大学進学は海外で……と考えている人の多くが、留学先として人気のアメリカやイギリス、オーストラリアなどの大学を検討しているのではないでしょうか。
しかし、こうした英語圏の国々は、大学進学費用がとても高いですよね。卒業までに生活費も合わせて1,000万円以上必要なんてことも、珍しくはありません。ですから、海外での大学進学を考えている人の中には、もう少し安く大学留学ができる国や方法はないかな?なんて考えている人もいるでしょう。
そこでこの記事では、海外での大学進学が安い国をご紹介します。大体の学費相場と年間の生活費もご紹介するので、こちらを参考に大学進学先について考えてみましょう。
英語圏の大学留学費用
まず、比較対象として、アメリカやイギリス、オーストラリアなどの大学留学費用の目安をご紹介します。
アメリカやイギリスに大学留学をした場合、学費と生活費を合わせた年間費用は400〜600万円、もしくはそれ以上必要です。また、オーストラリアはそれよりは少し少なめですが、少なくとも350万は必要だと思っておいた方が良いでしょう。
カナダ・ニュージーランドになると、200万円台からの大学留学が可能ですが、それでも300万円前後といった感じです。
これは年間費用なので、たとえば4年間通うなら、総額はその4倍ということになります。
大学留学が安い国・ヨーロッパ編
ヨーロッパは物価が高いというイメージを抱いている人もいるでしょう。確かにヨーロッパは物価が高めの国が多いのですが、大学留学という点においては、費用がとても安くなる国がたくさんあるのです。
これは何故かと言うと、そもそも大学の学費がとても安いため。物価が高かったとしても、それを賄えるほど大学費用が安い国もあるのです。
しかも、英語しかできなくても授業が受けられる場合もあるので、海外での大学進学を考えている人にとっては穴場的存在。
ここでは、ヨーロッパの中でも特に大学留学費用が安くなりやすく、日本人にとって留学しやすい国をピックアップしてみました。ここでご紹介する国以外にも、たとえば学費無料のチェコや学費と物価が安いポーランド、ハンガリーなど、留学費用を抑えやすい国はあるので、マイナー言語をマスターしたい人はそういった国々もチェックしてみましょう。
ドイツ
物価が高いイメージのあるドイツですが、実は大学費用はほぼ無料。ドイツ人やEU圏内の学生だけではなく、日本人がドイツに留学する場合もほぼ無料となります。
留学費用がほぼ生活費のみということになるので、トータルで見れば費用をかなり抑えての大学留学が可能です。
さらにドイツでは、英語のみで授業が受けられる大学やコースが多く、ドイツ語ができない人でも大学留学がしやすい環境です。現地に住むことになるので、基本的なドイツ語は覚えた方が良いですが、英語オンリーの大学を選べば講義はすべて英語なので、高度なドイツ語は必要ありません。
住んでいれば基本的なドイツ語を覚えることは難しくありませんから、言語の面での苦労はないでしょう。
生活費は滞在する都市にもよりますが、年間100〜150万円くらい。いかに英語圏への留学よりも安上がりなことがわかりますね。
オーストリア
ドイツのお隣オーストリアは、ドイツ語圏。ドイツのように英語オンリーの講義は多くはありませんから、ドイツ語ができる人向けの留学先となります。
学費は無料ではありませんが、年間20万円くらいからと激安。クラシックで有名なウィーン国立音楽大学も、そのくらいの学費です。音楽大学への留学を考えている人には特におすすめですよ。
生活費はドイツと同等くらいです。学費と生活費を合わせても100万円台で留学可能なので、大学進学先として検討する価値はあるでしょう。
イタリア
イタリアも日本人が大学留学をするのにおすすめの国の1つ。学費は無料ではありませんが、年間15万円程度からと破格の値段となっています。
物価は都市によりますが、目安として120〜150万円くらいだと思っておきましょう。年間200万円以内での大学留学が可能ですよ。
イタリアは留学生向けのコースが多く、英語のみで履修できるコースも多めです。街中では英語があまり通じない場合もあるので、基本的なイタリア語は覚えた方が良いですが、英語で履修できるコースを選べば、大学で授業を受けることは問題ありません。
イタリアには魅力的な観光スポットがたくさんあり、料理も美味しいですから、留学生活を存分に楽しめそうですね。
スペイン
