カナダの大学数は約90校。教育水準は非常に高く、留学生からも人気を集めています。しかしその一方、入学基準が厳しく、特に留学生の入学はとても難しいものです。カナダの大学の特徴や種類、ハードルの高いカナダの大学に入る方法を紹介します。
目次
カナダの大学の特徴
カナダで「大学」というと、学位の授与が許可される4年制以上の大学を指します。カナダでは学位の授与が許可される大学数は約90校。日本の大学は、国立・私立など全て含め700校以上あるのに対すると、カナダの大学数は非常に少ないです。
どの大学も、各州政府の管轄下で存在しており、その学問水準は非常に高いのが特徴です。日本のような大学間での格差や社会的な評価の差はほとんどなく、希望の学部に入学することが重視され、大学名は問われないことが一般的になっています。
州立であることもあり、その州の現地の学生が優先されます。最近では緩和している傾向もありますが、留学生の入学数を制限している大学もあります。求められる語学力も非常に高いので、入学基準が厳しく留学生の受け入れ枠も小さいので、まずはコミュニティカレッジを経由して編入するなどの方法も検討すると良いでしょう。
規模と取得できる学位で見る大学の種類
カナダの大学は、大きく3つに分かれます。
一つ目は大学院博士課程のある大学。大規模な総合大学で、大学院博士課程プログラムをもち、医学部や工学部などがあります。高度な研究活動を展開している大学なので、高度な研究をしたい人向けの大学です。
二つ目は、大学院レベルの学部大学。学部、大学院レベルでMBAなどの学位を含む広範囲のプログラムを擁している大学です。ほとんどの場合、医学部はありません。規模は中規模なので、総合大学の規模と比べると留学生によってなじみやすい環境です。
一つ目は、学部教育を重視する大学。特定の学部のみを擁し、その分野に関して集中して学ぶことのできる大学です。学生数は3000人程度と小規模で、クラスも少人数制であることが多いのが特徴です。そのため、一人ひとりに行き届いた教育が期待できます。人文系の学部が充実しており、カナダ東部に多くあります。
履修課程と取得できる学位
同様、大学には、「学士」「修士」「博士」の3課程があります。大学によっては、学士課程のみの大学もあるので、修士の学位をとるとなると、修士課程のある別の大学の大学院に進むことが必要になります。
学士(Bachelor’s Degree)
通常3~4年で履修が可能です。3年過程で一般学士(General Pass Degree)、4年間の履修で優等学士(Honour’s Degree)を取得できます。
修士(Master’s Degree)
優等学士を取得した後、1~2年の履修で取得が可能です。修士論文や面接試験などの審査を経て授与されます。
博士(Ph.D)
修士号を取得した後、一般的には3年が必要です。しかし、博士号の取得は非常に難しいため、平均的には4~5年かかります。博士号の取得には、研究の実績や論文作成が求められます。
学士・修士・博士以外にも、ディプロマ(Diploma)とサーティフィケート(Certificate)があります。いずれも最短1年で特定の学科の修了資格が与えられます。ディプロマよりもサーティフィケートのほうが短期で、学習する範囲も狭まります。
カナダの大学への入学資格
入学資格は学校やコースによって異なります。日本とは異なり、入学時に試験はありません。
語学力は、TOEFL(iBT)で79~80、IELTSで6.5以上程度が目安となります。中には、条件付き入学を強化する大学もあります。条件付き入学とは、語学力が足りない場合に、大学指定の語学学校に入学し、一定のレベルに達すれば大学への入学を許可するという制度です。
語学力に不安があり、希望する大学が条件付き入学を許可している大学であれば、条件付き入学の制度も視野に入れておくと良いでしょう。語学力以外の入学条件は、12年間の初等・中等教育を修了していることや、高校の成績が5段階評価で4以上であることなどがあります。
カナダの大学の教育水準はとても高く、留学生からも人気のカナダですが、高校卒業後に直接大学へ入学するのは実はとても難しいのです。
入学のハードルが高いカナダの大学に入るには
カナダの大学への入学基準は高いもの。しかし、入学するためのルートは直接出願する以外にもあります。個々の語学力のレベルに合わせて大学入学までのルートを検討すると良いでしょう。
直接出願をする
最もストレートな方法は直接出願する方法です。高校時の成績や語学力など、入学に必要な条件がそろっていれば直接出願するのが良いでしょう。学校によっては留学生の入学数を制限しているところもあるので、事前に確認しておくようにしましょう。
条件付き入学の制度を利用する
直接出願することが難しい場合、条件付き入学の制度がある大学を選ぶと良いでしょう。ただし、条件付き入学の制度がある大学は少数ですので注意しましょう。条件付き入学の制度は、大学が指定する語学学校へ入学し、一定レベルを達成すれば大学への入学を許可するというものです。語学力のみが入学条件に足りていない場合、このような制度を利用することをおススメします。
コミュニティカレッジを経由する
コミュニティカレッジには、大学編入のコースを設けているところがあります。大学編入コースでは、大学の1,2年次で学ぶ一般教養課程の授業も行っています。そのため、一般教養課程をコミュニティカレッジで学び、その後大学に編入するという方法をとることもできるのです。
コミュニティカレッジのほうが入学のハードルは低く、かつ費用も大学よりも安いため、コミュニティカレッジ経由のルートを検討してみても良いでしょう。しかし、コミュニティカレッジの大学編入コースに入ったからといって必ずしも大学に編入できるとは限らないということは覚えておきましょう。
まとめ
カナダの大学の教育水準はとても高く、留学生からも人気が高いもの。しかし、入学基準は厳しく、実は入学が難しいのです。
大学への入学方法は、直接出願だけでなく、条件付き入学の制度を利用したり、コミュニティカレッジを経由して編入したりするという方法もあります。
志望する大学に入学するための条件を満たしているかどうかは、直接大学に問い合わせてみるのが良いでしょう。
基準が高く、入学が難しい場合は、どのルートであれば最終的に大学で学ぶことができるかを確認しておくようにしましょう。自分で探すのが難しければ、留学エージェントに相談してみてはいかがでしょうか。