あなたはニュージーランドの首都をご存じでしょうか。オークランドと答える人も多いかもしれませんが、ニュージーランドの首都はウェリントンです。
仮にウェリントンが首都というのを知っていたとしても、どういう都市なのかを知っている人は少ないと思います。
本記事ではニュージーランドの首都がオークランドではなくウェリントンである理由、そして、首都ウェリントンの特徴、観光ポイント、知られざる魅力に迫ります。
首都がオークランドでなくウェリントンである理由
日本では、日本一の都市である東京が首都なので、ニュージーランドでもっとも有名なオークランドが首都というイメージが強いと思います。しかし、実際の首都はウェリントンであるというのには理由があります。
ウェリントンがニュージーランドの首都に選ばれた理由はシンプルです。それは、ウェリントンがニュージーランドの中心に位置しているからです。
ニュージーランドは北島と南島に分かれていて、今でこそオークランドのある北島が栄えているイメージが強いですが、1860年代にはゴールドラッシュが沸き起こり、移民を含む多くのニュージーランド人が南島へ移住しました。
しかし、当時の首都はオークランド。ゴールドラッシュの影響で南島の自治体が力を持つようになり、南北分裂の危機まで叫ばれるようになりました。
そこで首都候補にあがったのが、北島の南部、南島からも海に挟まれて目の前に位置するウェリントンです。そのような経緯から、ウェリントンは南北分裂を防ぐ目的で1865年に首都になりました。
珍しいケースに思えますが、実は世界的に見るとこのような理由で首都になる例はほかにもあります。
オーストラリアではシドニーとメルボルンの首都争いがあり、中間のキャンベラが首都になりました。カナダはイギリス系移民の多いトロントとフランス系移民の多いモントリオールの争いをおさめるために、中間地点のオタワが首都になったといわれています。
ウェリントンはどんな街?
ウェリントンが首都である理由やアクセス方法はわかりました。次に、ウェリントンがどんな街なのかを見てみましょう。
ウェリントンの位置・人口
ウェリントンは北島の最南部に位置する人口約20万人の街です。郊外を含む都市圏人口は40万人を超えます。ニュージーランドの人口が約500万人近くですので、10パーセント近くの人がウェリントンに住んでいることになります。
オークランドの人口は約160万人で、ウェリントンはオークランドのちょうど4分の1くらいの人口規模ということになります。
ウェリントンの4つの特徴
ウェリントンの街には大きく4つの特徴があります。
- 風が強い
- 自然と融合している
- オシャレなカフェの街
- ビール好きは要チェック
光熱費は基本的に高いですが、水道料金は無料です。
またアジア人差別について気になっている方も多くいますが、ウェリントンでは強い差別は見られません。実際に街中では日本人を含めたアジア人に出会うことが多く、中国語をはじめとした英語以外の標識もあります。
ただ、南部はアジア人差別が強い傾向にあります。その理由は、南部に行くほど都会から離れてネイティブの比率が高くなるからです。
特徴①:風が強い
ニュージーランド北島の南東部に位置していることから風が強く、「ウィンディーシティー」と呼ばれるほどです。
海沿いはもちろん、街中でも風の強さを体感することがよくあります。特に風が強い日は体が横になるほどで、傘は壊れやすいため防水ジャケットがおすすめです。
そんな「風の強さ」から、ウェリントンのラグビーチーム「ハリケーンズ」が生まれました。ウェリントンはハリケーンズの本拠地で、大きなスタジアムがあります。
特徴②:自然と融合している
ウェリントンは、山に囲まれていながら近くに港もあり、自然と融合した街です。ケーブルカーは林を抜け、ウェリントンの街並みを見渡すことができ、ラムトン湾の景観を楽しめます。都心からビーチへのアクセスも容易にできますので、週末はゆっくり海沿いで過ごしましょう。
特徴③:おしゃれなカフェの街
ニュージーランド人はコーヒー好きが多いのですが、そのなかでもウェリントンはカフェの街といわれるほどカフェが多く、おしゃれなお店もたくさんあります。まさに、ウェリントンと言えばコーヒー。
エスプレッソにミルクを入れたフラットホワイトが有名で、日本とは異なりダブルショットで提供されるのが一般的です。
街全体がゆったりとした雰囲気ですので、リラックスした時間を過ごすことができます。
特徴④:ビール好きは要チェック
ウェリントンは地ビールであるクラフトビールがたくさんある街です。クラフトビールを製造している工場もありますので、興味のある人は見学に訪れるとよいでしょう。
「ガレージプロジェクト」というブランドが有名です。町の中心の近くに醸造所があり、そこでも試飲できます。
ウェリントンの見どころ観光ポイント
次にウェリントンの見どころになる観光ポイントについてお伝えします。
大自然を満喫!ヴィクトリア山
市内からバスに乗って数分で到着することができる大自然。それがヴィクトリア山です。
360度の巨大パノラマでウェリントンの大自然を見渡せる展望台は大迫力。遊歩道が整備されているため、ウォーキングで頂上を目指すことができ、運動不足解消にもぴったりです。頂上までマウンテンバイクで移動するアクティビティを楽しむこともできます。
また、山頂からの夜景は明かりが灯った街の煌びやかな世界が美しく、一見の価値ありです。
さらにウェリントンはビーチも魅力的で、フリーダイビングでアワビやウニが捕れることもあります。まさに自然と融合した小さい街ウェリントンだからこそ楽しめるポイントでしょう。
ニュージーランドの歴史を知ろう!テ・パパ博物館
