引用元:iSTOCK
ヨーロッパの中でもイギリスの町並みは、歴史と伝統が感じられる建物にモダンでスタイリッシュなデザインが融合しており魅力が溢れています。
『ハリー・ポッター』シリーズを見て「イギリス旅行をしたい!」と考えたことがある方も多いでしょう。
実際、イギリスの首都であるロンドンは、世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)が発表した観光都市力調査で9位にランクインしました。
この記事では、イギリスの町並みの魅力、日本との違い、『ハリーポッター』シリーズの世界観が感じられるエリアについてお伝えします。
1.イギリスを形成する4つの国とは?
そもそもイギリスは、「イングランド」「スコットランド」「ウェールズ」「北アイルランド」の4つの国で構成された連合国です。
1707年、スコットランドとイングランド王国(この時点でウェールズはイングランドの一部)が合併し、グレートブリテン連合王国を作ります。
1801年、グレートブリテン連合王国とアイルランド連合王国が合併しますが、1922年に北アイルランドのみを残して独立します。
このような歴史を経てイギリス国旗をみると「イングランド」「スコットランド」「北アイルランド」それぞれの要素が盛り込まれたユニオンジャックが完成したのです。
ユニオンジャックが作られたタイミングでは、ウェールズはイングランドに服従していたため、国旗のデザインには関与していません。
イングランド
首都ロンドンを構えており、ブリテン島の3分の2を占めるイギリスの中心地域がイングランドです。
イギリス特有の町並みを象徴する「ビッグ・ベン」や「スノーヒル」「バイブリー」などが見どころとして挙げられます。
スコットランド
スコットランドの歴史を見ると、数多くの民族紛争を乗り越えて今の形が出来上がっており、伝統や文化を継承する姿勢が強く残っています。
家紋の「タータンキルト」や仲間たちを鼓舞するために用いられる「パグパイプ」など独自性が感じられます。
また、ロンドンのあるイングランドと比べると自然が雄大に残っており、中世ヨーロッパの世界に迷い込んだかのような風情を楽しめるでしょう。
ウェールズ
歴史を振り返るとイングランドの統治下に置かれていた期間が長いですが、その中でも独自文化をしっかりと守り続けたため、独特な雰囲気を楽しめます。
現在でも「ウェールズ語」が公用語として残っていたり、ケルト文化が根付いていたり、600以上のお城が受け継がれています。
ちなみに600以上のあるお城の数は、ヨーロッパの中でもトップクラスの数で、世界遺産として認定されている「コンウェイ城」が代表として挙げられます。
町並みの雰囲気としては、全体的に田園風景が印象的で、時間の流れがゆっくりに感じられるでしょう。
北アイルランド
北アイルランドは、1番最後に連合王国と合併した地域で、宗教や民族の違いによってたくさんの争いをしてきました。
ほかの国と比べるとやや複雑で、紛争をしている期間が非常に長かったものの、現在は平和に穏やかな暮らしを送っています。
首都はベルファストで、船舶修理をおこなうための世界最大級のドライドッグがあり、タイタニック号が建造された場所としても知られています。
2.イギリスの町並みの特徴と日本との違い
イギリスの町並みの特徴は、以下のとおりです。
- 王室特有の建築物が残っている
- 産業革命の歴史を感じられる
それぞれの特徴について解説します。
王室特有の建築物が残っている
日本では戦後に急速な土地開発が進められたことによって、街の一部分にしか歴史を感じられる建物は残されていません。
一方、イギリスでは、首都のロンドンであっても16世紀〜18世紀に建てられた建築物がそのままの形で残されています。
イギリスでは「古いものを大切にする」という価値観が強く根付いており、日本ほど簡単に建築物を新しく改装する習慣を持ち合わせていません。
さらに、日本では地震があるため、定期的にメンテナンスをしたり、人々の安全のために改装が必要ですが、地震のないイギリスでは古い建物をそのまま残しやすいです。
近年では都市開発が進んでいるものの、景観を損なわないために、ビルの高さ制限や外壁の色の規制などが厳しく法律で定められています。
