皆さん、バレーボールをしたことはありますよね?
体育の授業でも行われるので、バレーボールをしたことがないという方はほぼいないのではないでしょうか。
バレーボールをしていると「レシーブ」「トス」という言葉を使うと思います。しかし、英語ではレシーブやトスという言葉は使わないということはご存じでしょうか。
「え!?レシーブやトスは海外でも使える言葉じゃないの!?」
と驚かれた方も多いかもしれません。
留学では通常の授業が終わった後にアクティビティという留学生同士の交流を深める時間があり、博物館や映画館に行くというインドア的なものからスポーツで親交を深めるアウトドア的なものまであります。もちろん、バレーボールがある可能性もありますよ。
今回は、バレーボール用語が日本と同じもの、違うものでまとめてみました。また、英語の違いだけでなく、バレーボールの歴史についてもお伝えします。
バレーボールの歴史
英語のバレーボール用語のお話をする前に、バレーボールの歴史を知り、バレーボールについての見識を深めていきましょう。
バレーボールはいつ、誰が作ったの?
バレーボールは1895年、アメリカのマサチューセッツ州でウィリアム・G・モーガンの考案によって誕生しました。歴史としては誕生から130年に満たず、8世紀に起源があると言われるサッカーや11世紀に始まったテニスなどに比べると、歴史はまだ長くありません。
バレーボールはバスケットボールがきっかけに生まれた?
バレーボールが生まれる4年前の1891年、アメリカのマサチューセッツ州スプリングフィールドにある国際YMCAトレーニングスクールの教師ネイスミスが考案し、バスケットボールが生まれました。
当時のバスケットボールは桃を入れるかごをゴールに見立て、冬の間も楽しめるスポーツとして徐々に広がっていきました。
その4年後、同じ国際YMCAトレーニングスクールを卒業し、体育教師をしていたウィリアム・G・モーガンは、当時広がりを見せていたバスケットボールは人と人が激しくぶつかる競技であるという部分に気づき、誰でも気軽に楽しめないものかと考え始めました。
バスケットボールと比べると、テニスやバドミントンの方が気軽に楽しめるという部分をヒントにし、ネットで挟んでボールを打ちあうバレーボールを考案しました。
歴史を振り返ってみると、バスケットボールがなければバレーボールは誕生していなかったかもしれませんね。
バレーボールの名前の起源は?
バレーボールはボールが地面に落ちる前に打ち返さなければいけません。この空中のボールを地面に落ちる前に打ち返すプレーをボレーと呼んでいたため、そこからバレーボールという名前になりました。
しかし、このバレーボールという名前も最初からバレーボールという名前ではなく、かつてはミントネットという名前でした。それがボレー・ボールになり、1952年に正式にバレーボールという名称になったのです。
日本のバレーボールの歴史
日本で初めてバレーボールが紹介されたのは1908年。東京YMCA体育主事の大森兵蔵が、ヨーロッパの体育視察から帰国した際に初めて日本にバレーボールを紹介しました。
その後大森が死去したため、すぐさまバレーボールが拡大することはなかったのですが、本格的にバレーボールの歴史が始まったのは、大森が日本にバレーボールを紹介した5年後。
北米YMCA体育主事のF・H・ブラウンが、バレーボールを広める活動に従事し、広げていった1913年頃と言われています。
バレーボールがアメリカで生まれた1895年から実に18年の時を経て、日本でバレーボールが広がり始めました。
その後は昭和30年代に活躍した女子バレーボール日本代表が「東洋の魔女」と呼ばれ大活躍。1964年の東京オリンピックでは金メダルを獲得。
パワーと高さのみがポイントだったバレーボールの世界に緻密な作戦やコンビネーションを取り入れ、世界を驚かせました。回転レシーブ、フライングレシーブ、時間差攻撃など日本が生み出した技は各国でも使われています。
バレーボール用語を英語にしてみたら?徹底解説
バレーボール用語の多くは日本語と英語が一緒です。しかし、ややこしいのは日本語と英語で全く違うものも混ざっているということです。
次に、日本語と英語が同じバレーボール用語と違うバレーボール用語についてお伝えします。その用語がバレーボールでどの様な役割を果たしているかも解説しますので、ついでにバレーボール用語の意味も学んでしまいましょう!
