アイルランドは、美しい緑の風景、世界遺産に登録された古代遺跡、世界的に評価される教育制度など、さまざまな魅力に満ち溢れており、留学生から観光客まで幅広い人々が訪れます。
また、語学学校は日本人率が低く、できる限り日本人を避けて英語環境を作りたい留学生やワーキングホリデー渡航者にとって最高の英語環境を作ることができます。
しかし、気になるのは生活コストや物価です。ヨーロッパは全般的に物価が高いことで知られていますが、アイルランドは果たしてどうなのか?
そこで本記事では、日本とアイルランドの物価について、日本は東京、アイルランドはダブリンを代表に比較してみました。
食費から住宅費、交通費、娯楽費まで、生活の様々な面でのコストを取り上げます。
物価の情報を事前に把握することで、留学に必要な予算を立て、安心して留学生活を楽しむことができるはずです。
※本記事の物価は世界的に有名な物価比較サイト「Cost of Living」を参考に、2023年7月に作成しております。
1.アイルランドの物価とは? 食費 – レストランと自炊のコス
アイルランドの物価は、同じ西ヨーロッパの国と比較すると中程度で、都市部では物価がやや高めになります。特に首都のダブリンは物価が高いことで知られています。一方で、地方都市や田舎では生活費は比較的抑えられます。
日本と比べると、アイルランドではレストランをはじめとした外食の価格が高い傾向にあります。
例えば、東京とダブリンの比較的高くないチェーン店クラスのレストランの1食の平均的な値段は、東京が1,000円に対してダブリンは約3,100円と3倍以上の値段になります。
また、マクドナルドのセットは東京が平均725円に対して、ダブリンは約1,550円と、こちらも2倍以上の差になっています。
ビールもワインもカプチーノ1杯の価格も、すべてにおいて東京よりダブリンの方が高く、節約したいのであれば外食は控えるか、十分な資金を持参しなければいけないことが分かります。
参考:Cost of Living Tokyo Comparison Between Tokyo and Dublin
しかし、自炊を選択すると、食費は大幅に節約できます。スーパーマーケットでの食材の価格は、一部の商品は日本より高いものの、全体的にはそれほど高くありません。例えば、チーズや牛乳などの乳製品、ジャガイモやキャベツなどの野菜、そして地元で捕れる魚類は比較的安価です。
日本より極端に高いもので言えば卵です。卵は東京で12個入り285円とした場合、ダブリンは592円。その差は2倍以上です。
また、ひと昔前まではビールなどのお酒類は日本よりアイルランドの方が安かったのですが、現在は東京でビールが300円とした場合、ダブリンでは470円が相場となっています。これは、昨今の円安と世界的なインフレの影響によるものです。
日本と比較し、高いものもありますが、日本より安いものもあり、総合的に見てみると、日本より若干高い程度です。
これらのことから、食費を節約するためには、自炊を中心にしつつ、たまに外食を楽しむというバランスがおすすめです。
2.住居費 – アイルランドでの住まいの選び
アイルランドでの住居費は、留学生にとって最大の出費の一つとなります。特に、ダブリンなどの大都市は、家賃がかなり高いことが一般的です。しかし、住居の種類や地域により、費用は大きく異なるため、自分の予算に合った選択が重要となります。
都市部のワンベッドルームのアパートの場合、東京が月約140,000円の家賃とした場合、同条件でダブリンは月約301,000円が相場です。日本でも家賃が高いと言われる東京の2倍以上の家賃になりますので、ダブリンの家賃がどれだけ高いのかが伺えます。
しかし、地方都市や田舎では、家賃は都市部の三分の二程度に抑えることができます。これらの地域では、より広々とした住居を手頃な価格で借りることが可能です。
ちなみにここまではアパートを借りた場合の話ですが、留学生に一般的なシェアハウスも費用は高騰しており、シェアハウス一人部屋の費用は月約120,000〜150,000円は見ておいた方が良いでしょう。
また、学生寮も留学生にとっての一つの選択肢です。以前はシェアハウスの方が大幅に安かったのですが、今はそれほどの差がなくなってきましたので、学生寮を長めにとり、その期間にシェアハウスを探すというのがおすすめです。
食事付きのホームステイも忘れてはいけない選択肢で、住居費と食費を浮かせられますので、最初の住居として学生寮とともに選択肢にいれて考えてみましょう。
3.交通費 – 公共交通と自転車の利用
アイルランドでの交通費は、生活費の一部として考慮すべき重要なポイントです。
