将来イギリスでホームステイをしようと考えている人は、ホームステイ生活がどんな様子になるか気になりますよね。また、ステイ先でどのように過ごせば良いかなど、さまざまな疑問が浮かぶこともあるでしょう。
そこでこの記事では、イギリスでホームステイをする時に注意すべきことを解説します。イギリスという点に焦点を当てた、ホームステイの特徴もご紹介するので、こちらを参考にイギリスでのホームステイに備えてくださいね。
イギリスのホームステイの特徴
まずはイギリスのホームステイがどんな様子なのか、その特徴を簡単にご紹介していきます。
ビジネスライクな家庭も多い
ホームステイと言うと、ホストファミリーとまるで家族のように和気藹々と過ごす様子を想像するかもしれませんね。しかしイギリスの場合は、ビジネスとしてホームステイの受け入れをしている家が多いため、その和気藹々としたムードが当てはまらないこともあるかもしれません。
とは言え、冷たくされるわけではないので、そこはご安心を。付かず離れず、でも困った時には助けてくれる……そんなイメージです。
いつも家族と会話をしたり、一緒にすごしたりする様子を想像していると、期待外れになってしまうかもしれません。
さまざまな人種・国籍・宗教の家庭がある
イギリスのホームステイでは、ホストファミリーはイギリス人家庭とは限りません。イギリスにはさまざまなバックグラウンドを持つ人が住んでいるので、ステイ先の家族がインド系だったり中国系だったりということはよくあります。また、宗教に関してもムスリムがいれば、ユダヤの人もいて、もちろんキリスト教信者もいるでしょう。
ホストファミリーが生粋のイギリス人だと思い込んでいると、いざ実際にホストファミリーに会った時にびっくりしてしまうこともあるかもしれません。
しかし、さまざまなバッググラウンドを持った家族にお世話になれるというのは、イギリスのホームステイの魅力でもあります。中には、旦那さんはムスリム、奥さんはキリスト教徒なんて家庭も本当にあるんですよ。
さまざまな文化、宗教が混じり合う環境をめいっぱい味わうには、ベストな環境でもあるでしょう。
料理がシンプル過ぎなことも……
これは実はイギリス人家庭にお世話になる時によく起こることなのですが、ステイ先でいただく食事が、シンプル過ぎてびっくりすることもあるかもしれません。電子レンジで調理できるものだったり、茹でただけの芋や、温めただけの缶詰など、そんなものが出ることも珍しくないのです。
もちろん、受け入れ家庭によっては毎日美味しい料理が出てくるところもあります。しかし、アレルギーやどうしても食べられないものは事前に連絡ができるものの、ステイ先の料理が豪華かどうかまでは指定ができないため、料理は当たり外れが大きい点でしょう。
期待外れにならないようにするためには、最初からイギリス家庭の食事はシンプル寄りだと思っておくことをおすすめします。
複数の学生を受け入れている家庭も多い
イギリスではホームステイがビジネスとして成立しており、いくつか空き部屋のある家庭だと複数の学生を受け入れていることもあります。2〜3人ならよくある話ですが、中には10人近くの学生を受け入れるような大規模ホームステイもあるのです。
10人近くという大人数は本当に稀なことではありますが、自分以外にも学生がいるのは割とよくあることなので、事前に心の準備をしておくことをおすすめします。
イギリスのホームステイ中に注意すること
イギリスのホームステイの雰囲気がなんとなくわかったところで、次はステイ中に注意することをみていきましょう。
ハウスルールは必ず守ること
イギリスに限った話ではありませんが、ホームステイ先にはそれぞれハウスルールというものがあります。それはシャワーの時間だったり、門限だったり、掃除のことだったりするかもしれません。
そうしたハウスルールは初日に説明があるはずですから、説明を受けたことはすべて守るようにしましょう。
特に日本人はシャワーの時間や使い方について、ステイ先で揉めることが少なくありません。
日本だとお風呂はゆっくり入るのが一般的ですが、イギリスではシャワーはササッと済ませることが多いことを覚えておきましょう。
宗教や人種の話はしないのがベター!
