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イギリスやオーストラリアに滞在していたり、現地の人と英語で会話をするなかで、「cuppa」という言葉がでてきて戸惑った方もいるでしょう。
「cuppa」は、イギリスとオーストラリアで使われているスラングの英単語です。
この記事では、「cuppa」のいみや使い方についてわかりやすく解説します。
さらに、イギリスとオーストラリアで使われていて、少しユニークで知っておくとネイティブのようになれるスラングをまとめました。
1.「cuppa」の意味は?
「cuppa」は、「cup of tea」の略であり、日本語で「紅茶一杯」を意味します。
単体で「cuppa?」と使えば、「これからお茶しない?」というカジュアルな誘いになるほか、英単語を組み合わせることも可能です。
・wanna a cuppa?
・fancy a cuppa?
・Would you like a cuppa?
・Do you want a cuppa?
色々な聞き方がありますが「Would you like a cuppa?」と「Do you want a cuppa?」は、「紅茶を1杯いかがですか?」という意味にもなります。
アメリカではカフェといえばコーヒーというイメージがありますが、イギリスやオーストラリアでは、日本同様に紅茶やお茶の文化が盛んです。
2.「cuppa」が持つもう一つの意味
「cuppa」は、「紅茶1杯」以外にも「好み」「趣味」「特技」を意味する英単語としても使われています。
Baseball is not my cuppa. I am a big fan of football.(野球は私好みではない、サッカーファンだからね)
she is just my cuppa.(彼女のことが好き=彼女は僕のタイプだ)
Well, she is nice but not my cuppa.(彼女は素敵だけど、タイプではないなあ)
English is not my cuppa.(英語は得意じゃない)
肯定文でも使われる場面がありますが、大半は否定の意味で使われています。
なぜイギリスとオーストラリアで使われているの?
英語のスラングでありながら、なぜイギリスとオーストラリアのみで頻繁に使われているのでしょうか。
まず、「cuppa」を意味する「cup of tea」をみてわかる通り、紅茶に関するスラングですので、紅茶を愛でるイギリス人が使うのは納得です。
また、歴史的な背景を見ると、オーストラリアはイギリスに植民地支配されていた過去があります。
そのため、オーストラリア英語は独自の進化を遂げているとともに、イギリス英語の影響を強く受けている国なのです。
その結果、「cuppa」のようなイギリスで使われているイギリスにまつわる英語のスラングがオーストラリアでも流通しています。
3.イギリスで使われている英語のスラング
イギリス人が頻繁に使う英語のスラングを見ていきましょう。
Bollocks
Bollocks(ボラックス)は、「くだらない」「バカバカしい」というニュアンスをもつイギリス英語のスラングです。
ちなみに直訳すると、男性器を意味するため、下品な言い回しでもあります。
イギリスは、皮肉をよくいう国柄というイメージがあると思いますが、口が悪い人はとことん悪いのも特徴的です。
とはいえ、ネイティブではない立場で下品な言葉をむやみに使うと、悪い印象を与える可能性があります。
ジョークが通じる間柄のみで使うようにしましょう。
Ta!
Ta!(ター)は、「ありがとう」をよりカジュアルにして「どもっ!」というニュアンスをもつイギリス英語のスラングです。
口語のコミュニケーションではもちろん、テキスト上でも頻繁に使われています。
オーストラリアで使われることがありますが、アメリカとカナダでは全く使われていないため、伝わらない可能性があります。
Bonkers
Bonkers(ボンカーズ)は、「頭がおかしい」「クレイジーだ」「狂ってる」というニュアンスをもつイギリス英語のスラングです。
「crazy」や「insine」の言い換えとして有効で、ネガティブな時だけに使うのではなく、ポジティブな意味でも使われています。
奇想天外なアイデアを出した人や、大きな成果を成し遂げた人に対して言えば、「すごいよ」「信じられないよ」という意味に変わります。
Chuffed
Chuffued(チャフ)は、「嬉しい」や「楽しい」というニュアンスをもつイギリス英語のスラングです。
「plupmp」と同じような意味で使われており、何かしら派生した関係性がありそうですが、具体的な語源についてはわかっていません。
語尾に「ed」がついているため、受動態として「I am chuffed.」と使うことができます。
Dodgy
Dodgy(ドジー)は、「怪しい」「どうして」というニュアンスを持つイギリス英語のスラングです。
イギリス英語の影響を受けた国では頻繁に使われていますが、アメリカ英語では「shady」「sketchy」「fishy」などが代わりに使われています。
1990年のストリートスラングが語源となっており、カジュアルな関係性であれば、ふざけあうような感覚で使うことができます。
Bagsy
Bagsy(バッジー)は、「私が先に!」というニュアンスをもつイギリス英語のスラングです。
1950年代に出版され、実写映画化もされたイギリスの物語『パディントン』にたびたび登場している英単語です。