特に都市部では、公共交通機関を頻繁に利用することになるでしょう。アイルランドの公共交通機関は信頼性が高く、バスや電車、トラムなどのネットワークが整っていますが、費用はそれなりにかかります。
特にダブリンでは、バスや電車の運賃は距離によるゾーン制が採用されています。都心部での短距離移動は比較的安価ですが、長距離移動や郊外への移動は割高となります。
一般的なバスの運賃は東京で150円で乗れる区間が、ダブリンは倍の300円くらいでイメージすると良いでしょう。
また、公共交通機関をよく使う人は定期券も利用した方が良いのですが、東京で5,500円の区間とした場合、アイルランドでは約18,000円が相場になり、3倍以上の交通費がかかります。ただし、留学生であれば学生割引が適用される場合もありますので、上手に利用して交通費を浮かせる様にしましょう。
また、アイルランドでは自転車の利用が非常に一般的です。特に大学生や若者の間では、自転車は日常的な移動手段となっています。
自転車は初期投資が必要ですが、長期的には交通費を大幅に節約できます。さらに、アイルランドの都市は一般的に自転車に優しい設計がされており、サイクリングレーンが整備されています。
アイルランドでの交通費は、自分の生活スタイルや移動の頻度によりますが、学生割引を利用したり、自転車を購入することで、交通費を大幅に見直すことができます。
4.娯楽費 – 映画、音楽、スポーツイベント
映画、音楽、スポーツイベント、美術館など、いわゆる娯楽と言われるものは、留学生活を楽しむための重要な要素です。
映画館での映画は東京が1,800円とした場合、アイルランドもほぼ変わりません。また、留学生であれば学生割引が適用されることもあります。
美術館や博物館の多くは無料もしくは低価格で、アイルランドの文化や芸術を楽しむことができます。また、アイルランドでは自然を楽しむことも一般的で、ハイキングやビーチでのリラクゼーションなどは費用がかかりません。
パブやレストランでの飲食も一部の娯楽費となるでしょう。アイルランドはパブ文化が非常に豊かで、音楽演奏を楽しみながらビールやウィスキーを楽しむことが一般的です。ただし、頻繁に外食をすると費用はかさむので注意が必要です。
5.よくある質問と回答 – アイルランドの物価に関するFAQ
アイルランドの物価について、よくある質問とその回答を以下にまとめました。
Q: アイルランドでバイトをしたい場合、どの程度稼ぐことができますか?
A: アイルランドでは、学生ビザの持ち主であれば週に20時間まで働くことが許可されています(休みの期間中はフルタイムで働くことも可能です)。
給与は職種によりますが、最低時給が11.3ユーロ。日本円で時給1,700〜1,800円になります。(2023年7月現在)
また、ワーキングホリデーであれば時間制限なく働くことができますので、節約して毎月貯金している人もいます。
Q: アイルランドのレストランのチップの習慣はどうですか?
A: アイルランドでは、レストランでのサービスに満足した場合、一般的には支払い額の10%から15%をチップとして残します。しかし、チップは必須ではなく、サービス料に含まれている場合も多いので、明記されているかチェックしましょう。
Q: アイルランドのスーパーマーケットはどの程度の価格ですか?
A: アイルランドのスーパーマーケットの価格は商品によりますが、日本と比較すると肉類はやや高価な傾向にあります。一方で、乳製品やポテトなどは比較的安価です。また、フレッシュな地元の野菜や果物は地元のマーケットで手に入れると、より安価で新鮮なものを得ることができます。
Q: アイルランドでのコーヒーの平均的な価格はどの程度ですか?
A: アイルランドでは、一杯のコーヒーの価格は場所や店舗によりますが、平均的には日本より150〜200円高い程度です。(東京のカフェのコーヒーが450円程度とした場合、ダブリンでは600円程度)
チェーンストアよりも地元の小さなカフェの方が、その店独特のコーヒーを味わえることもありますので、探してみるのも一つの楽しみになりますよ。
6.まとめ
本記事では、アイルランドの物価について詳しく解説しました。食費、住居費、交通費、娯楽費など、様々なカテゴリーに分けて具体的な価格とその節約方法を示しました。
また、アイルランドの物価に関するよくある質問とその回答を6つ紹介しました。チップの習慣、スーパーマーケットの価格、コーヒーの価格など、日常生活に関わる部分を知ることで現地の物価のイメージが湧きやすくなったと思います。
出発前にしっかりと物価情報を把握し、日本とアイルランドの生活コストを比較したうえで、適切な予算計画を立てていきましょう。