意味です。単語毎に分けて考えると
- Life:人生
- too:~すぎる
- short:短い
上記の意味になります。
ただ単に人生は短いという否定的な意味ではなく、人生は短いから楽しもう、〜してる場合ではない、など背中を押すような肯定的な場面で使います。
No day but Today
このフレーズは、ミュージカル「RENT」の劇中に歌の歌詞で登場し話題になりました。
意味は「今日、今の瞬間だけ」という意味があります。
No guts, no glory
単語それぞれの意味がもつ意味は
- guts:勇気、根性
- glory:栄光、名誉
上記の意味があります。全体では「勇気なき者に勝利なし」のように訳せます。
YOLOよりも強めの意味を持つため、アクション映画などでよく登場するフレーズのようですよ。
YOLOはもう古い!?
移り変わりや入れ替わりが激しいことが特徴と言えるネットスラング。
若者の流行に敏感なこともあり、様々な新しい用語をSNSで使います。
辞書にまで載ったYOLOですが、世間にすっかり浸透してしまったせいかネットスラングとしてはかなり古いと言われています。若者の間では既に死語扱いなんだとか。
しかし、さすが辞書に載っただけあり現在も「#YOLO」で投稿するユーザーも多くいます。
最近の若者に対して使ってしまえば「古い」と思われてしまうかもしれませんが、20代、30代はYOLO全盛期だったこともあり、違和感なく受け入れてくれるでしょう。
YOLOまとめ
今回は海外のネットスラング「YOLO」について解説・ご紹介しました。
YOLOはYou Only Live Onceを略した用語で「ヨーロー」と読みます。意味は人生は一度きりという様に訳しますが、その後にだからこそ楽しもう、挑戦してみよう、のような肯定的で前向きな意味としてSNSで使われています。
#(ハッシュタグ)をつけて投稿する場合は、すごく楽しかったことや頑張ったことなどを表現する際に使うことが一般的です。
メッセージやチャットでも文末にYOLOを加えることで形容詞として最高だったね、充実してたなどのような意味として使います。
会話の中ではYOLOと略して使うことは少なく、略さずに使います。
ラッパーの楽曲の歌詞が発祥元で、「YOLO」のタトゥーを入れる俳優が話題になったことを含め、国内で爆発的に流行したことが仇となり、2012年には反行為を正当化し自慢するためにTwitterで「#YOLO」で投稿する人も一時的に急増してしまい話題になりました。
問題視されてしまった「YOLO」ですが、現在はすっかり言語として定番化したようで、スラングとしては古いと言われています。
また、YOLOは他にもアルゴリズムとして有名なことが分かりました。物体を早くそして正確に検出できるよう改良されたアルゴリズム「YOLO」は、様々な企業で利用されています。
人を検知することでどの時間帯に人が多いのかが分かり、飲食店の運営や経営を助け、セキュリティーとして不審者を素早く検知したりと、コストはかかるもののメリットが多いことから導入する企業が増えているんだとか。
また、「YOLO」に似た意味のフレーズがいくつか存在しています。
- Seize The Day(carpe diem):この日をつかめ
- Now or never:今しかない
- Life’s too short:人生は短い
- No day but Today:今日、今この瞬間だけ
- No guts, no glory:勇気なき者に勝利なし
上記のフレーズはどれもだからこそ頑張ろう、挑戦してみよう、楽しもうとYOLOと同じく前向きな意味として使います。人々をポジティブにしてくれる素敵なフレーズですね。