留学先の国を選んだり、留学前の準備をしたりするためには、まずはその国を知ることが大切。この記事ではイギリスの生活に関する常識やマナーを紹介します。日本では当たり前の習慣でもイギリスでは非常識な行動だったり、日本ではなじみのない習慣がイギリスでは常識だったりということも多くあります。「知らなかった…」ということがないよう、留学前に基本的なマナーはおさえておきましょう。
目次
イギリスの食事
イギリスの食生活はシンプルです。
「イギリス料理はまずい」というイメージを持っている人も多くいますが、実はその根拠はありません。
イギリスの料理は、シンプルな調理法や味付けであり、食べる人が自分で味付けをするようにすることを良しとしていました。そのため、他国の人にとっては、薄味と感じたり、物足りなさを感じたりすることもあり、「まずい」というイメージが定着してしまったのではないかと考えられています。
しかし、最近では評判の良いレストランも多くあります。美味しい食事をしたいときには、しっかりとした調べをしていくと良いでしょう。
イギリスの伝統料理には下記のようなものがあります。
- フィッシュアンドチップス
イギリスの代表的なファーストフード。白身魚に衣をつけて揚げたものとフライドポテトに、タルタルソースがついてきます。塩をふって、モルトビネガーをかけて食べるのも主流です。
- ハギス
スコットランドで有名な食べ物。羊の内臓・玉ねぎ・ハーブなどを羊の胃袋につめて煮たりゆでたりして食べます。スコット・ウィスキーと一緒に食べるのが伝統です。
- スコッチエッグ
ゆで卵を下味のつけたひき肉でつつみ、パン粉をまぶしてあげた料理です。
- イングリッシュブレックファースト
トースト、卵(スクランブルまたはオムレツ)、ソーセージやベーコン、ビーンズ、トマト、ハッシュドポテト、マッシュルームなどのボリューム満点な定番朝食です。
- ブラックプディング(ブラック・ソーセージ)
プディングと聞くとデザートのイメージを持ちますが、ブラックプディングはソーセージのこと。豚の血にオーツ麦やハーブ・スパイスなどを混ぜ合わせたものです。
- アフタヌーン・ティー
日本でもしばしばみられるアフタヌーン・ティーの発祥はイギリスです。紅茶とともに軽食やお菓子をとる喫茶習慣です。サンドイッチなどの軽食、スコーン、ケーキ類などが、2~3段重ねのティースタンドにのせられます。正式なアフタヌーン・ティーは労力を使うということで、現代は簡略化して行われることがほとんどです。
また、イギリスといえば「紅茶」。
イギリス人1人当たりの紅茶の年間消費量は約2.6kgです。平均して1日4-5杯の紅茶を飲んでいる計算になりますが、それを象徴するように「イギリス人は日に7回紅茶を飲む」と言われることもあります。対して日本人は1人100gなので、イギリス人は26倍もの紅茶を飲んでいることになるのです。
留学中の食事
では、イギリス留学中にはどのような食事になるのでしょうか。
留学中の食事は、ホームステイであれば、ホストファミリーの食生活に大きく左右されます。
朝ごはんは、トーストやシリアル、ポリッジなど軽めなものが一般的で、先に紹介したイングリッシュブレックファーストは、週末などに食べることが多いようです。
昼食は、語学学校に通っている人であれば、自分で持っていくか学校のカフェや食堂で食べます。サンドイッチやパン、サラダ、前日の残り物をランチボックスにつめてくるというのが一般的。
食生活が合わない場合には、
・自炊する
・ホストファミリーに相談してみる
・自分用の調味料を用意する
・美味しいお店を見つける
・日本の食材を買う(日本食のお店を見つける)
という方法があります。
イギリスの食事が口に合わなかったとしても、調味料で味を変えてみたり、自分で作ってみたり、など食事を楽しむようにする方法はあります。
ホームステイの場合は、なかなか自分通りの食生活を送ることが難しいですが、どうしても合わない場合には、思い切って相談してみたりすると解決するかもしれません。
食事マナーとテーブルマナー
食事の作法も各国異なるもの。
イギリスの食事マナーとテーブルマナーは何に気をつけるべきなのでしょうか?
食事マナー
まずはイギリスの食事マナーです。
イギリスの食事マナーと聞くと、とても厳格なマナーがあるのではないか?というイメージする人も多いかもしれませんが、実は特別難しいマナーはありません。
日本でも常識とされていることがきちんとできていれば基本的には問題ありません。
具体的なマナーの例として、レストランで行ってはいけないことは、
- ナイフをなめない、口元にもっていかない
- “くちゃくちゃ”と音を立てて食べない
- 食事中に肘を机の上に置かない
- 全員の食事がそろう前に食事を始めることは失礼になる
などです。
まず、ナイフはあくまで食べ物を切るものなので、口元に持っていくようなことは避けましょう。
次に、くちゃくちゃと音を立てると、周りは良い気がしませんよね。おいしく食べるために、咀嚼音をださないように注意しましょう。食事中にひじを置かないのは日本でも同様です。
テーブルマナー
次にテーブルマナーです。
テーブルマナーも各国少しずつ異なります。
例えば、フランスでは正式なマナーであっても、イギリスでやってしまうと「マナーがなっていない」と思われてしまうこともありますので、注意が必要です。
イギリスのテーブルマナーの代表的なもの4つを紹介します。
- フォークとナイフの持ち方 最後まで、左手にフォーク、右手にナイフが基本です。
- フォークの使い方 フォークを使うときには、フォークの背中に料理をのせて食べます。
- スープのすくい方 手前から奥にすくいます。音をたてる、冷ますためにフーフーするとことはしないようにしましょう。
- 食事後 ナイフとフォークは、6時の方向にそろえて置きましょう。

まとめ
今回の記事では、イギリスの食事について紹介しました。
「イギリスの食事はまずい」というイメージを持っている人もいるかもしれませんが、おいしい食べ物もたくさんあります。イギリスならではの食事も多くあるので、せっかくの留学の機会にそのような食事を楽しんでみましょう。
食事のマナーは、各国で少しずつ作法は違うものの、日本である程度のマナーが身についていれば留学先で大きくマナーから逸脱することはありません。とはいえ、イギリス独自のマナーを知っておくに越したことはありません。留学先で、「非常識だ」と思われないようにするためにも、食事マナーもおさえておくと良いでしょう。