小学生が英検5級に合格するための勉強方法と、親の役割

近年、幼児期からの英語学習の広まりや小学校の英語必修化などで、英検を受けようという小学生が多くなっています。

英検5級を受験する小学生は、英語の基本的な語彙や文法を学ぶだけでなく、リーディングとリスニングの各スキルをバランス良く伸ばすことが求められます。

効率的な勉強方法で子どもが自信を持って受験できる準備を整え、英検5級の受験が子どもにとって成功体験になるよう、家庭でしっかりとサポートしてあげましょう。

英検について

英検は、60年もの歴史を誇る、日本で最も古い英語能力試験です。
英語教育の発展やグローバル化に伴い、英語力を正確かつ客観的に評価する必要性が高まったことから、英検は設立されました。

英検の目的は、英語力を身につけるための目標を設定し、効率的な学習を促すことにあります。
また、英検は、外国人とのコミュニケーションや留学、就職活動など、様々なシチュエーションでの英語力を客観的に評価することを目的としています。

子どもに英検の受験勉強をはじめさせる前に、英検と英検Jr.との違い・英検5級合格に求められるレベル・CSEスコアについて理解しておきましょう。

英検と英検Jr.との違い

英検は一般向けの英語能力試験で、受験者はあらゆる年齢証や職業と、多岐に渡ります。
英検は7つの級に分かれており、初級の5級から、4級、3級、準2級、2級、準1級、1級と難易度が上がっていきます。

一方、英検Jr.は主に小学生を対象とした英語能力試験で、子供たちが楽しみながら英語力を試すことができるように設計されているのが特徴です。

英検Jr.は、小学校低学年を対象とした「BRONZE」のエントリーレベルから、「SILVER」「GOLD」と上がっていきます。

「SILVER」「GOLD」に関しては、その前のレベルの試験での正解率が80%以上の児童が受験対象です。試験方法も、イラストがメインで文字は一切書かれておらず、まだ文字が読めない小さな子どもでもチャレンジできる内容になっています。

英検公式サイトによると、英検Jr.は「小学校の外国語活動に対応」とあるので、英検5級の受験者の中には、以前英検Jr.を経験した子どもも多くいるかもしれません。

英検は筆記試験と面接試験がありますが、英検Jr.は筆記試験のみで、面接試験がありません。

英検5級合格に求められるレベル

英検の公式サイトによると、英検5級のレベルは「中学初級程度」で、合格するには「初歩的な英語を理解することができ、またそれを使って表現することができる」能力が必要とされています。

具体的には、家族のこと、趣味やスポーツなど身近な話題が出題される傾向にあり、はじめて受ける英語試験として適した内容になっています。
合否には影響しませんが、合わせてスピーキングテストも受験可能です。

英検5級を目指す人は、約1,000語の英単語と一般的な英語表現を習得し、現在形、過去形、未来形などの基本的な文法を理解しておくことが大切です。
また、短い文章や質問に対して適切に答えられるリスニング力があることも期待されています。

英検におけるCSEスコアとは

CESスコアとは、英検で使用される「Common Scale for English」の略称です。
これは、英検の各級の英語能力を一定の基準で測定し、比較できるようにしたものです。
CSEスコアは、0から100の範囲で表され、高いほど英語能力が高いことを示します。

英検の各級はCSEスコアによっても評価されており、例えば1級はCSEスコア85以上、5級はCSEスコア30以上が必要です。
CSEスコアを使用することで、受験者は自分の英語力を客観的に評価し、他の英語能力試験とも比較できます。

小学生が英検を受けるメリット

小学生が英検を受けることは、長い目で見てもさまざまなメリットがあります。
ここでは、英検を受けることが実際小学生にどのような利点をもたらすかを見ていきましょう。

小学校の英語教育を最大限に引き出す

近年、小学校での英語教育が重視されるようになり、多くの学校で英語が必修科目となっています。英検を受けることで、小学生は学校で学んだ英語の知識を確認し、実際にどの程度英語が使えるのかを把握できます。

また、英検はリーディング、リスニング、ライティングなどの各スキルを総合的に評価する試験であるため、受験勉強により子どもたちはバランスの良い英語力を身につけることができます。

このように、英検を受けることは、小学校での英語教育の効果を最大限に引き出すための手段になるとも言えるでしょう。

中学校英語の先取り学習ができる

小学生が英検を受けることによって、中学校での英語学習に対する自信やモチベーションを高めることができます。

特に英検5級で学ぶ内容は「中学初級程度」の英語力を要するため、小学生のうちに中学校で習うレベルの先取り学習を行うことが可能です。小学生が英検を通じて習得した英語力は、中学校での英語学習に生かすことができ、自信を持って中学校英語に取り組むことができるでしょう。

