みなさんは「オーディオブック」というものを、英語学習に取り入れたことがあるでしょうか。もしかすると、そもそもオーディオブックがどんなものか知らない人もいるかもしれませんね。
オーディオブックとは、簡単に言えば本をプロの方が音読している音源のことです。日本語のオーディオブックもありますが、英語のオーディオブックを学習に用いる人も増えてきているんですよ。
そこでこの記事ではオーディオブックについて、英語学習に役立つ理由や選び方をおすすめのブックとともにご紹介します。効果的な英語学習方法をお探しなら、ぜひ参考にしてみてくださいね。
オーディオブックとは?
オーディオブックとは、冒頭のとおり本を音読している音源のことを言います。従来はCD媒体で発売されていましたが、最近はデータ化したものをダウンロードできるサービスの方が主流になってきているかもしれません。
日本だと、そこまでメジャーな存在ではありませんが、英語圏ではオーディオブックは昔から普及しており、オーディオブックで本の世界を楽しむ人も多いんですよ。それもあって、日本でも簡単に英語版のオーディオブックが手に入ります。
また、日本では、英語を学習中の人向けに作られたオーディオブックもあります。
英語圏でネイティブ向けに作られたオーディオブックには、本はついてこないため、読み上げられている文章を確認しようと思ったら、同じ本の購入が必要です。
しかし日本の英語学習者向けオーディオブックは、CDとともにスクリプトがついているものがあります。しかもレベル別になっているため、初心者でもオーディオブックを学習に取り入れることができるのです。
なぜオーディオブックが英語学習に役立つのか
ではなぜ、オーディオブックは英語学習に役立つのでしょうか。ここからは、オーディオブックが英語のレベルアップに役立つ理由を解説していきます。
通勤通学・家事をしながらなど「ながら」学習が可能
英語を勉強したくても、なかなか時間が取れないという人もいるでしょう。そんな人に、オーディオブックは特におすすめ。なぜならオーディオブックは音源ですから、通勤通学の際や家事をしている間などに聞くことができるからです。
何かをしながら学習が可能で、かさばらないので満員電車の中でも利用できます。また、洗濯物を干したり畳んだり、料理をしたり、片付けをしたり……なんて時にも流しておけるので、時間に追われる学生さんも社会人も、そして主婦の方でも、英語の学習が可能なのです。
英語耳が鍛えられる
オーディオブックを聞いていれば、リスニング力がアップします。ただ音楽のように流しているだけでも英語の音に耳が慣れていくでしょうが、しっかり耳を傾けて聞き、内容を理解しようとすることで、自然と英語を聞いて理解する力がつくでしょう。
日本人はリスニングを苦手に思う人も多いです。同じ文章なら、聞くよりも読んだ方が理解できる人も多いでしょう。
しかし、日常的に英語を耳にしていれば、どんどん英語に耳が慣れ、英語の音が自然と入ってくるようになります。むしろ、読むよりも聞く方が楽になるかもしれませんね。
英語の長い文章を理解できるようになる
オーディオブックは本の読み上げ、つまり音読なので、文章は少し長めです。
レベル別になっているものだとそうでもありませんが、普通の小説のオーディオブックだと、一文一文が長め且つ、ストーリーも長め。最初は大変に感じるかもしれませんが、何度も聞いているうちに長めの文章でも理解できるようになっていくでしょう。
特に英検の準1級以上やTOEICを受けようと思っている人は、長めの文章を聞いて理解できる力がついていると、試験の時に楽になりますよ。
シャドーイング教材にもなる
オーディオブックはリスニング教材として使えるだけではなく、シャドーイング教材にもなります。シャドーイングとは聞こえた言葉を、追いかけ再生のように真似る手法のことですが、語学習得には効果的な勉強方法の1つとされています。
スクリプトがついているものを買ったり、本を買ったりすれば、文章を確認しながらシャドーイングすることもできるため、単語を間違えることもなくなります。
また、スクリプトを目にすることでリーディングや語彙力アップも期待できるでしょう。
英語学習に使えるオーディオブックの選び方
オーディオブックは確かに英語学習に効果的なのですが、選び方を間違えてしまうと効果的な学習は難しいかもしれません。
そこでここからは、英語学習に使えるオーディオブックの選び方を解説します。
自分のレベルに合ったものを選ぶ
オーディオブックを選ぶときに一番大事なのは、自分のレベルに合ったものを選ぶことです。
すでに上級レベルの人なら、どんなものを選んでも構いませんが、まだ海外ドラマや洋画を英語字幕があっても楽しめない位のレベルの人なら、子供向けの本を選んだり、英語学習者向けに作られたオーディオブックがおすすめ。
