「good grief」という表現を聞いたことがあるでしょうか。海外ドラマや映画などに親しんでいる人なら、聞いた事があるかもしれませんね。
それほど使用頻度は高くないものの、日常会話の中で使われることもある「good grief」という表現。意味を理解しておけば、ネイティブスピーカーとの会話の際に、スムーズに話を理解できるでしょう。
そこでこの記事では、「good grief」の意味や類似表現をご紹介します。こちらを参考にすれば、「good grief」が自分でも使えるようになるかもしれませんよ。
good griefとは?
まずはgood griefとは何なのか、その意味などについてご紹介しましょう。
good griefの意味
good griefという表現には、さまざまな日本語訳が考えられますが、下記に主な意味をリストアップしてみました。
- これは驚いた!
- これは大変だ!
- なんてこった!
- やれやれ
- あーあ
この他にも、文脈によってさまざまな意味になりますが、上記のリストからもわかるとおり、good griefは感情を表すフレーズです。
驚きの気持ちを表す表現ですが、ただの驚きではなく、ネガティブな気持ちになったときに使われます。たとえば呆れたときや、嫌な気持ちになったとき、落ち込むようなことがあったときなどですね。
以下の例文も参考にしてみましょう。
例文
Good grief! I left my new umbrella in the taxi!
(大変!新しい傘をタクシーに忘れてきちゃった!)
ちなみに「grief」単体では、「深い悲しみ」「苦悩」「悲痛」といった、ちょっと痛々しい雰囲気の意味となります。ですがそこに「good」をつけると、それほどまでに深刻な悲しみや悲痛は感じられません。
なので、「good grief」は日本で言うなら「あーあ、残念」くらいのテンションで使うのが適しています。
good griefは間投詞
good griefは単体で使えるフレーズですが、これだけだと文法ルールなどが見えてきませんね。それもそのはず。この表現は間投詞なのです。
間投詞というのは、一言で感情を表すことができるもののことです。日本語だと感嘆詞と呼ばれることもあります。ちなみに英語だとinterjectionと呼ばれ、辞書ではしばしば「interj.」と略語で記載されています。
例を出すと、「Oh」や「Boo」なども間投詞ですし、フィラーと呼ばれる「えーと」「あのー」などにあたる「well」「you know」なども間投詞の仲間です。
一言で感情を表すことができるものなので、あまり文法ルールは考えず、これだけで使えるものなのだとフレーズを丸覚えすると良いでしょう。
Oh my god!との違い
good griefというのは、驚きの気持ちを表す間投詞のひとつというのは、ここまでご紹介したとおりです。
驚いた気持ちを表す間投詞に「Oh my god!」というものがありますが、good griefとの使い分け方法に悩んでしまう人もいるでしょう。そこで、この2つの違いについても簡単にご説明します。
good griefはネガティブな感情が伴う驚きの感情を表すのに使われる間投詞です。この「ネガティブ」というところがポイントになります。
なぜかと言うと、oh my god!は、ポジティブな感情のときもネガティブな感情のときも使える間投詞だからです。
この2つは驚きの気持ちを表すのに使えるという点は共通しているのですが、oh my god!の方が使える範囲が広いんですね。嬉しくて叫び出しそうなときにも、oh my god!は使われますが、同じ状況でgood griefを使うと、心配されてしまうかもしれません。
アニメなどでも出てくるgood grief
アニメが好きで、英語の勉強のために英語字幕や英語吹き替えでアニメを見ている人や、スヌーピーが好きな人なら、一度は「good grief」という表現を見たことがあるのではないでしょうか。
ここからは、特に「good grief」という表現が使われるPeanutsとジョジョの奇妙な冒険を取り上げ、どのようにgood griefというフレーズが扱われているのかをご紹介します。
Peanuts(スヌーピー)
スヌーピーが出てくるPeanutsという漫画では、チャーリーブラウンがよく使う決まり文句として「good grief」が知られています。
チャーリーブラウンがこの言葉を言っている状況を見ると「あーあ」「困ったな」「やれやれ」といった雰囲気が漂っていることに気づくでしょう。