イギリスに住んでいる人たちも都市開発における景観法には賛成意見が多く、これからも古き良き伝統的な建築物が残り続けると予想されます。
産業革命の歴史を感じられる
「イギリスといえばレンガ調」というイメージを持っている方が多いかもしれませんが、それにはイギリスの産業革命の歴史が関与しています。
18世紀後半にイギリスは、世界で初めて産業革命を起こして、自動車や蒸気機関車など文明を感じさせるものもたくさん発明されました。
産業革命はイギリス全体に多くの利益をもたらしたものの、国民に目を向けてみると貧富の差を拡大させるきっかけにもなりました。
とはいえ、歴史的には大きな出来事であったため、産業革命をテーマにした映画はたくさん制作されており、映画を見てイギリスに来たくなった方もいるでしょう。
『プライドと偏見』『大いなる遺産』『ウェールズの山』『いつか晴れた日に』『シャーロックホームズ』シリーズなどが挙げられます。
イングランド北部やウェスト・ヨークシャー州のリーズには、産業革命の名残を感じられるスポットがたくさんあります。
3.ハリー・ポッターの聖地巡りができるエリアハリー・ポッターの聖地巡りができるエリア
『ハリー・ポッター』シリーズが好きでイギリスへの留学や旅行を検討している方は、滞在中に聖地巡りをして楽しめます。
- ロンドン:キングス・クロス・ステーション
- ロンドン:レドンホールマーケット
- ロンドン:ミレニアム・ブリッジ
- オクスフォード:ボドリアン・ライブラリー
- オクスフォード:クライスト・チャーチカレッジ
- コッツウォルズ:レイコック
- コッツウォルズ:グロスター大聖堂
- セブン・シスターズ
- アニック:アニック城
- スコットランド:グレンフィナン高架橋
それぞれのエリアについて解説します。
ロンドン:キングス・クロス・ステーション
『ハリー・ポッター』シリーズファンの中で最も有名な聖地巡りスポットです。
ロンドン中心部に位置するキング・クロス・ステーションは、1852年に開業して以来、現地人や観光客の移動のハブ駅として存在感を発揮しています。
駅全体の雰囲気が『ハリー・ポッター』の世界観とよく似ていることはもちろんですが、映画を見たことがある人なら知ってる「9と3/4番線」を再現したフォトスポットがあります。
どの時期に行っても「9と3/4番線」で写真を撮りたい人たちで賑わっており、写真を撮るためには並ばなければなりませんが、壁に吸い込まれていくようなワンショットが撮れます。
ちなみにフォトスポットのすぐそばには、お土産ショップがあり、『ハリー・ポッター』シリーズで登場する杖やパーカーなどが購入可能です。
自宅から『ハリー・ポッター』シリーズのグッズを持っていくもよし、キングス・クロス・ステーションで記念に購入するもよし。
ぜひ、キャラクターになりきって最高の記念写真を撮ってみてください。
ロンドン:レドンホールマーケット
ロンドン市内で最も古く伝統的な市場の一つとして知られており、ハリーとハグリットが入学に必要な道具を購入するために訪れるシーンのロケ地となりました。
本編で登場する濡れ鍋のお店は実在し、ブルズ・ヘッド・ストリートの「グラス・ハウス」というメガネ屋さんです。
そのほかにも、魔法グッズは売っていないものの、ペンやアンティーク、おしゃれな洋服店などが並んでいてショッピングをするのも楽しめます。
基本的に平日営業で土日はほとんどのお店が閉まっています。
ショッピングをしたい方は平日に合わせて訪れて、写真撮影をメインにしたい方は休日の方がかえって人通りが少なく利用しやすいかもしれません。
ロンドン:ミレニアム・ブリッジ
セント・ポール大聖堂を眺めることができる北岸と南岸を繋ぐ橋は、『ハリーポッターと謎のプリンス』のオープニングで登場します。
本編では、ヴォルデモートが従えるデスイーターたちによって壊され無惨な姿になってしまうのですが、実際のミレニアム・ブリッジは景色が良くて最高です。
2000年に橋が完成したものの、風の強さによる横揺れが激しく、瞬く間に閉鎖。
安全性を完備するために補強工事を加えて2002年から再開されましたが、今でも風が強く吹くと横揺れはあるようで、心配の声も寄せられています。
