フィリピンといえば、近年「格安留学」ができるエリアとして注目されています。
また、海が綺麗で食べ物が美味しく、物価が安い国のため、観光大国としても長年日本人から愛されてきました。
日本にも多くのフィリピン人が在住していますが、流暢な英語が話せる方が多いのをご存知ですか。
フィリピンは、東南アジアで唯一、英語が公用語として使われています。
この記事では、フィリピンの公用語、フィリピン語訛りの英語、フィリピンで使用されている言語、現地で使えるフレーズについて解説します。
フィリピンの基本情報
国名 フィリピン共和国(Republic of the Philippines) 面積 30万平方キロメートル 人口 1億903万人 首都 マニラ首都圏(NCR) 言語 フィリピノ語、英語、セブアノ語など 宗教 ●カトリック(82.9%)
●その他のキリスト教(10.0%)
●イスラム教(5.1%)
国名 | フィリピン共和国(Republic of the Philippines) |
面積 | 30万平方キロメートル |
人口 | 1億903万人 |
首都 | マニラ首都圏(NCR) |
言語 | フィリピノ語、英語、セブアノ語など |
宗教 | ●カトリック(82.9%) ●その他のキリスト教(10.0%) ●イスラム教(5.1%) |
外務省の調査によると、2021年10月の時点で在留邦人は15,728人です。
アジアの国の中でも、特に英語が通じるため、海外移住を考えている日本人からも人気な国であることが伺えます。
フィリピンの公用語
フィリピンでは、たくさんの言語が使われていますが、JETRO(日本貿易振興機構)の公式サイトでは、「フィリピノ語」と「英語」が公用語として紹介されています。
フィリピノ語
フィリピノ語は、タガログ語をベースにしたフィリピン特有の言語です。
タガログ語はマニラ周辺で使われていた言語ですが、フィリピンの首都がマニラに移されたことをきっかけにタガログ語をベースとしたフィリピノ語が公用語として認定されました。
1986年にマルコス独裁政権が幕を閉じて、1987年の新憲法が制定されるまでは「ピリピノ語」という名称だったと言われています。
フィリピノ語とタガログ語はほとんど同じと認識して問題ありません。
あえて使い分けるとすれば、フィリピノ語がフィリピンの国語と公用語であり、タガログ語はマニラで使われている言語となります。
ちなみに、日本国内ではフィリピノ語やタガログ語の文法や言語に関する日本語の書物はほとんどなく、語学習得が難しいです。
英語
フィリピンは、アメリカ、イギリスに続いて英語を話す人口が世界で3番目に多い国です。
フィリピンの小学校から大学は、国語と歴史以外の授業を全て英語で行っていて、現地の人たちは「英語=フォーマルな言語」として認識しています。
幼少期から常に英語を使って学ぶ機会があるため、ネイティブのように英語が流暢に話せる方が多いようです。
また、スラム問題なども深刻で貧困問題に悩むフィリピンでは「英語が話せれば将来の選択肢が広がる」という認識が浸透していて、英語学習に積極的です。
実際に留学や旅行でフィリピンに行くと、テレビ、映画、店の看板や標識、メニューなどもほとんど英語が採用されていることに気づくでしょう。
かつてはスペイン語も公用語の1つであった
アメリカの植民地支配から解放された1946年、フィリピンの政府は「フィリピノ語」と「英語」に加えて「スペイン語」の3か国語を公用語として認定しました。
1991年に残された資料によると、当時フィリピンでスペイン語を話していた人口はわずか3%であったとのことです。
ただし、歴史をかさ登るとスペイン領のメキシコから出発したレがスピの遠征隊がセブに上陸して1898年から333年間フィリピンを支配していたのです。
現在でもアメリカ支配の歴史を感じさせる建物は多くありますが、スペイン支配の歴史を感じさせる建物はほとんどありません。
フィリピンの中でも一部のエリアで植民地支配をしていた模様で、特に英語ほど大きな影響を与えなかったため、1987年に政府は公用語からスペイン語を廃止しました。
フィリピン国内で英語が使われている理由
フィリピンで英語が話されている理由は、将来の選択肢を広げるためだけではなく、歴史的な背景があります。
