英語にはさまざまなスラングがありますよね。では、「wired」という言葉がスラングで使われていることはご存知でしょうか。
ネイティブならほぼ誰でも理解できるスラングである「wired」ですが、それほど頻繁に使われるわけではないため、知らない人もいるでしょう。
そこでこの記事ではスラングのwiredについてその意味や使い方、そして類似表現などをご紹介します。英語のスラングのレパートリーを増やしたい人は、ぜひ参考にしてくださいね。
【目次】
1.Wiredの意味とは?
Wiredはスラングとしてではなく、一般的な英単語としても使われています。ですからまずはwiredの元々の意味もあわせてご紹介していきます。
wiredの元々の意味
スラングではない一般的な英語の「wired」には以下のような意味があります。
- 配線された、有線の
- 接続された
- ワイヤを張った
- マイク・盗聴器を取り付けた
上記を見てもわかるとおり、wiredはワイヤや線が関連するような、何かと何かを繋いだ状態を表す単語です。
ちなみにwiredは形容詞ですが、名詞のwireだと、ワイヤや電線、針金という意味になります。動詞の場合は「ワイヤを結ぶ」「配線する」などですね。
こうした一般的な英語の範囲のwiredも、それほど頻出というわけではありませんが日常英会話の中で普通に使われています。ですから、耳にしたwiredが一般的な意味なのか、スラングなのかを見極めるために、一般的なwiredの意味も捉えておきましょう。
スラングで使われるwiredの意味
一方、スラングで使われるwiredには、下記のような意味が含まれます。
- 興奮した
- 神経が昂った
- 覚醒した
- 麻薬でハイになった
「麻薬」なんてちょっと怖い言葉も出てきていますが、海外では日本よりもドラッグが手に入りやすく、ドラッグが違法とされている地域でも、日本に比べるとドラッグ使用者が圧倒的に多いです。
そのため、こうしたスラングも生まれているのですね。友達同士なら、ちょっと変なテンションになっている人に「薬でもやったの?」なんて言い合うこともあります。
他の「興奮した」「神経が昂った」「覚醒した」という意味のwiredも、しばしば使われるスラングです。
このスラングのwiredについて、ケンブリッジ英英辞典では下記のように定義されています。
nervous or excited, for example because of a future event, or because you have drunk coffee or taken drugs:
(例えば将来の起こる出来事・イベントに対して、またはコーヒーを飲んだり薬物を摂取したりした結果、緊張したり興奮したりする状態)
(引用元:Cambridge Dictionary)
つまり、その興奮状態を引き起こしている原因がなんであれ、緊張して神経が昂っているような状態のときにスラングのwiredが使われているわけです。
ですから、wiredを使ったからと言って、麻薬を使ったわけではありません。その興奮の引き金となっている原因は特定されておらず、シチュエーションによって異なるのです。
2.スラングのwiredの使い方を例文で覚えよう!
ではここからは、スラングのwiredを使った例文を日本語訳とともにご紹介します。こちらを参考にすれば、wiredを使う感覚が掴めるかもしれません。
例文1
A: I couldn’t sleep last night, I was too wired.
B: Why? What happened?
A: I have an important job interview this afternoon.
(日本語訳)
A: 昨夜は興奮しちゃって眠れなかったよ。
B: なんで?どうしたの?
A: 今日の午後、大切な面接があるんだ。
こちらのwiredは、重要な面接を控えて緊張してしまい、ドキドキして眠れないというシチュエーションですね。wiredはそれ単体で下品もしくは乱暴なスラングというわけではないため、こうした平和な会話の中でも使われます。
例文2
Caffeine makes me really wired, so I don’t drink coffee.
(カフェインを摂るとすごく興奮しちゃうから、コーヒーは飲まないんだ。)
普段あまりカフェインを摂らない人は、たまにコーヒーを飲むと頭がギンギンに冴えてしまって、興奮状態……なんてこともあるでしょう。そんな状況は、wiredを使うのにぴったりなシチュエーションです。
例文3
A: Did you see John today? He seemed really wired as if he was on drugs or something.
B: Oh, it’s not drugs but alcohol. He gets drunk very easily.