結構な頻度で使われていますから、good griefのニュアンスを知りたい人は、Peanutsをチェックしてみてくださいね。
ジョジョの奇妙な冒険
もう一つピックアップしてご紹介するのは、「ジョジョの奇妙な冒険」というアニメです。こちらは漫画が原作となっているのですが、アニメの英語字幕に「good grief」というフレーズがよく出てきます。
これは、シリーズを通して出演頻度の高い承太郎の口ぐせである「やれやれだぜ」に当てられた英語訳です。
元が日本語のアニメの場合、英語吹き替えと英語字幕は訳が異なるため、吹き替えの方では「やれやれだぜ」に「good grief」はそれほど当てられておらず、状況に応じて内容が変わっています。ですが字幕の方は「good grief」に統一されているため、ジョジョの奇妙な冒険を英語字幕付きで見ていれば、この表現を何度も目にすることもあるでしょう。
ただ、この「やれやれだぜ」にgood griefがぴったりなのかは正直難しいところです。英語圏では「good grief」を口癖とするチャーリーブラウンというキャラがすでにいますし、実はgood griefはちょっと古めかしい言い回しのため、若者は使わないからです。
ジョジョの奇妙な冒険に出てくる承太郎は、出てきた当時は学生ですから、若者言葉の方が合っているのかもしれません。しかし、承太郎が漫画の中で活躍していたのは、1990年代初頭のことですから、少々古めかしい感じのする「good grief」はぴったりな表現なのかもしれませんね。
good griefに似た表現
good griefにやや古めかしい雰囲気を感じたり、年配の人が使うイメージがあったりするネイティブスピーカーがいるのは事実です。
ですから、できるだけ時代に合った表現をしたいと思う人は、なるべく使うのを避けたいと思うかもしれませんね。
そこでここからは、good griefに似た間投詞をご紹介していきます。「あーあ」「大変だ!」なんて言いたいときに使える表現を集めてみたので、good griefを避けたい人は、こちらを使ってみると良いでしょう。
Come on!
Come on!には色々な使い方があります。ただこっちに来て欲しい時や、急いで!と言いたいときに「Come on!」と声かけをすることもあれば、「いいじゃん、やろうよ」と相手を説得しつつ誘うようなときにも使います。
ですが、何か信じられないようなことが起こったときに「まさか!」「なんてこと!」のような感じでも使えます。たくさんの意味があるため、ちょっと使いどころが難しいかもしれませんが、「あーあ」というよりは「それは大変だ!」「まさか!」という気分の時に使ってみてくださいね。
No way!
No way!は「まさか」「そんな」「ありえない」「いやだ!」などの気持ちを表せる間投詞です。
こちらも「あーあ……」という軽めの落胆ではなく、なんてこと!とネガティブな方向に驚いたときに使える表現ですよ。Come on!とも似ています。
Come onに比べると、意味の幅が狭いため、good griefの代わりに使うなら、こちらの方が使いやすいかもしれませんね。
Oh no!
Oh no!は、知っている人もいるでしょう。こちらも「まさか」「なんてこと」「大変!」といった雰囲気のある間投詞です。
力強く言えば「大変!」「なんてこと!」という雰囲気が出ますし、弱々しく「oh no…」と言えば、「あーあ」「ああもう」という雰囲気が出ます。
言い方によってテンションが変わりますが、good griefの代わりに使うにはぴったりな言葉ではないでしょうか。
Give me a break!
直訳すると「休みをくれ」となるこのフレーズですが、「かんべんしてよ」「いい加減にして」「許して」「冗談だろ」「まさか」などの意味があります。
うんざりした時やあきれた時なんかに使える表現で、good griefの代わりに使うなら、「あーあ」「やれやれ」という気持ちを表したいときに使うと良いでしょう。
good griefはネガティブな驚き・落胆を表す間投詞
good griefをスラングだと思っていた人もいるかもしれませんが、文中でも解説したとおり、こちらはネガティブな驚きや落胆の気持ちを表せる間投詞です。間投詞を使いこなせるようになると、英語でのコミュニケーションがよりスムーズになるので、上手に使えるようになると良いですね。
ただ、good griefに古めかしいイメージを抱く人がいることにも注意しましょう。言葉の雰囲気がよくわからない人は、ひとまず他の類似表現を使うことをおすすめします。