レベルに合っていないオーディオブックだと内容が理解できず、楽しむことも難しいです。オーディオブックを選ぶときには、無理なく8割くらいは理解できるものを選びましょう。
興味が持てる内容のものを選ぶ
たとえ自分のレベルに合ったオーディオブックを選んだとしても、内容がつまらないと感じると、学習に活用するのは難しいでしょう。
ですから、オーディオブックを選ぶときには、興味が持てる内容のものがおすすめ。
オーディオブックはジャンルが幅広く、普通の小説から、児童書、そして自己啓発本、ビジネス関連本などさまざまなものがあります。
初級レベルの人向けだと、子供向けのお話が多くなりますが、昔好きだった童話などのオーディオブックを選べば、楽しみながら学習ができるでしょう。
読み手の声で選ぶ
多くのオーディオブックは、購入前に試聴ができます。オーディオブックを購入する際には、試聴をしてから声で選ぶのもおすすめ。
人はそれぞれ、声に対しても好みがあるはずです。自分が聞いていて聞き心地が良い声なら、学習に使うのも苦にはならないでしょう。
ですが逆に、聞き心地の悪い声だと、学習を続けるのが難しくなります。
オーディオブックは、比較的クリアで聞き取りやすい声質のものが多いのですが、女性の読み手だったり、男性の読み手だったりという違いもあります。
試聴ができるものは試聴してから買うと失敗がなくなります。
英語学習に最適なオーディオブック5選
ここからは英語学習におすすめできるオーディオブックを5つ厳選してご紹介します。初心者向けから上級者向けまでのものまでピックアップしてみたので、はじめてオーディオブックを購入するという人は、こちらから選んでみてはいかがでしょうか。
Long-ago Stories of Japan(日本昔ばなし)
英語学習者向けに作られた「IBCオーディオブックシリーズ」の中で、一番簡単なレベルのオーディオブックです。学習者向けなのでスクリプト付きなのが嬉しいですね。
使用語彙は1,000語と限られており、読み上げ音源もクリアでわかりやすく、さらに誰もが知っている日本昔ばなしの英訳なので、英語を学習し始めた人でも使いやすい一冊です。
ちなみに同じ「IBCオーディオブックシリーズ」には、不思議の国のアリスやシャーロック・ホームズなどの物語のほか、経済書、自己啓発本なども発行されています。レベル別になっているため、自分のレベルに合わせたものが選びやすく、興味があるものも見つかりやすいでしょう。
The Little Prince(星の王子さま)
日本でも根強い人気を誇る「星の王子さま」の英語版オーディオブックです。さまざまなバージョンが発行されていますが、本とCDがセットになった商品が学習には使いやすいでしょう。
元々平易な英語で書かれた物語ですが、前述のIBCのシリーズでも少し簡単に書かれたバージョンが発行されています。どちらにするかは現在のレベルで選びましょう。
Who Moved My Cheese?(チーズはどこに消えた?)
日本でもベストセラーとなったビジネス書の英語版です。スクリプト付きのものは発売されていませんが、洋書でも手に入れやすいので、読み上げ文章も簡単に手に入ります。
ビジネス書と言っても、比較的シンプルな英語で書かれているため、中級レベルの人なら挑戦できるはず。
上級レベルの人でも、小説などを好まない人ならこちらの方が使いやすいかもしれません。
Charlie and the Chocolate Factory(チャーリーとチョコレート工場)
こちらも日本でも有名な本ですね。洋書の多読でもよく紹介される本ですが、オーディオブック版も販売されています。
読み手の方がとてもドラマチックに読んでくれるので、内容が入りやすいのもポイント。レベル的には中級以上なら挑戦できるくらいです。
スクリプト付きのものはないものの、洋書が簡単に手に入るので、学習教材として使いやすいですよ。
Harry Potter シリーズ
イギリスの大人気シリーズであるハリーポッターも、全シリーズオーディオブックがあります。こちらも洋書が手に入りやすいですから、スクリプトを見たい場合は洋書を購入しましょう。
児童書ですが、少し難易度は高めなので、上級レベル以上の方におすすめです。
オーディオブックは時間がない人にこそおすすめ!
オーディオブックはながら学習もできる、優れた学習教材です。シャドーイングをしたり、理解できない言葉をチェックするためにはスクリプトの確認が必要ですが、ただ聞いているだけなら、何かをしながらでも十分学習ができます。
リスニング力の強化に、語彙力や長文読解力の強化に、さまざまな用途で使えるので、まずは1冊オーディオブックを購入してみてはいかがでしょうか。