1898年から約40年間、フィリピンはアメリカの植民地支配を受けていた過去を持っています。
植民地時代、アメリカはフィリピンの小学校から大学までの授業で全て英語を使うように強制しました。
1974年、植民地時代が幕を閉じると共に、フィリピンは独立します。
その際、教育省令25号「フィリピンごと英語による言語併用教育政策」が発令され、もともと公用語であったフィリピノ語に加えて英語が加わることになりました。
植民地時代の40年間で国民の多くが流暢に英語を話し、コミュニケーションまで取るようになったため、現在も当たり前のように公用語として根付いているということです。
言語に限らず、フィリピンの文化はアメリカからの影響が大きく、ファストフードやポットラック(食べ物を持ち寄るパーティー)などが人気です。
アメリカの文化から強い影響を受けているからか、フィリピン人は自国の伝統や文化に対する愛着心がやや薄いと言われています。
良く言えば、フィリピン人は柔軟性のある思想の持ち主で、自分と違うことに対して抵抗することなく、良さを見つけて取り入れられる国民性であると言えます。
フィリピンでは公用語以外にもたくさんの言語が使われている
フィリピンでは、国民の大半がフィリピノ語(タガログ語)と英語を話すと思われていますが、実は各地域に加えて7,000以上の島では100種族以上の民族が暮らしています。
民族はそれぞれ異なる言語を持っていて、同じ民族の間では独自の言語でコミュニケーションを取るため、111の言語があると言われています。
- タガログ語(マニラ周辺)
- セブアノ語(ビサヤ地方)
- イロカ語(北部ルソン)
- ビコール語(南部ルソン)
- ワライ
- パンガシナン
- マラナオ など
日本でいう「標準語」「関西弁」「九州弁」の違いかな?と考える方もいるかもしれませんが、フィリピンの民族語の違いは方言とは異なります。
民族が違えば、他民族同士でコミュニケーションを取ることはほぼ不可能です。
フィリピンは正真正銘の多民族国家であり、国民同士のコミュニケーションが難しかったため、政府は公用語としてフィリピノ語を作りました。
さらに、アメリカから植民地支配されたことで多くの国民がローカル民族の言語のほかに英語を話すようになったため、コミュニケーションのために英語を浸透させます。
最近では、タガログ語と英語が融合した「タグリッシュ」と呼ばれる新しい言語を話す国民も増えているとのことです。
知っておくと便利なフィリピノ語(タガログ語)の挨拶
旅行や留学中に現地ですぐに使えるフィリピノ語(タガログ語)を紹介します。
日本語 | フィリピノ語(タガログ語) |
こんにちは | ●Magandang araw(マガンダン アラウ) ●Magandang tanghali(マガンダン タンハーリ) ●Magandang hapon(マガンダン ハーポン) |
おはよう | Magandang umaga(マガンダン ウマーガ) |
こんばんは | Magandang gabi(マガンダン ガビ) |
はい | ●Oo(オッオ) ●Oho(オッホ) ●Opo(オッポ) |
ありがとう | Salamat(サラーマット) |
どういたしまして | Walang anuman(ワラング アヌマン) |
ごめんね | Sori ha?(ソリー ハー) |
ごめんなさい | Pasensya ka na(パセンシャ カ ナ) |
わかりました | Naintindihan ko(ナインティンディハン コ) |
わかりません | Hindi ko naintindihan(ヒンディ コ ナインティンディハン) |
すみません(道を尋ねるときなど) | Makikiraan po(マキキラアン ポ) |
お元気ですか | Kumusta ka?(クムスタ カ) |
大丈夫? | Okay lang?(オーケイ ラン) |
元気だよ | Mabuti naman(マブーティ ナマン) |
体調が悪い | Masama ang pakiramdam ko(マサマ アング パキランンダン コ) |
美味しい | Masarap(マサラップ) |
フィリピンの格安留学の特徴
フィリピンの格安留学が注目されていますが、主に次の3つの特徴があります。
- 英語学習者に寄り添った教え方
- 陽気で明るい講師
- 少人数クラスの環境