ただし、大人は使わない表現で、やや赤ちゃん言葉に近いですので、こういうものがあるんだと覚えておくだけで、使うことはないようにしましょう。
もしくは、友達の家の子どもとの会話で使うのはOKです。
ハンティングで得た獲物をバッグに入れる表現の「to bag ○」が「bagsy」に変換されているのが語源とされています。
子どもたちがお菓子を見つけて「これは私のだからね!」と主張するときに使われているので、わがままをいうとき、少し強めに相手に主張するときに有効です。
Quid
Quid(クゥイド)は、1ポンドコインを意味するイギリス英語のスラングです。
馴染みがないかもしれませんが、イギリスでの生活が長くなれば、わざわざ学ばなくても自然と身につくほど一般的に使われています。
いやでも覚えることになるでしょうが、事前に知っておけば混乱することはありません。
もちろん「pond」ということもできますが、「quid」を使う人が多いです。
ちなみに「2ポンド」は「two quid」で、最後に複数形の「s」はつきませんので、注意が必要です。
Skive off
Skive off(スカイブ オフ)は、「サボる」を意味するイギリス英語のスラングです。
留学中は、パーティーをしたり、アサインメントの提出に追われたり、目まぐるしい日々の中で、ついつい授業をサボりたくなってしまうこともあるでしょう。
そんなとき、通常の英語を使うのであれば「skip the class」を使うかもしれません。
しかし、イギリス英語では「skip the class」の代わりになるスラングとして「skive」という言葉が使われています。
「スキップ」と「スカイブ」で若干音が似ているのもポイントです。
Gutted
Gutted(ガテッド)は、「がっかりした」「幻滅した」というニュアンスをもつイギリス英語のスラングです。
おもにスポーツの場面で使われていますが、似た意味を持つ「I disappointed」とは比にならないほど強いニュアンスがあります。
というのも「I am gutted.」を直訳すると「私は、はらわたを抜き取られた」となるため、がっかりした場面で自分自身や相手に使います。
たとえば、致命的なミスのせいでチームが負けたとき、本領発揮できずに成果を出せなかったときなどの場面が適しています。
励ますニュアンスは含まれていませんので、使う場面は選ばなくてはなりません。
4.オーストラリアで使われている英語のスラング
オーストラリア人が頻繁に使う英語のスラングを見ていきましょう。
Aussie
Aussie(オージー)は、オーストラリア人を意味するオーストラリア英語のスラングです。
「オージー」は日本でもたびたび使われている表現で、知っている方も多いでしょう。
ちなみに、「オージー」は人以外にも「オーストラリア製の」「オーストラリア産の」「オーストラリアの」などものに対する由来を指すこともあります。
Straya
Strays(ストラーヤ)は、オーストラリアを意味するオーストラリア英語のスラングです。
オーストラリア人たちは、自分たちの国に対して愛情をこめて表現したいとき、「ストラーヤ」と言います。
Maccas
Maccas(マッカーズ)は、世界的に有名なマクドナルドを短縮した愛称です。
日本では「マック」「マクド」という人が多いですが、オーストラリアでは、「マッカーズ」と言います。
オーストラリアの一部店舗では、「McDonald」ではなく「Maccas」と表記されているものもあるほど、公式で読み方が認知されています。
日本で「マック」「マクド」という看板を見ることはありませんので、オーストラリアでしか見られない「Maccas」の看板を探してみましょう。
Heaps
Heaps(ヒープス)は、「たくさんの」を意味するオーストラリア英語のスラングです。
この言葉は、幅広い世代に浸透していますが、オーストラリア人は英語圏の人ならみんな使っていると勘違いしているそうです。
もちろん、アメリカやイギリスなどでは使われない言葉ですので、オーストラリアのみで使いましょう。
ニュアンスとしては「まじで」「めっちゃ」のように砕けた表現として認識すれば問題ありません。
「a lot」や「many」に置き換えて使いましょう。
Sunnies
Sunnnies(サニーズ)は、サングラスを意味するオーストラリア英語です。
オーストラリアは、特に紫外線が強く、オゾン層の破壊による皮膚被害が多い地域のため、目を守るためにサングラスなどの日焼け対策は必須です。
Sunny(晴れた)の複数形で「Sunnies」をサングラスと呼ぶのは粋で、ワクワクさせてくれます。
Barbie
Barbie(バービー)は、バーベキューを意味するオーストラリア英語のスラングです。
バービー人形の「Barbie doll」とスペリング・発音が同じため、言葉のニュアンスからバーベキューのことか、バービー人形のことかを聞き分けます。
また、SNSなどのテキストでは「BBQ」と書く場合が一般的ですので、口語のコミュニケーション時に使いましょう。
5.まとめ
この記事では、「cuppa」の意味について解説しました。
「cuppa」は、主にイギリスとオーストラリアで使われている英語のスラングであり、「1杯の紅茶」を意味します。
気軽にお茶に誘いたいときにも「cuppa?」だけで通じるので便利です。
また、イギリスやオーストラリアで使われている独自のスラングについてもお伝えしました。
その国独自で発達しているスラングも、滞在中はたくさん使っていきましょう。