日本語と英語が同じバレーボール用語
セッター(setter)
バレーで言うセッターはアタッカーにトスを上げる役割を指します。日本語と英語は同一の言葉ですが、日本語の発音だと「セッター」、英語だと「セター」という発音に近いです。
リベロ(libero)
試合中に出たり入ったりする特別なポジション。守備のスペシャリスト的な存在ですが、リベロはイタリア語で「自由」という意味があり、守備のみを指すものではありません。ちなみにサッカーでのリベロは守備も攻撃も行うポジションを指します。
アタッカー(attacker)
日本語も英語も同じ呼び方、同じ意味で、日本では強く速い球を打つ選手を総称してアタッカーとします。しかし、海外ではスパイカー(=spiker)やヒッター(=hitter)という呼び方をすることもあります。
アタック(attack)/スパイク(spike)
日本では攻撃全般をアタックとしていますが、海外ではさらに鋭い刺す様な攻撃をスパイク(spike)と表現し、アタックよりも多く使われています。
サーブ(serve)
日本語も英語も同じですし、テニスやバドミントンも同じ意味になります。
ブロック(block)
相手の攻撃を妨害するブロックは日本でも海外でも変わりません。
クイック(quick)
英語でクイックは速いという意味を指しますが、これは日本も海外も同じになります。
パンケーキ(pancake)
パンケーキと言うとバレーボールをあまり知らない方からすると、食べ物のパンケーキを想像すると思いますが、航空用語で飛行機が失速しながら水平に着陸するという意味があり、そこからきています。
バレーでは床につきそうなボールにスライディングして飛び込みレシーブをする技のことを指し、日本も海外も同じ呼び方です。
日本語と英語が違うバレーボール用語
センタープレーヤー(middle blocker)
ネット前で主にブロックをするブロックの要がセンタープレーヤーです。相手にスパイクを好きに打たせない重要なポジションで、背の高い選手が行うことが多いです。
海外ではミドルブロッカーと呼ばれることが多く、最近では日本でもミドルブロッカーと呼ぶことも多くなってきました。
バックアタック(back-row attack)
とても似ていますが微妙に違います。back-rowは後列を指し、後列から打ち込むアタックのため、海外ではバックローアタックと呼ばれています。日本ではバックアタックと省略されていますが、直訳すると後ろから殴るとなりますので、実はとんでもない意味になります。
レシーブ(bump)
日本語と英語が異なる意外なものになります。日本のレシーブは海外ではバンプ(bump)と言います。日本では受け止めるという意味の「レシーブ」を使用していますが、海外では強くぶつかる、衝突するという意味になる「バンプ」を使用しています。
トス(set)
レシーブを受けた後、アタックに入る前にトスをあげますが、このトスは海外ではセット(set)になります。日本では軽く投げるという意味の「トス」を使用していますが、海外ではその場所に置くという意味の「セット」を使用しています。
アタックカット(dig)
相手からアタックされた球をレシーブし、カットすることを日本ではアタックカットと言いますが、海外ではディグ(dig)と言います。ディグは日本では聞き馴染みがない単語ですが、田畑を掘り起こす・穴をあけるを意味する英単語です。
攻撃された球をレシーブしてカットする地面を掘る動作に似ていることからディグと呼ばれる様になりました。
吸い込み(waterfall)
思いっきり日本語ですのでさすがにこれは英語とは違います。日本でのバレーボール用語の吸い込みはブロッカーとネットの間にボールが落ちてしまうことを指します。実は海外ではこの吸い込みは単なるブロックミスとされ、用語自体がありません。
しかし、そのミスがまるで滝が流れるかの様にボールが吸い込まれてる様にも見えることからウォーターフォール(waterfall)と表現されることがあります。
まとめ
バレーボールの歴史、そして日本と海外で同じバレーボール用語と違うバレーボール用語をお伝えしましたがいかがでしたでしょうか。
バレーボールはバスケットボールが激しすぎるという理由から、バスケットボール以外でも冬に気軽にできるスポーツが作れないか、という発想から生まれたということが分かりました。
そして、バレーボール用語については私たちが普通に使っているレシーブやトスが海外ではバンプやセットという全くの別の呼び方になるのは意外でしたね。
逆にサーブやブロックなど、日本での呼び方と全く同じものもあり、区別するのが難しいですよね。海外でバレーボールにトライしてみたい!という方はぜひ今回の記事を参考にしてみてくださいね。