(日本語)
A: 今日ジョンを見た? 彼はドラッグでもやってるみたいに、ヤバいテンションだったよ。B: ああ、それはドラッグじゃなくてアルコールだよ。 彼はかなり酔いやすいから。
ドラッグに関するwiredは、実際にドラッグを摂取していなくても、こんな例え話のような形でも使われます。むしろ日常英会話の中では、こちらの使い方に出くわすことが多いでしょうから、こんな使い方もすると覚えておきましょう。
3.スラングのwiredを使うときの注意点
wiredはそれほど頻繁に使われるわけではないスラングであるため、使うときには注意が必要な点もあります。
ここからはそんなwiredを使うときの注意点を解説していきます。
weirdと間違えやすい!
wiredはweirdとスペルがとてもよく似ていることに注意しましょう。weirdは「奇妙な」「変な」などを表す英単語ですが、よく見ないと違いがわからないくらい、スペルが似ていると思いませんか?
通常のwiredの意味はワイヤや接続に関することなので、もしスペルミスをしてもスペルミスだと気づいてもらえるでしょう。
しかし、スラングのwiredの場合は、weird(奇妙な)に置き換えても意味が通じることがあるため、テキストチャットなど書き言葉でコミュニケーションをしているときには注意が必要です。
上記で使った例文3から一文抜粋し、wiredとweirdの場合をそれぞれ見比べてみましょう。
wired: He seemed really wired as if he was on drugs or something.
(彼はドラッグでもやってるみたいに、ヤバいテンションだったよ。)
weird: He seemed really weird as if he was on drugs or something.
(彼はドラッグでもやってるみたいに、変な感じだったよ。)
どうでしょうか。彼がどうだったかについてのニュアンスは異なりますが、別にどっちであっても意味は通じてしまいますよね。
明らかにどちらかでしか取れない場合は、スペルミスに気づいてもらえるのですが、こうしたケースもあることを想定して、スペルミスには気をつけてくださいね。
親しい相手のみに使うこと
wiredはスラングですから、フォーマル・ビジネスシーンでは使うのに適していません。さらに、あまり親しくない相手に対しても、使うのを控えた方が良いでしょう。
つまり、使う相手は親しい友人や家族のみ。カジュアルシーンであっても、まだ会話をするときに緊張してしまう相手に使うのは避けておきましょう。
意味が伝わらない相手もいる
wiredはネイティブならほとんどの人が理解できるスラングです。しかし、ネイティブではない人や、wiredというスラングを使わない地域の人たちは、wiredというスラングを知らない可能性があります。
おそらく、英語が上級レベルの日本人でも知らない人が多いでしょう。
ですので、意味が伝わらない相手もいることに注意。相手の英語レベルがわからない場合は使うのを控えた方が賢明です。
相手がスラングのwiredを使っているのを見聞きした場合のみ、自分からも使うようにすると良いかもしれませんね。
4.スラングのwiredの類似表現
前述で少し触れているとおり、英語で会話をする相手であっても、スラングのwiredが通じない人もいます。
そんなときにwiredを使わずに同じことを表現できるように、いくつか類似表現を覚えておきましょう。
スラングのwiredに似た表現を下記にリストアップしてみました。
- nervous(緊張した、神経が昂った)
- excited(興奮した)
- edgy(緊張した、落ち着かない)
- jumpy(心配で落ち着かない ※怖いときや何か悪いことをした時に使う)
- tense(緊張した、心配した)
- worked up(動揺した、非常に更新した)
- wasted(酒に非常に酔った、ドラッグでふらふらになった)
この他にも、シチュエーションや言い表したいニュアンスによって色々あるかもしれませんが、ひとまずこれくらい知っておけば、wiredを使わなくても同じようなことを表現できるでしょう。
いくつか使いやすそうなものを覚えておいてくださいね。
5.wiredは意外と便利なスラング!
誰しも、緊張で神経が昂って落ち着かないときや、そわそわしてしまう時があるはずです。明日大事な試験がある、とても会いたかった人に会える、心待ちにしていたイベントが開催される、はたまたたくさんカフェインを摂取してしまうなど、シチュエーションはさまざまでしょう。
wiredはそんなそわそわ落ち着かない感じを言い表せる便利なスラング。使い方や使いどころに気をつけつつ、自分でもぜひ使ってみてくださいね。