ホストファミリーが、あまり馴染みのない宗教や人種だったりすると、ついつい色々聞いてみたくなるかもしれません。しかし、トラブルを避けるためには、宗教や人種の話を自分から振るのはやめておきましょう。
どうしても何か知りたいことがあるなら、ある程度ホストファミリーと関係性ができて、お互いに信頼感が育ってきた頃に話をするのをおすすめします。
ホストファミリーが自分の宗教や出身地について話し始めたら、それは興味を持って耳を傾けても大丈夫です。ですが、当然相手の宗教や出身地を否定する発言は控えてくださいね。
YES・NOや自分の気持ちはハッキリ伝えよう
イギリスは英語圏の中でも、物事を遠回しに伝える、ちょっと日本に似たところのある国です。とは言え、遠回しであってもYES・NOはわかるように伝えますし、自分の気持ちもしっかり伝えます。
慣れるまでは、「遠回しにハッキリ伝える」ということは難しいかもしれませんが、ステイ先でハッキリ自分の気持ちなどを伝えられなければ、我慢し続けなければならないことも出てくるでしょう。また、何を考えているかわからないなんて評価を下されるかもしれません。
「Thank you」や「Sorry」などの言葉を付けながら伝えれば、ちゃんとわかってもらえますから、勇気を持ってハッキリ伝えることを心がけましょう。
自分の物は自分で片付ける
当たり前のことですが、ステイ先では全てをホストファミリーやホストマザー任せにせず、自分のことは自分でやりましょう。
自分が使ったお皿は片付ける、部屋は自分で掃除をするというのは大前提です。
お皿を洗おうとすると「置いていていいよ」と言われることもあります。しかし、「置いておいて」と言われるまでは、自分で洗うようにしてくださいね。
そしてたとえ家にクリーナーの人がいたとしても、自分の部屋はいつも片付いた状態にしておくのがマナーです。
帰る時間や家を空ける時は事前に伝える
イギリスのホームステイでは、土日は食事なしということも多いです。ですが、だからと言って、土日に夜遅くまで出かけたり外泊をするのに、ホストファミリーに伝えないということはNG。
遅くまで帰宅しない時や、外泊をする時には、最低限のマナーとしてホストファミリーに事前に伝えるようにしましょう。いると思っているのにいないと、心配させてしまいます。
イギリスでホームステイ中にトラブルがあった時は?
いくら気をつけて生活をしていても、ホームステイ中にトラブルが起きることもあるでしょう。ここからは、イギリスでホームステイ中にトラブルがあったときの対処法を解説します。
ホームステイ斡旋業者や学校にすぐ伝えるべき案件
ホームステイ中のトラブルの中には、自分で解決しようとせず、すぐにホームステイ斡旋業者や学校に相談するべきものもあります。
そんなすぐに誰かにヘルプを求めるべき案件を、以下にリストアップしてみました。
- ホストファミリー内でDVの傾向がある
- ホストファミリーが違法薬物を使っている
- ホストファミリーの誰かにセクハラをされた
- 明らかな誤解しようのない人種差別を受けた
- ホストファミリーから無視をされるなど不当な扱いを受けた
このような場合には、我慢したり、自分がホストファミリーと話して解決しようとせず、ホームステイ斡旋業者や学校に相談し、ホストファミリーを変えてもらいましょう。
不安や疑問があればステイ先の家族に相談してみよう
上記のような案件には当てはまらない場合でも、ステイ先で過ごしている時に不安や疑問を抱くことはあるはずです。「これはどうかな?」と思った時は、ホストファミリーに相談してみてください。案外すぐに不安や疑問が解決することがあります。
ただし英語に不安がある人は、不要な誤解を避けるためにも、ホームステイ斡旋業者や学校を通じて伝えても良いでしょう。
食事がどうしても合わない場合は……
ステイ先の食事がどうしても合わず、毎日食事が十分にできないほどなら、ホームステイを朝食のみ、もしくは食事なしにしてもらうと良いでしょう。そうすれば、外食やスーパーで簡単な食べ物を買うことにはなりますが、自分で選んだものを食べることができるようになります。
食事が合わない場合、ホストファミリーに料理を変えてもらうことは難しいでしょう。
自分で食事を用意するのが難しい場合は、ホームステイ斡旋業者や学校に食事が合わないことを説明して、ステイ先の変更を依頼できる場合もあります。
ホストファミリーに怒られた場合の対処法
ホームステイ中に、ホストファミリーに怒られたり注意されたりすることもあるかもしれません。ハウスルールを守らなかったり、イギリスの習慣などを理解できていなかったりすることが、その原因になりやすいです。
もしもホストファミリーに怒られたりすると、びっくりしてしまうでしょう。しかし、もし怒られても、ファミリーの怒りの原因が正当なものであるなら、謝罪して改善するように努めましょう。
ちゃんと謝罪と改善をすれば、意外とその後はまるで何もなかったかのように接してもらえることがほとんどです。
ステイ先の家族を尊重しつつイギリス生活を楽しもう!
慣れないイギリス生活に、他人との共同生活。イギリスのホームステイでは、ストレスがたまることもあるかもしれません。ですが、ホストファミリーの生活や文化・習慣などを尊重していれば、意外と自由に過ごせることにも気づくでしょう。
現地の生活を体験できるホームステイは、きっと貴重な経験となるはず。今回ご紹介した注意点も参考にしながら、イギリスのホームステイを楽しいものにしてくださいね。