生涯にわたる英語教育の基盤作りになる

英検は英語の4技能（リーディング・リスニング・スピーキング・ライティング）を測る試験であり、子どもたちが実際に英語を使ってコミュニケーションを使った仕事や留学などの機会に役立つでしょう。

英検を受けることで、小学生は英語学習の目標を明確にし、自分の英語力を客観的に把握できます。

また、英検の各級には一定の基準が設定されており、それらをクリアすることで英語の学習に対する自信がつき、積極的に英語を使おうとする姿勢が育まれます。

このような積極的な姿勢は、中学校や高校での英語学習だけでなく、将来的に英語を必要とするさまざまな場面で役立つことでしょう。

小学生が英検5級に合格するための対策

英検は、毎回同じテスト形式なので、過去問に繰り返し取り組むことが合格への１番の近道です。

過去問を使っての学習を繰り返すことで、徐々に自身の苦手分野が明確になるので、その後は苦手分野を集中的に勉強しましょう。
英検の公式サイトで、前年度の過去問が公開されています。

筆記テスト対策

英検5級の筆記テストでは、主に文法・語彙・リーディングの3つの分野が問われます。

対策として、以下のような方法が効果的です。

• 基本的な文法の理解：英検5級では、基本的な文法事項が問われるため、英語の文法書や教科書を使って文法の理解を深めましょう。
• 語彙の習得：英検5級では、日常的な英単語が出題されます。英単語朝やアプリを使って、定期的に単語を学習しましょう。
• リーディングの練習：短い英文を読んで理解する力を鍛えるため、的セルなレベルの英語絵本や文章を読みましょう。

リスニングテスト対策

• 英語の音声に慣れる：英語の音声に慣れ親しむことで、リスニング力を向上させることができます。英語の絵本や動画を活用しましょう。
• 聞き取りの練習：英語教材やアプリを使って、短い会話やフレーズの聞き取り連取を行いましょう。
• 繰り返し練習：リスニング力を鍛えるには、繰り返し練習が必要です。毎日少しずつ英語の音声に触れるようにしましょう。

小学生が英検5級に合格するために親ができることは何か

親からのサポートは、子どもの英語学習に大きな影響を与えます。

以下に、親が小学生の英検5級合格のためにできることをいくつかご紹介します。

• 学習環境の整備：子どもが集中して英語学習に取り組める環境を整えましょう。静かで明るい場所での学習が理想的です。
• 適切な教材の提供：子どもの英語力に合った教材を選び、継続的な学習サポートをしましょう。英語絵本や過去問集、アプリなどが役に立ちます。
• 学習スケジュールの立て方の指導：子どもに効率的な学習スケジュールを立てさせ、適度な学習負担を課すことで、継続的な学習につながります。
• 励ましと共感：学習の進捗に応じて適切な励ましと共感を示し、子どもの英語学習へのモチベーションを高めましょう。
• 実践的な英語学習の機会の提供：日常生活で英語を使う機会を作り、実践的な英語力を養うことが大切です。英語での会話練習や英語の映画鑑賞などをバランス良く取り入れましょう。

小学生が英検5級に合格するためには、筆記テストとリスニングテストの両方をバランス良く学習することが必要です。

英検5級合格を通じて、子どもが今後の英語力向上と自信を築くことができるように、家庭でしっかり支えてあげましょう。

まとめ

英検5級は小学生にとって英語学習の基礎を固める重要な試験です。

筆記テストでは、基本的な文法・語彙の習得とリーディングの練習を求められ、リスニングテストでは、英語の音声に慣れることや聞き取り練習が重要です。
まずは過去問に繰り返し取り組み、試験の形式に慣れておきましょう。

親は学習環境の整備、適切な教材の提供、学習スケジュールの指導、励ましと共感、実践的な英語学習の機会を提供し、英検5級合格を目指す子どものサポートをしましょう。

英検を受けることがもたらすメリットは多岐に渡りますが、それでも受験にはプレッシャーが伴います。

小学生の英検受験をサポートする際には、親や周りの大人たちが適切な指導と励ましを行い、子どもが無理なく英語学習に取り組める環境を整えることが大切です。

小学生が英検を受けることは、資格取得にとどまらず、英語学習への興味や意欲を高め、今後の英語力を向上させることにつながります。

また、英語を使ってコニュニケーションを取る能力や自信を身につけられれば、生涯にわたる英語学習に役立つでしょう。