橋そのものはモダンなデザインになっているものの、橋の上に立つとクラシックな建物が見渡せて、まるで過去と未来が融合したかのような不思議な感覚を楽しめます。
オックスフォード:ハンフリー公爵図書館
ハリーたちの在籍するホグワーツ魔法魔術学校の図書館を撮影するときにロケ地になりました。
ハンフリー公爵図書館は、合計26か所あるボドリアン図書館のうちの1つであり、魔力が宿っていそうな歴史的な建物が残されています。
基本的にはツアーのための事前予約が必要で、当日予約をしようとすると建物の内部は一部分しか見られませんので気をつけましょう。
ツアーの中では、撮影NGとなっているものの、ハリーたちが勉強していた部屋やたくさんの本が積み重ねられた空間がみられます。
さらに、ハンフリー公爵図書館の1階は『ハリーポッターと炎のゴブレット』でダンスの練習をするシーンを撮影したロケ地となっています。
オックスフォード:クライスト・チャーチカレッジ
イギリスの中でもオックスフォードは「大学の街」として広く知られていますが、ハリーたちが通うホグワーツ魔法魔術学校の食堂がモデルになった学校があります。
クライスト・チャーチカレッジの中に「グレートホール」と呼ばれる実際に学生たちが利用する食堂がその舞台です。
訪れてみると、ホグワーツ魔法魔術学校ほどの天井の高さや、校長先生たちが座る長テーブルはありませんが、生徒たちが食事するテーブルはそのまま残っています。
先生たちが座っている場所には、クライスト・チャーチカレッジに関連する肖像画が飾られていて、迫力満点です。
さらに食堂に続く大きな階段もクライスト・チャーチカレッジがモデルになっており、建物そのものをじっくりとみて楽しむことができます。
コッツウォルズ:レイコック村
おとぎ話に登場してもおかしくないような独特な世界観を持つレイコック村の中には、ハリーたちが頻繁に歩き回っていたホグワーツ魔法魔術学校の長い廊下のロケ地があります。
また、ハリーが生まれて、ハリーの両親がヴォルデモートによって殺害された自宅や「ゴドリックスノ谷の教会」のロケ地になった場所もあります。
村全体が中世にタイムスリップしたかのように伝統的な建物が残っているのが魅力です。
長い廊下や建物の中は自由に歩いて写真撮影ができるので、ホグワーツ魔法魔術学校の生徒になった気分でとっておきの1枚を撮影してみてはいかがでしょうか。
アニック:アニック城
ロンドンから離れるため、コアな『ハリーポッター』シリーズのファンでなければなかなか訪れる機会はありませんが、ホグワーツ魔法魔術学校の外観モデルになった場所です。
映画ほどの幻想的な雰囲気はないものの、芝生広場にドンと構える建物のパノラマビューは見応えがあります。
ここでは、ブルームスティック・トレーニングと呼ばれるハリーたちのように空飛ぶ授業を楽しめるアクティビティがあります。
1日3〜4回ほど開講されていますが、予約時に満員になれば参加できませんので、余裕を持って手続きを済ませておきましょう。
スコットランド:グレンフィナン高架橋
ロンドンからさらに離れたエリアにはハリーたちがホグワーツ魔法魔術学校に行くまでに乗車する「ホグワーツ・エクスプレス」のモデルになった高架橋があります。
自然に溢れる中、真っ赤な列車が印象的な「ジャゴバイト号」は実際に乗車できるので、ハリーたちのみた景色を車内から眺められます。
列車に乗るだけではなく、動いている列車を撮影したいという方は、グレンフィナン駅から15分ほど歩いて、フォトスポットにいきましょう。
自然の中、橋を上を進むジャゴバイト号からは白い煙がモクモクと出ていて、絵に描いたような1枚になること間違いなしです。
4.まとめ
この記事では、イギリスの町並みの魅力や『ハリーポッター』シリーズの聖地スポットについて解説しました。
イギリスは、4つの国から構成されており、紛争や産業革命などたくさんの歴史を経て今の形に落ち着いています。
それぞれの地域で違った文化や伝統が継承されているので、具体的に行きたい都市を絞ったり、時間をかけて4つの都市を比較しながら観光してみても楽しいでしょう。
また『ハリーポッター』シリーズのロケ地もたくさんあるので、ぜひハリーポッターファン聖地巡りを楽しんでみてください。