Fraternity(フラタニティ)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。アメリカやカナダの大学に留学する予定の人なら、一度は耳にしたことがあるかもしれませんね。
しかし、アメリカやカナダへの大学留学を希望している人でも、Fraternityの存在を知らない人もいるでしょう。
そこでこの記事ではFraternityとはどういうものなのかを詳しくご説明していきます。特にアメリカやカナダの大学に留学を予定している人は、Fraternityに関わることもあるかもしれません。
この記事を参考にFraternityのことを知っておけば、留学が実現した際に戸惑うことがなくなるかもしれませんよ。
1.Fraternityとは?
まずFraternityとは何かをご説明しましょう。
ケンブリッジの英英辞書では、fraternityをこう定義づけています。
1. a group of people who have the same job or interest
(同じ仕事や興味を持つ人々の集まり)
2. a social organization for male students at an American or Canadian college
(アメリカやカナダの大学における、男子学生たちの社交団体)
(参考元:https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/fraternity)
この定義を見てもわかるとおり、fraternityとは人々の集まり・グループを表す名称です。そして、特にアメリカやカナダの大学では、男子学生の社交団体の呼称として使われています。
ちなみに女子学生にも同様の社交団体があり、そちらはソロリティと呼ばれます。今回ご紹介するのは男子学生向けのfraternityなので、女性はソロリティに関する情報を調べてみてくださいね。
2.アメリカやカナダの大学におけるFraternityの特徴
社交団体と言われても、ピンとこない人も多いはず。日本の大学のサークルのようなものをイメージする人もいるかもしれませんが、fraternityはサークルよりもちょっと厳しいイメージの団体です。
そこでもう少しイメージを明確にするために、fraternityがどんなものなのか、その特徴をまとめてみました。
メンバー同士の結束が固い
アメリカやカナダの大学では、Fraternityが複数存在しています。それぞれのfraternity内のメンバー同士は結束が非常に固く、仲間意識や絆でしっかり結ばれているといっても過言ではありません。
一緒に何かをするという点が重視されているため、fraternityで行動している際には、勝手な行動は慎むべきですし、他メンバーに対しても敬意を持った対応が求められます。
メンバーになるためのプロセスがある
Fraterniyのメンバーになる場合、すぐに入会できるわけではなく、長いプロセスをふむことになります。このプロセスは入会審査のようなものですね。
実際に希望するfraternityに入った場合、どんな生活になるのかを体験しつつ、既存メンバーたちからメンバーの一員としてふさわしいかどうかを審査されます。また逆に、自分がそのfraternityに合っているかどうかを見極める期間でもあります。
入会希望をしたとしても、このプロセスの間にお断りをすることも可能です。
フラタニティごとに独自のルールがある
各Fraternityでは、グループごとに独自のルールが定められています。ルールと言っても、非常識なものや厳しすぎるものはありませんが、たとえば、fraternity内で話したことは口外禁止だったり、fraternity独自の挨拶があったりします。
どこかのfraternityに属した場合は、そのルールをしっかり守る必要があります。
定期的にフラタニティ内のパーティーがある
Fraternityのメンバーになったら、定期的に行われるパーティーに出席するようになります。これは、よく海外ドラマなどで見るホームパーティーのようなものが多いようです。
時間の拘束が長いことも
Fraternityはパーティーをするだけが目的ではありません。パーティーはあくまで親睦を深めるために行われており、メンバーで集まってボランティア活動をしたりなど、社会貢献ができる活動をするのです。
Fraternityによっては、こうした活動の頻度が高すぎて、時間の拘束が長い場合もあります。それを受け入れられるかどうかは、正式入会までのプロセスで体験できますから、自分の生活と相談しつつ、入会するかどうかを決めましょう。
3.Fraternityのメンバーになるためのステップ
ではここからは、Fraternityのメンバーになるためのステップをご紹介しましょう。大学ごとにこのステップは多少異なりますが、ここではよくある流れをご説明します。
入会希望の申し込みをする
Fraternityがある大学では、学期の始まりにメンバー募集が行われます。メンバー募集が行われたら、入会希望の申し込みをしましょう。
フォームなどが用意されていますから、これに書き込めば入会希望は完了です。
ちなみにFraternityに入会するためには、成績などの条件があります。この条件に合っていない場合は、そもそも入会希望ができないため、どんな条件があるかは事前に確認しておきましょう。
メンバーからパーティーに誘われる
入会の申し込みをし、書類審査のようなものに合格すれば、メンバーからパーティーへのお誘いがあります。このパーティーは一般的に「ラッシュイベント」と呼ばれています。
このパーティーに参加することで、そのfraternityの雰囲気を体験することができます。
もしもパーティーに参加してみて合わないと思えば、そのfraternityに入会する必要はありません。また、入会したと思ったとしても、既存メンバーたちがOKを出さない場合もあります。
招待状が届く
パーティーで既存メンバーたちからメンバー候補として認められれば、招待状が届きます。すでにそのfraternityには入会しないと決めたのなら、招待を受ける必要はありません。
もしもまだ入会したいと思うなら、ここで招待を受ければ、仮入会という形でそのfraternityに参加することができます。
正式メンバーになるまでのイベント・課題をこなす
仮入会をしたら、正式メンバーになるまでさまざまなイベントに参加したり、課題をこなしたりします。この間に、「やっぱり入会したくない」と思えば、その時点で入会を取りやめることが可能です。
晴れて正式メンバーに!
上記のイベントや課題をすべてこなしたら、晴れて正式メンバーとして認められます。
ここまでに数ヶ月時間がかかることもあり、意外と入会までのハードルが高いのがfraternity。日本のサークルなどとは雰囲気が違うことがわかるでしょう。
4.Fraternityに関するQ&A
まだまだfraternityに関して疑問が残る人もいるはず。そこでここからは、多くの人が抱きそうな疑問に、Q&A形式でお答えしていきます。
留学生でもメンバーになれる?
Fraternityは留学生でも入会できます。ただし、入会条件をクリアしていない場合は、メンバーにはなれません。
どの大学にもFraternityがある?
実は近年、fraternityという文化はやや廃れてきている傾向があります。大学によっては学生が勉学に集中できるよう、fraternityを廃止してる大学も。
ですから、留学を希望する大学にfraternityがない場合もあるでしょう。
Fraternityは脱退することもできる?
Fraternityの活動への参加が難しくなってきたら、「Go inactivate」という形で事実上の脱退ができます。形式上は、少し距離を取る形ですが、そのまま参加せずに大学を卒業することも可能です。
Fraternityのメンバーになるメリットはある?
Fraternityのメンバーになれば、留学中に友達がいない・孤独を感じるなどの悩みがなくなるでしょう。メンバー同士の結束が固いため、一生物の友達ができる場合もあります。
また、日本にはないfraternityという文化を体験できるのも、メリットのひとつではないでしょうか。
5.アメリカやカナダ独特の文化Fraternityを体験してみよう!
アメリカやカナダの大学への留学を希望している人は、行きたい大学にfraternityがあるかどうかを調べてみましょう。もしもあれば、入会するかどうかは別として、入会までのプロセスは経験してみても良いかもしれません。
日本ではみられない文化ですから、体験してみれば学ぶことも多いはずですよ。Fraternityが自分に合えば、一生物の経験になることでしょう。