それぞれの特徴について解説します。
英語学習者に寄り添った教え方
フィリピン人は、幼少期から英語に触れる機会が多いため、ネイティブ並みの英語力がありますが、日本人と同じで英語は第二言語です。
成長する過程で英語を「学習」して「習得」しているため、第二言語として英語を学ぶ大変さやコツなどを理解している先生ばかりです。
アメリカやイギリスのネイティブの英語教師から学ぶのとは違って、英語学習者の気持ちを理解して教えてもらえるため、自信を持って英語を話せるようになるでしょう。
陽気で明るい講師
フィリピン人はアジアのラテン系民族とも呼ばれるほど、情熱的でパーティー好きで明るい性格をした国民性です。
実際に、フィリピン留学をした人からは「先生の話がいつも楽しい」「授業外でも遊びに誘ってくれる」などフレンドリーな先生たちを評価する声が多く寄せられています。
フィリピン留学なら、毎日の授業が楽しみになること間違いなしです。
少人数クラスの環境
フィリピン留学との特徴として、マンツーマン授業や少人数クラスでしっかりとスピーキングの練習ができる環境が整っています。
せっかく留学をしていても、英語教師の話を聞いてばかりの授業では、英語力を伸ばすことは難しいです。
とにかく英語の文法や発音が間違っていたとしても、積極的に話せる環境が整っているため、飛躍的に英語力を伸ばすことが期待できます。
フィリピンで人気の観光エリア
フィリピンで人気の観光エリアを5つ紹介します。
どのエリアでも公用語である英語を使って滞在できるので、現地の言葉を知らない方でも安心して旅行を楽しめます。
マニラ
フィリピンの首都マニラは、危険なイメージやスラム街をイメージする方もいるかもしれませんが、実は多くの高層ビルが立ち並んでいて人気があります。
公園、夜景、カジノなどの複合型リゾート、ショッピングなど、物価の安い街でちょっとした非日常的な楽しみを味わうにはもってこいのエリアです。
アメリカの影響を強く受けているため、見渡す限り英語の看板や広告で埋め尽くされていて、アメリカに来た錯覚に陥るかもしれません。
パオアイ
ルソン島北部に位置するパオアイには、世界遺産に認定されているサン・アグスティン大聖堂があります。
東南アジア特有の建築物が楽しめて、小さな田舎町をのんびりと散策するのに最適です。
マニラから飛行機で1時間半で、サン・アグスティン大聖堂に行くのであれば、フィリピンでお馴染みのジープニーに乗せてもらいましょう。
ビガン
ルソン島北部に位置するビガンは、南シナ海に面した小さな街です。
アメリカの影響を強く受けているフィリピンですが、ビガンではスペインの影響を受けていることが感じられる街並みが特徴的です。
基盤目状に整備されている石畳のストリートには、まるでヨーロッパやスペインを彷彿とさせるテラス付きのレストランが並んでいます。
セブ島
日本人から高い人気を誇るリゾート地のセブ島は、アジアを代表するビーチリゾートとして観光地として認定されています。
日本からリーズナブルな価格帯で直行便が出ているため、限られた休暇で時間を無駄にせずリゾート気分を味わいたい方におすすめです。
物価が安く、ビーチ前のロッジなどの宿泊施設も安価に予約できるため、学生の旅行でも十分に堪能できます。
ボホール島
野生動物が豊かに暮らしているボホール島は、騒がしい日常から解放されたい旅人たちから人気なエリアです。
この島には、世界で最も小さいメガネザル「ターシャ」が生息していて、他のエリアでは専門家でも捜索困難と言われています。
そんなターシャにほぼ100%出会える場所がボホール島にあるので、直接見たい方はぜひ探しに行ってみましょう。
まとめ
この記事では、フィリピンの公用語について解説しました。
フィリピンは、多民族国家であり100以上の言語が各民族の間で使われていますが、円滑なコミュニケーションを取るために「フィリピノ語」と「英語」が公用語となっています。
過去には植民地支配を受けていた歴史があり、英語やスペイン語を話す国民もいたようですが、複数の言語を幼少期から習得しているフィリピン人は耳がいいのかもしれません。
近年では、英語留学やリゾート観光地として日本人からも高い注目を集めています。
英語が通じるだけでフィリピン滞在へのハードルが低くなっている方も多いでしょう。
ぜひ、留学や旅行でフィリピンを訪れてみてください。