出典:https://www.tepapa.govt.nz/about/our-buildings
世界の美術館・博物館TOP25にも選ばれているニュージーランドを代表する博物館が、テ・パパ博物館です。
テ・パパ博物館は最新のテクノロジーを取り入れた最新鋭のアミューズメント施設ですが、新しさとともに歴史的な要素も取り入れています。
最新鋭の施設からニュージーランドの現在を知り、マオリ文化や芸術、歴史、自然環境などからニュージーランドの歴史を深く知ることもできます。地震の疑似体験など、体験型のアトラクションを数多く設置しているため、子どもから大人まで幅広い年齢層が楽しめます。
また、ニュージーランドではほとんどの博物館が入場料無料なのですが、テ・パパ博物館も入場料はかかりません。費用面を含めてうれしい観光ポイントといえます。
時期によってさまざまな展示会が行われているため要チェックです。
南半球最大の建造物!旧政府館
出典:https://www.heritage.org.nz/list-details/37/Government-Buildings-Former
世界でも2番目、南半球最大の木造建築物が旧政府館です。威風堂々という表現がぴったりの外観。1990年までは政府公邸として使用され、現在は敷地内の庭園と建物内の2階までが一般公開されています。
ニュージーランド特有の植物を見ることができる美しい庭園と高級木材が使用された内観は、暖かさと気品に溢れ、ゴールドラッシュ当時の豪華さを感じることができます。
珍しい生物に会いに行こう!ジーランディア
出典:https://www.visitzealandia.com/About
環境保護を目的とした野生動物保護区ジーランディア。ジーランディアまでは市内中心部から約10分で到着することができます。自然に触れ合い、希少な固有種に出会える憩いの観光スポットです。
敷地内225ヘクタールあり、その広い敷地内でたくさんの野鳥が暮らしています。自然の状態にしてありますので、ありのままの姿を観察することが可能です。また、ニュージーランドにしか生息しない植物が遊歩道には多く見られ、珍しい動物にも植物にも会うことができる場所です。
動物や植物について詳しく説明を聞きたい人は、ガイド付きツアーへの参加もおすすめです。
ウェリントンへのアクセス
ウェリントンは日本からの直行便はでているのでしょうか。ウェリントンまでのアクセス方法を見てみましょう。
オークランドからウェリントンまでのアクセス方法
ウェリントンにはウェリントン空港がありますが、日本からの直行便はなく、オークランド空港から経由する必要があります。
オークランド空港へは成田空港から直行便がでています。オークランド空港からウェリントン空港までは以下4つのアクセス方法があります。
≪オークランド空港からウェリントン空港へのアクセス方法≫
- 飛行機(国内線)
- 長距離バス
- 鉄道
- レンタカー
一般的なアクセス方法は国内線の飛行機になります。オークランド空港〜ウェリントン空港までの所要時間は約1時間。ニュージーランド航空とジェットスター航空が運行しています。
長距離バスは日中便と夜行便、鉄道は週3日運行しています。所要時間はどちらも12時間程度、約半日を要します。
レンタカーを利用して車でオークランドからウェリントンまで移動する場合は、休憩なしで約8時間ですので、食事を含む休憩を入れた場合は10時間程度の時間を見ておいたほうがよいでしょう。
ウェリントン空港情報
ウェリントン空港に到着すると、まず目に入るのが大きなワシのオブジェです。ワシの上に杖をもった魔法使いのような小さな人が乗っています。これはニュージーランドが舞台になったロードオブザリング、ホビットシリーズで有名なシーンを模写したものです。
ウェリントン空港はオークランド空港と比較すると小さめな空港です。空港内には小売店と両替商があるくらいですが、無料のWifiを利用することもできます。軽食をとることもできますので、到着後は小休止を挟んでもよいかもしれません。
ウェリントン空港から市内へのアクセス
ウェリントン空港は市内中心部まで約8キロの距離があり、中心部へ移動する方法は以下4つになります。
≪ウェリントン空港から市内までのアクセス方法≫
- バス
- シャトルバス
- タクシー
- レンタカー
ウェリントン空港から市内中心部まで行く方法で一般的なものはバスになります。バスはエアポート・フライヤーとシャトルバスがあり、より安価なのはエアポート・フライヤーですが、乗り合いになった場合はシャトルバスも安くなります。
エアポート・フライヤーは約300〜500円で所要時間は約30分。およそ20分ごとに運行しています。所要時間は約30分です。
シャトルバスは1人目が約1,800円、2人目以降は1人約400円追加で、所要時間は約25分。乗り合いの乗客の目的地によっては到着時間が異なる場合があります。
また、タクシーやレンタカーでは所要時間約20分。タクシーは約3,000円で市内まで到着します。
まとめ
ニュージーランドの首都ウェリントンについてお伝えしてきましたがいかがでしたでしょうか。
ニュージーランドの首都はオークランドというイメージの人も多かったのではないかと思いますが、ウェリントンが首都であるという歴史的背景もお分かりいただけたと思います。
日本からの直行便はありませんが、オークランド空港から約1時間で到着することができ、バスやレンタカーでロングドライブという選択肢もあります。
街は自然と隣接していて、カフェやクラフトビールを楽しむことができます。見どころの観光ポイントもチェックして、ぜひニュージーランドの首都ウェリントンを楽しんでください!