スペインはスペイン語ができる人におすすめの大学留学先。スペインはヨーロッパの主要な国々の中では比較的物価が安いため、生活費も節約できます。年間学費は20万円位から、生活費はバルセロナなどの大都会を除けば、年間100万円弱が目安です。
スペインは飲食文化が発達しているので、食べ歩き・飲み歩きが好きな人はその生活も楽しめるはず。また、スペイン人はとてもフレンドリーなので、暮らしているだけであちこちで会話が弾み、スペイン語もどんどん上達するでしょう。
スペイン語留学のあとで大学留学を目指すのも良いですね。
大学留学が安い国・アジア編
ヨーロッパは物価が高めですが、学費が無料だったり安かったりするため、大学留学費用が格安になりやすい国が多いです。
ですが日本から近いアジアの国々は、学費も物価も安く、日本人にとって留学しやすい国もあるんですよ。ここからは、アジア内で安く大学進学ができるおすすめの国をご紹介します。
マレーシア
あまり留学先としてメジャーな存在ではありませんが、マレーシアは大学留学の穴場だったりします。学費は日本の国公立大学程度。ですが、ゆったり暮らしても生活費が80万円くらいと物価が安く、快適な留学生活を過ごせます。
首都クアラルンプールでしたらインフラも整っていますし、生活に支障はないでしょう。また、イギリスやオーストラリアの大学と提携している大学が多く、安い学費でイギリス・オーストラリアなどと同等の授業を受けられるメリットも。
マレーシアの公用語には英語も含まれており、英語の通用度はかなり高いです。授業は英語のみで行われるコースも多いですから、マレー語を覚えなくても大学に通い、日常生活を送ることができますよ。
フィリピン
格安留学と言えば必ず名前が挙がるフィリピン。大学留学も格安になっていて、費用を抑えたい人にはぴったりでしょう。
年間学費は5万円くらいから。生活費はマレーシアより安く60万円くらいとなっています。
英語の通用度が高いフィリピンでは、英語のみで卒業できるコースもたくさんあります。普段の生活でも英語だけで生活が可能ですから、英語を使って海外進学がしたい人には嬉しい環境ですね。
海外への大学進学を安く抑える方法
ここまで、大学留学の費用が安い国をご紹介しましたが、さらに留学費用を格安にできる方法もあります。ここからは、大学留学の費用をもっと抑える方法をご紹介します。
現地でアルバイトをする
大学留学のための学生ビザを所持している場合、アルバイトができる国も多いです。週20時間など時間が決められていることも多いですが、アルバイトができれば、滞在費用を賄えるため、ますます費用を抑えた留学が可能になります。
学生ビザでバイトができるかどうか、できるとすればどの位できるのかといったところは、国によって異なりますから、詳しくは各国のビザ・留学情報をチェックしてみましょう。
より費用を抑えたいと思うなら、学生ビザで十分なアルバイトができる国がおすすめです。
自炊をする
自炊は留学費用を抑える有効な手段です。フィリピンやマレーシアでは外食をしても大した出費にはなりませんが、ヨーロッパ圏は外食と自炊を比べると、外食の方がかなり割高なのです。
逆に自炊をすれば、日本と同等かそれよりも安く費用を抑えることができる場合もあります。ヨーロッパのスーパーで買う野菜やフルーツは意外と安いんですよ。
都市部を避ける
アジア圏だと都市部でも物価が安めなので、治安や利便性を考えると都市部がおすすめ。ですが、ヨーロッパは大都市の物価がとても高いため、費用を抑えたいなら大都会は避けて地方都市にするのが良いでしょう。
地方都市なら田舎すぎず、生活に困ることもないでしょう。学生が多い都市なら、ますます生活に必要な物が揃っている可能性が高いです。
奨学金について調べてみる
海外に大学進学をする際、奨学金が使える場合があります。
この奨学金には、日本の団体が主催しているものと現地の団体が主催しているものがあります。渡航先によっても奨学金の有無や種類が異なりますから、行きたい国がある程度固まってきたら、その国への大学進学に使える奨学金があるかどうかを調べてみましょう。
海外への大学進学先は英語圏以外も考えてみよう!
今回ご紹介したとおり、物価が高いとされるヨーロッパでも、費用を抑えた大学留学が可能な国もあります。英語さえできれば留学可能な国も多いですから、英語圏の大学留学が高すぎると感じる場合は、ぜひヨーロッパやアジアの国々もチェックしてみてくださいね。